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忙しく働いていたイタリアン時代アンティパスト1皿目

もう辞めてから10年ほどになるが、今でもあの忙しさが夢に出てくる。ランチ時間のめまぐるしいお客さまの案内と給仕、掛け声、つかの間の賄いを頬張る時間とたわいのない話、ディナーの打ち合わせと照明を落としてご予約のお客さまをお迎えする時間。
5年半働いて楽しくない事も勿論沢山あったけれど、年月を経て少しの補正と今の生活との差に、
あの忙しかった時間がしっとりとひかる心の支柱の様になっている。
何かあったらあの時代を思い出し、あそこまで
体力的につらくないからまだ大丈夫、とかあの時の出来事最強におもしろかったな、とか支柱によっかかりなぐさめたり噛み締めたりする。
お店の支店のほとんどは変わったり無くなったりしてしまった。でもあの時働いてたみんなは確かに存在するし、この忙しく働いていたイタリアン時代は、こうやってまた私に文として書かれ、今後書かれるであろうおもしろエピソードと泣けるエピソードなどになっていく。手軽で美味しいワインに合うアンティパスト(前菜)位の立ち位置で
まずは軽く1皿目。

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