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「ヤングケアラー支援強化」と「安倍元首相銃撃1年」

讀賣新聞2023年(令和5年)7月9日日曜日一面上段を左右に分け「ヤングケアラー支援強化」と「安倍元首相銃撃1年」を報じていた。そこで、この二つの関係について述べてみたい。

では「ヤングケアラー」だが、厚生労働省のホームページに『ヤングケアラーとは、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っているこどものこと』とある。

さらにイラスト付きでヤングケアラーについては、次の10項目を紹介している。
①障がいや病気のある家族に代わり、買い物・料理・掃除・洗濯などの家事をしている
②家族に代わり、幼いきょうだいの世話をしている
③障がいや病気のあるきょうだいの世話や見守りをしている
④目の離せない家族の見守りや気づかいをしている
⑤日本語が第一言語でない家族や障がいのある家族のために通訳をしている
⑥家計を支えるために労働をして、障がいや病気のある家族を助けている
⑦アルコール・薬物・ギャンブルなどの問題のある家族に対応している
⑧がん・難病・精神疾患など慢性的な病気の家族の看病をしている
⑨障がいや病気のある家族の身の回りの世話をしている
⑩障がいや病気のある家族の入浴やトイレの介助をしている

●「安倍元首相銃撃事件」だが、銃撃犯の山上徹也被告の家族構成についてみてみよう。もっとも詳細を伝えている週刊文春の記事を参考にすると、父は京都大学を卒業、義父の事業を継ぐべく交通インフラの整備が重視された1980~90年代にかけトンネル工事の現場監督に従事する。しかし、うつ病とアルコール依存症とを併存し自殺している。また、山上被告の兄も小児がんを発症、長年の闘病のすえ自暴自棄となり(?)自殺。そんな中、母は宗教に過度にのめり込み、そこでの救いを信じ、高額、かつ頻回に壺等を購入している(これ共依存関係、行為依存)。そのため、母は養育放棄の状態(ネグレクト)に陥った。そんな中、山上被告は兄と妹のためにと保険をかけて自殺を図っている。つまり山上被告は、先に紹介した「ヤングケラー」の②、③と⑦に該当する。だからといって、私は彼の犯行を擁護するものではない。

ただ、「ヤングケアラー」とは特異な若者ではない。
映画の題材としても扱われている。最近の是枝裕和作品は「ヤングケアラー」を下地にしたものが多い。

●「誰も知らない」、柳楽優弥(当時14歳)が2004年度カンヌ国際映画祭で主演男優賞受賞作品。母親(YOU)が恋人と家を空け、生活費も送ってこなくなる。柳楽優弥演じる明は、3人の妹と弟をガス・水道・電気といった基本インフラが止められた中、世話を見続ける。これ正しく②である。
 
●これも是枝作品『海街diary』を紹介しておきたい。図表は主たる登場人物の家族関係だ。ここでの4姉妹は機能不全家庭の子どもたちである。鎌倉の祖父母が建てた古い日本家屋に住む姉妹の物語だ。映画は消息を絶っていた父の死の知らせで始まる。葬儀に出席した上の3人の姉妹は、異母妹のスズと初めて会う。亡き父の妻で、すずの母でもある女性はすでに亡くなっている。よって、葬儀を営むのは3番目の妻だ。そこでのスズと3番目の妻とのやり取り、それと幼い連れ子の男の子ふたりの関係、スズがヤングケアラーの②、⑨であることが分かる。それを察してか、長女のサチが別れ際に鎌倉に来ないかと誘う。そこから、スズの新たな生活と物語が始まる。因みにこの4姉妹はアダルトチルドレンの特性をそなえ持っている(図表参)。

【機能不全家族家庭の子ども達とは「優等生」、「問題児」、「存在感希薄」、「しっかり者」、「ひょうきん者」】
(参考図書「回復のためのミニガイド⑦」ASK1994年)

●昨年第94回アカデミー賞作品賞の『CODA「コーダあいのうた」』は、そのタイトルの『CODA』とは聴覚障害者を親に持ち聴力がそなわった子どものことを指す。主役のルビーの両親、兄は聴覚障害者で、彼女は彼らの通訳を勤めている。まさしく⑤を扱った映画である。
(CODAとはChildren of Deaf Adults)
日本でも2015年に当事者団体「J-CODA(ジェイコーダ、Japan Children of Deaf Adults)」が結成されている。

▲ヤングケアラー支援推進
厚生労働省は10日、介護保険の運営に関する基本指針の案に、親などを世話するヤングケアラーの支援推進を初めて盛り込む考えを明らかにした。市区町村が作成する2024年度から3年間の介護保険事業計画に反映される。全国各地で相談体制などの充実を目指す。

長崎新聞2023年7月11日(火曜日)付

以上の記事から推察するに厚生労働省は、高齢者介護を担う子どもたちをヤングケラーの主軸と位置付けているのかな?

▼再度、前回(2023年5月24日)ブログ掲載の『「ケアラー条例」と子どもたちの「マスク着用」、「黙食」等 』の後半部分を掲載しておきたい。

・・・令和4(2022)年10月14日、長崎県ケアラー支援条例が公布されている。それは、九州ではこの条例公布は初めてらしい。
冒頭、「・・・・・・ここに、私たちは、ケアラーに対する理解を深めるとともに、社会全体で支えていく仕組みを構築し、だれ一人取り残さないことを決意し、この条例を制定する。」と述べている。
そして(定義)としては「(1)ケアラー 高齢、障害又は疾病により援助を必要とする親族、友人その他の身近な人に対して、無償で介護、看護、日常生活上の世話その他の援助(以下「介護等」という。)を提供する者をいう。(2)ヤングケアラー ケアラーのうち、18歳未満の者をいう。」等が記されている。
次に(基本理念)でヤングケアラーについて次のように述べている。「(3)ヤングケアラーに対する支援は、ヤングケアラーとしての時期が特に社会において自立的に生きる基礎を培い、人間としての基本的な資質を養う重要な時期であることに鑑み、適切な教育の機会を確保し、かつ、心身や健やかな成長及び発達並びにその自立が図られるように行われなければならない。」としている。
★なるほど、少し考えていただきたい。
 この3年あまりのコロナ騒動下、子どもの「マスク着用」、「黙食」、そして諸々の活動が縮小、中止を余儀なくされてきた。それは、ご承知のようにCOVID19の感染予防ではない。子どもの重症化、死亡リスクは極めて低いことは早い段階で判明していた。子どもは繰り返し感染することで、免疫を確保するとの指摘もなされている。だから子どもたちの「マスク着用」、「黙食」等々の目的は、「おじいちゃん、おばあちゃんを守りましょう」と、新型コロナ感染症をうつさないためだった、と言っていい。それも本来子どもとはいえ権利を有する国民だ。「任意」のはずだが、大人の厳格な指導、指示の下で実践させられてきた。「健気」だね。
★日本医師会は「健康プラザ No. 566」で「子どものメンタルヘルス」について、次のように伝えている。〈子ども時代は多様な時期〉・〈コロナ禍から見えてきた子どものストレス〉・〈子どものメンタルヘルスを維持するために〉と。(日医ホームページ・健康プラザにて検索:2023年5月20日)
★少し考えた結果
コロナ騒動で諸々の制限を強いられた子どもたちは、「高齢、障害又は疾病により援助を必要とする親族、友人その他の身近な人に対して、無償で・・・援助を提供する者」の対象にならないか?つまりヤングケアラーだと・・・。
そして基本理念、ヤングケラーに関して「基本的な資質を養う重要な時期であることに鑑み、適切な教育の機会を確保し、かつ、心身や健やかな成長及び発達並びにその自立が図られるように行われなければならない。」となっている。よって、本県は「長崎県ケアラー支援条例」に基づいて、県下の子どもたちが今後、伸び伸びと健やかに自立を図れるような策を講じるべきだと思う

本ブログ『「ケアラー条例」と子どもたちの「マスク着用」、「黙食」等 』
2023年5月24日付

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