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市場は昭和の匂いがあっていいな

中央区の八雲通り、JR三宮駅から徒歩15分ほど東に行くと大きな商店街があります。歴史も古く大安亭という浪花節の小屋がなまえのはじまりだとか。

今の市場は少し東に延びてできたそうですが100店舗ほど。朝から大勢の人で賑わっています。飲食店の買い出しやいつもの散歩コースになっているお年寄りもいて、みんな顔見知り。昭和の市場を思い出します。マスコットの大きな着ぐるみの狸のロダン君は催し物や大安売りのイベントの時に現れてぶらぶら?練り歩きます。一直線ですが、結構距離はあります。

最初に訪れた時はその安さにびっくりしました!昔ながらの一盛りずつの野菜や氷の上の魚、もちろん肉も。新鮮で、安い。山側から降りてくると折り返して戻るころには両手にいっぱいの荷物。ついつい買いすぎてしまいます。ここに来るとなんでも食材は揃います。毎日来れないのが惜しまれますが、お財布にも優しくてなんだか得した気持ちになります。もっと近くにあればいいのにといつも帰りに思います。

スーパーに行くことが普通になって、店の人と話すこともなくさっさとレジに向かいます。それはそれで気楽なのですが、やはりい一言、二言交わしながらの買い物は何か暖かい!ほっこりするものがあります。

お店の人はみんなフレンドリーで気さくな人ばかり。初めてなのに何年も通っている人と変わらない応対をしてくれます。ちょっと肉屋のおじさんだけは評判の不愛想ですが…。

 小さなころは市場に行くことが大好きでいつも母について行きました。
漬物屋で「何にしようか?」と小さな私に聞く母も変ですが「壬生菜!」と答える私も…。
近くにはクジラ専門店もあって、大きさの違うブロックの肉にペタリと値段が張り付いていました。その後は決まって八百屋で水菜を買います。今夜はお鍋。お豆腐は大きな水槽に行儀よく並んでいて、大きくて赤くなった手のおばさんがすっとすくって容器に入れます。お揚げは奥で揚げたのを並べています。私はひろうす好きでできたてがあるといつも買ってもらいました。やはり大人の中で育つとこんなおがずが毎日になります。今のように子供用のおかずが出るわけでもなく、尾頭付きは回ってきません。
最後に果物。旬の物をいつも頂くのは季節を感じる嬉しい便りですが、店頭のど真ん中に所狭しと並びます。
 バナナだけは三宮の「さんきたアモーレ」の辺りにあった大阪の かに道楽みたいにでっかくてグローブみたいなバナナの看板の店まで行きました。

そこまで祖父と行くのです。房ではなく鉈を持ったおじさんが1本スパっと切り分けます。それを大事そうに持って帰るのですが、当時はバナナも高級品。台湾バナナが一番と言われてました。ついでにドンクで食パン、たまにはバームクーヘンやチョコレートを買ってくれました。

夜は皆で昼間買ってきたクジラ鍋。あまり好きではありませんでしたが、これが終わればお目当てのデザート!…。なのでおとなしく食べます。

ハイカラな三宮のお店も好きですが、市場のざっくばらんさも好きで、小さなころの思い出は身近な日常にいっぱい詰め込まれています。

大安亭市場はリードに繋がれた犬たちもおとなしく飼い主のお供をしています。何よりも顔なじみのお店でおやつをもらえるのを一番の楽しみにしているようです。それぞれの店から犬の名前を呼ぶ声が聞こえます。

人情味あふれる下町もあり神戸の魅力はいっぱいあります。

久しぶりに行って旬のアスパラ、ソラマメ、ほたるいか、ハラミ、スルメのキムチ。その他またまた買いすぎたので連休のメニューが豊富になりました!
今日もいい日にしましょう!





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