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ニケと歩けば cent trois

寒くなりました。朝は6時はぐらいにならないと明るくなりません。

11月になって急に冬がやってきました。「暑いねー」から「寒いわー」

これまで何回言ったことでしょうか。だんだん春や秋の期間が短くなって一年があっという間です。

小さなころはクリスマスやお正月、誕生日がなかなか来なかったのに

今はついこの間のようです。

ニケは7歳の冬を迎えます。3歳になったころ、ちょうど今頃、散歩から帰ってくつろいでいましたが、私の足元に来て体を弓なりに伸ばした時です。

そのままカチカチに固まって剥製のように動かなくなったのです。

ほんの数秒の事だったかもしれませんが、どうしたらいいのかわからず体をさすっていた自分の無力さが情けなくなったのです。

もうだめかもしれない。この子との縁はここまでだったのか!とあきらめかけた時、あのふわふわのクルっと巻いた尻尾がかすかに動きました。

私の手は震えていました。逝かないでと思う気持ちの錯覚でそう見えたのかもしれないと只々体をさすりました。石のように固くなってしまった体は

微動だにしません。

ところが、硬く閉じた目が開きました。ゆーっくりと。

何があったのかわからないといった様子で起き上がるときょろきょろ周りを見回しています。

そっと呼んでみました。自分の名前を忘れたのか反応しません。

でも生きていた!それで充分。

あの時のことは今でも夢だったのかと思うほどです。

それから1か月に2,3度けいれんを起こしました。バタバタと全身を床に打ち付けて苦しそうです。

2年は続きましたが、抗てんかん薬が徐々に効いてきたのか落ち着いてきました。それまでの手帳は回数を記すマーカーで真っ赤になっています。

これからこの薬と一緒に生きていくことになると聞いて、何とか治す方法がないかと毎日調べました。

人間に良いと言われるアマニオイルを食事に加えました。

癲癇で亡くなることはないと言われてもあの苦しそうな様子を何とか減らしたいと片時もそのことが頭を離れませんでした。

小さな時ベンチから落ちて悲鳴を上げたあれが原因か、先天性のものなのか原因は分かりません。

あれから2年間は一度も発作は起こっていません。そんなことがあったのかと忘れているくらい元気です。

今日も私の足元で寝そべる姿を見ると思い出します。

大切な家族が元気で生きていることの有り難さをしみじみ感じています。

熊山公園のあんず


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