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たまにはちょっと違う路  ニケと歩けば

二度目の散歩は午後3時、何度もパソコンの前の私の顔を見に来ます。トイレに立つとひょっこり覗いて「行く?」という仕草。

もう少し後でと思っていましたが、その真摯!な瞳に負けてダウンコートに手を通すと待ってました!とばかりに玄関に急ぎます。

いつものコースを通過してなぜか四つ角で思案顔。歩き出して何度も顔を見上げます。「お水が欲しいの?」ほしいなら止まって水を待ちますが今日はそれでもなさそうです。

何回もいつになく顔を見るので足でも痛いのかなと思いましたがどうやらもう少し先に行きたいようです。このままいくと海に向かいます。

子犬の頃は毎日のように海まで、往復2時間かけて歩きましたがさすがお互いに年を重ねました。ニケがその気でも私の足が持ちそうにありません。

何とか右に折れて歩いていると向こうから自転車で手を振る人がやって来ます。
「やっと会えた―。」ニコニコして自転車を降ります。噂のニケにずーっと会いたかったそうです。

ニケは「誰!」という顔で見ています。
「孫とペットの話は3回まで!」と犬好きが集まると、また孫の話もどんどん話が続くのでこれも三回とイエローカードを出した友達です。

しっかり柴距離のニケに話しかけています。目を合わそうとしません。
しばらくすると今度は私との話が長くなりそうなのでニケは地べたにペタンと座り込んで待っています。2月にコンサートに行く約束をしていたのでその打ち合わせ。
ニケにしたら「おばさんの話はそこそこに!」と言いたいのでしょう。

「またね。」という挨拶を聞いたとたんそそくさと歩き始めました。

結局いつもより遠くに来たことで久しぶりに友達に会えました。

犬がいることで何もない日常にちょこっとしたサプライズや季節を感じることが出来ます。

久しぶりに歩く場所にはおうちが新しくなっていたりマンションが建っていたり、広い道路に出ると大きくなり過ぎた街路樹がすっかり姿を消していました。小さなころに見ていた時は細くて頼りなさそうな木でしたが今度は電線を地下にいれるとかで切られていくのは何とも切ないことです。

そういえばJR三宮駅北側のロータリーの木も切られて新しい駅周辺になるそうですが、昔を知っている人はあそこに可愛い野ネズミ、本当にディズニーに出てくるような愛らしいすがたの家族が住んでいたとか…。新しく生まれるものがあれば、追いやられたり、無くされていくものあり。
諸行無常の世の中ですが、それも自然の流れなのかもしれません。

そんなことを思っていると日も落ちかけて風が冷たくなってきました。
「また明日ね!」納得したのか軽い足取りで帰路につきました。

今日もいい日にしましょう!




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