水原一平氏とギャンブル依存症
★大谷翔平選手の元通訳水原一平氏について『週刊文春 2024年4月4日号』は次のように伝えている。
★『機能の全体的評定心理的、社会的、職業的機能を考慮した精神健康度の尺度(Global Assessment of Functioning)』
通称『GAF』を用いて、我々精神科医は、患者(当事者)の精神生活能力の評価を行っている。100から0までに評価ランクが設けられている。そして、慢性期療養病棟における入院処遇、あるいは精神科訪問看護を要する対象患者(当事者)はGAF40以下と定められている。
では、機能評価で最も高いGAF90以上とは、
と。
『~その人の多数の長所があるために他の人々から求められている。』が、何か『昨年三月のWBCでは「三十一人目の侍」として優勝に貢献した水原氏。』等の週刊誌報道と重なる。ところが、GAF90以上では「症状は何もない。」とある。しかし、彼は「ギャンブル依存症」だと告白している。
★ベントンは『高機能アルコール依存症を理解する』で、米国において高学歴で、高度な仕事をこなす能力があり、かつ社会的にも地位が高い人たちが、アルコール依存に陥るのを高機能アルコール依存症者だとして紹介している。その特徴と特性は
といったものである。なるほど、そしてベントンの指摘に、日本の患者(当事者)なら「協調性、過度の思いやり(気遣い)」と「おもてなし(気配り)」を加えたい。
ギャンブル依存症も然りだ。となると水原一平氏の人物像が見えてくる。
★精神科医(精神医療従事者)が彼と向き合うために
2019年、精神科医松本俊彦と臨床心理療法士信田さよ子が誌上対談を行っている。以下、信田さよ子の発言(抜粋)
その頃から、確か諸々の依存症対策の必要性が俎上に上がり始めた。そこで、国は各地に依存症拠点病院の設置を急いだ。だがそんな依存症拠点病院で行われる研修会の中身とは、パッケージ化されたプログラムと、何とも得体の知れない「CRAFT」、「スマープ」といった技法の取得。とくに長崎ではIR誘致もあり、依存症対策には潤沢な予算が組まれた。私も行政当局から相談、協力要請があった。私も信田さよ子同様、安直なパッケージ化、マニュアル化には疑義あり、別の提案(https://note.com/niken/n/n25c97b148fc2)を行ったが無視された。
その提案を実行に移してくれていたら、水原一平氏のような高機能依存症者にも十分向き合えていた、と確信を持てていたのだが・・・・・・。
今、長崎ではあの潤沢な予算から何が生まれ、どんな実践がなされているのか? いや何もない。まさしくコンコルド誤謬だ!
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