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イカで気づいた可能性

友だちからイカをもらった。
いっぱい釣れたらしい。
そのまんまのイカ。
私は魚をさばいた事がない。もちろんイカもない。
母が魚嫌いだったので、さばいているところを見たこともない。
友だちは「やってみな、できるようになるから」と大雑把にさばき方とイカレシピを教えてくれて、わからなくなったらユーチューブでさばく動画を探せば良いよと、親切なのかほったらかしなのかわからないアドバイスをくれた。
私は自分が初めてイカをさばくサマを想像して、ギャーギャー言いながら気持ち悪いのに耐えながらさばくんだと、確信していた。
幸い、イカは冷凍されていて、すぐさまやらなくてもよかったので、1日おいて、覚悟をきめて挑んだ。
もしダメだったら旦那に頼むか、友だちを召喚すれば良いと、へっぴり腰だった。
冷蔵庫で解凍したイカとビニール越しに目があった。ゾゾっとしたが、まだ大丈夫よ、やるのよ私。
ゾゾっが3回きたらお手上げってことにしよう。
意を決して、ビニール袋からだし、水で洗って、教わったことを思い出しながら包丁を入れる。
御免!と言ったかどうかは覚えていないけど、そんな感じで思い切って刃を入れた。
内臓を引き抜いて、骨(?)を出して、、、
あれ、思いの外、順調だ。
開いてしまえば、もういつもの食材だった。
2匹目をさばく時にはすでに、イカは生き物ではなく、食べ物として見えていた。美味しそうだ。
そしてスイスイと作業は進み、一度も悲鳴をあげることなく、3匹のイカをさばき終わった。
なんだ、できるじゃないの私!
イカをさばいただけなのに、凄い高揚感だった。踊っちゃったもんね。跳ねちゃったもんね。イェイイェイって感じでグーを交互に上げながら。
自分には絶対出来ないと思い込んでいたことが出来て、しかも楽しいなんて。
今後の自分に可能性を感じて、ワクワクしながら、美味しいイカのバターソテーを頬張った。

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