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記事一覧

嫌になっちゃったよ

修行一日目   ゴリラが陶芸したようなお椀。 修行二日目 ゴリラに陶芸させたようなお椀。 …

にかしど
3年前
13

戦友とカフェにて獣

お会計を終えた紳士が扉を開け放って、一瞬感、やっと外で行われている祭囃子の喧騒が入り込ん…

にかしど
3年前
10

三行小説⑧

『胴長』 ダッダックスフンンドが曲がり角で滞る。 ダックスクスフンフンドが曲がり角で滞る。…

にかしど
3年前
11

人っていう字

緊張すると人っていう字を書く。手のひらに書く。 それをいっぱい口に放り込む。胃にたまる。…

にかしど
3年前
16

蟹の内輪差

忙しさのあまり蟹の列に横入りした。忙しさのあまり蟹の不器用さに薄笑いを浮かべた。忙しさの…

にかしど
3年前
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三行小説⑦

『朝礼』 泥団子の隠し場所を勘付かれたのか。 その朝はいつもより騒がしい気がした。 「起立…

にかしど
3年前
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チェチェ

空にあこがれ 海を駆ける あなたのこころは チェチェごりら #詩

3行小説⑥

『休日』 雨 あくび 雨 『わたげ』 「はんしょく、はんしょく、はんしょく、」 少女がわたげ…

にかしど
4年前
10

3行小説⑤

『透明人間』 透明人間になった。 警備員の横に並んで立っている。 定時それぞれの方向へ帰っ…

にかしど
4年前
14

3行小説④

『晴天』 バケツをひっくり返したような晴天。 ヒヒィーン。 鶏を絞めるとヤギが鳴いた。 『…

にかしど
4年前
16

3行小説③

『はないちもんめ』 名前を呼ばれることなく、はないちもんめが終わった。 俺は、齋藤。 難し…

にかしど
4年前
13

野球

『野球』 このふわふわの投球なら絶対に打たれることはない。 ふわふわ、ふわぁー、ふわふわ、…

にかしど
4年前
11

3行小説②

『シェフ』 「クソ、玉ねぎって目に染みんなあ!」 野菜の声が聞こえるというシェフが涙する。…

にかしど
4年前
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3行小説①

『おじちゃんと猫ちゃん』 おじちゃんと猫ちゃんは仲良しだ。 猫ちゃんが道端の草を嗅ぐとおじさんも真似をする。ある日、猫ちゃんの真似をしたおじちゃんが、偉い人たちに連れていかれた。 『紹介』 数珠を勧められた。 布団を勧められ。 なかなか風邪が治らなかったのでいい病院を紹介してもらった。 『チョキ』 ボクサーがチョキを出せないもどかしさ。 カニがチョキしか出せないもどかしさ。 似ているようで全く違う。 『100円』 100円落とした。 近道なんてありゃしない、人生はまわり