見出し画像

傍らに珈琲

常は珈琲マシーンのエスプレッソ。たまにはダブルでいただきます。
そこにシナモンパウダーをひと振り。ですが、これが無いと一日が始まらない!とか今日はツイていないとはならないのが我が家の食卓です。その朝の気持ち次第です。

たまに集中して何かに没頭していたり、歩き疲れたらやっぱり飲みたくなるのが温かい珈琲。

夏でも冷たいのはめったに飲みません。これはこどものころからの習慣で、その当時かき氷を食べることが憧れでした。「お腹が痛くなるよ。」と母。
でも今年はすでに数回アイスコーヒーを飲みました。この暑さニケも堪えられないようです。

珈琲豆が無ければインスタントの粉でもいいし、もちろん頂いたドリップ式の。それを楽しむいい機会とお湯を沸かします。

ボタンを押すとミルが粉を挽いてあっという間にいい香りがするマシーンはもう20年ほど愛用しています。

深入りのが好きで好みの液体を作ってくれてなかなか最近の物は優れています。
知り合いはその濃さが苦手で来た時はドリップコーヒー。
かえって香りを楽しみながら話が出来てその場にはふさわしいような気がします。ゆっくり時間が流れると言えばかっこいいですが…。

ドリップコーヒーは父親がネルの袋に挽いた豆を入れてゆっくり点てていました。それは私が学生時代からのことです。ゆっくり過ごす、丁寧に生きることをモットーにしているような父でしたから、お湯がドリップの中のこげ茶色の粉をふわぁ~とふくらませておいしそうな泡がもふもふと溢れだすとそれをなだめるようにまたお湯を注ぎます。

温めたカップの中からたつ白い湯気は細くいい香りを連れてその場の空気を和ませました。

味が分かるのか?と聞かれるとそうでもない私でしたが、おとなになったような気になって…。

そんな私がその何十年後に喫茶店を主人と営むことになるとは想像もつかないことでした。本当に人生はわからないものです。

今は昭和レトロな喫茶店、それも純喫茶が人気だそうですが、カウンタ―に5台並んだサイフォンからはいつもいい香りが立っていました。

蒸気圧でお湯が上がってくるとその都度挽いた珈琲豆と混ざって踊ります。だいたい1分間。ゆっくり混ぜると琥珀の液体が出来上がります。火からおろすとするすると落ちてまあるいフラスコに戻ります。

時間のない人が来るビジネス街では早く点てることができました。

今もう一度するとなると、ゆっくりできるカウンター、ドリップで。
静かにジャズが流れているちょっと大人の雰囲気の店がいいなあ。

ゆっくり本を読むのも良し。その傍らに珈琲。
その人がホッとする場所になるような場所はあるようでなさそうです。
そこはおとなのと付け加えておきましょう。

言葉はいらず、黙って味わうのがいい。

沈黙が苦手な友達はその雰囲気で息が詰まりそうになるとか。それでずーっと話しています。
でも周りが静かだとさすがに声も小さくなってその雰囲気に飲み込まれるみたいです。それもまた良し!神戸にもあります。カウンターだけの静かな店。

いろんな場面で傍にはいつも珈琲。
ゆったり味わっている私を見てニケも涼しい場所を見つけてそこから優しい目で私を見ています。

今日もいい日にしましょう!








この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?