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持続可能なミュージアムのDXとは

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ミュージアムの世界でもDX(デジタルトランスフォーメーション)ということばを耳にするようになってきました。ただ、使われ方を見ていると、ミュージアムと社会との接点、たとえば展示をデ…
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2021年9月の記事一覧

持続可能なミュージアムのDXとは(第2回):資料名称の特質

まずは、ミュージアム資料情報の特徴を、要素ごとに少しずつ見てゆきましょう。 ネット上の一部では大変人気の高い、福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」が、近々単行本化されるそうで、以前からファンである私も【朗報】と喜んでいます。うろ覚えのタイトル、著者名から、原著作を探り当てる図書館司書の能力に驚嘆し、検索結果との落差に大笑いする名コンテンツですが、この探索が可能なのは、行き着くところに汎用的な書誌情報がデータベースとして確立されているからです。また書籍の場合、著者名とタイト

持続可能なミュージアムのDXとは(第1回):前口上

昨年前半、第1回目の緊急事態宣言の期間中に「持続可能なデジタルミュージアムとは」という記事をnoteに連載し、その後、artscapeに「行かない/行けない人のためのデジタルミュージアムと、それを支えるデジタルアーカイブ」という、まとめの意味を持った記事を載せていただきました。多くの方の目にとまり、それがきっかけとなってお話や寄稿をさせていただく機会もありました。関心をお持ちの方が多くおられて、心強く思いました。 それから1年あまり、感染症の蔓延は多少改善の傾向が見られると