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日記 2022/11/21~11/24

21日

今日も今日とて仕事。自分の今の原動力は先週発売された新作のポケモンだ。早く帰ってやりたい。あの可愛らしい姿とは裏腹に火炎放射やらサイコキネシスやらシャドークローやらで撲殺しあう殺伐とした世界に戻りたい。仕事中に別の世界に意識をやっていると上司から、背後から首後ろ脊髄めがけて手刀されかねないので、一旦ポケモンの事は3割考えることにして仕事に集中しようと意識を変えた矢先に上司が「最近新しいポケモン発売されたよなーnikaは買った?」と聞いてきた。
再び私のポケモンへの意識は10割になった。手刀されしばらく気絶しているかもしれない。

22日

今日は外回りだった。車で上司とポップカルチャーを熱く語った。上司は非常にその界隈に詳しく、勤勉であった。40代だが最近の流行りもしっかり押さえている。一番読んでいた漫画は何かと問われ、「NARUTO」と答えると「うちの息子が見てたわ」と返してきた。話を聞くと息子さんとほぼ同い年で、自分の親父も自分がNARUTOにハマり始めた後に読んでいた。自分の中ではそんなに昔の作品ではない感覚ではあったが、連載は1999年。もう20年以上前の作品なのだ。自分も年を取ったなぁとボソッと小声で言うと「まだ23でしょうが」と言われへこへこした。

23日

祝日。散歩でも行こうかしらなんて考えていたが、少しでもお金を貯めたいので日雇いのバイトに応募、即採用された。内容は詳しく明かすとなんだか非常に厄介なことになりそうな予感がするのでここでの記載は控えさせていただくが、ひどい業務内容だった。15時に業務は終了したが、生憎の雨で気持ちも身体もぐったりだった。15時半頃に帰宅しすぐシャワーを浴びた。昼休憩も無く働いたので空腹がピークを迎えていた。丁度昨日作ったカレーが余っていたので余すことなく平らげた。17時~20時まで睡眠し、例のごとくポケモンをやり、24時半に就寝。もう二度とあんな作業はしたくない、そう思った。

24日

仕事終わり。会社から駅までのいつもの道を歩いていると、武藤敬司と千鳥のノブを足して2で割ったような顔と身長の、非常に恰幅の良いオ爺が車通りの少ない道路の真ん中で仁王立ちで立っていた。武藤(以下武ブ爺)は空間が捻じ曲がって見える程の圧倒的な覇王色の覇気を放っているように見えたが、周りの人間は一瞥もくれず平然と歩いている。「もしかして見えてるの俺だけ?」と思いながら武ブ爺の方向へ歩を進めていく。近づくにつれ武ブ爺の全貌が見え始めてきた。デカい。かなりデカい。私の身長は182㎝あるのだが武ブ爺は私より頭一つデカかった。本能的に「目を合わせたら殺られる」と思った。ノブ爺は片手になにやら箱のようなものをが入った袋を持っており、誰かと電話している様子だった。目を合わせぬようそろりと横を通るとノブ爺の低く、重厚感のある声が聞こえた。
「今バースデーケーキ買ったから帰るねー」
おそらく孫か誰かにあげるのだろう。思わず吹き出しそうになったが何とか堪え駅に向かった。人は見かけで判断するものじゃない、そう強く感じた。




  

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