初春とエゴン・シーレ展

久しぶりの投稿です🥨✨

先日、上野で開催中の
『エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才』に行って参りました✨🖼😋💗

早速感想をば。


絵を描くたびに魂や自身の大切ななにかを削っているかのような表現をする画家だなぁと感じました。

シーレの絵をわたしが初めて見たのは15年以上前。
その時の感想を正直に言うと、とても不気味！😅

観ているものの神経がヒリヒリするかのようで、
少し怖かったのを覚えています。

けれど、最近調べ直してみると、
一発でシーレの絵とわかるディフォルメとオリジナリティー。
なにより、ものすごい構成力に惹かれ、
今回、東京都美術館に降り立ったのでした。

直に見たシーレの絵。

自身や、モデルを描く際の痛々しいくらい痩せた体の線と色使い。

女性の絵も絵画によく描かれる、
にっこりしていてふわふわ、ムチムチとした豊満な体ではなく、
骸骨のように頬がこけていたり、痩せていたり。
背を向けて丸くなりうずくまっていたり。
その背中には背骨が浮き出ていて、そのゴツゴツとした固さがわかるかのよう。

けれど、かなり大胆なポーズをしている絵もあり、
中にはシーツの上でヌードの女性が大開脚しているものも！

ちなみにこの絵、
油絵なのですが主線をはっきりと描いていて、
当時は新しい表現だったのでは？と推測。


いろいろな意味で『ギリギリさ』を感じるシーレの人物たちだけれど、
その構図と線と色だけで、
そのモデルの人生や描いたシーレの人となりを否が応にでも想像させてしまうのが彼の絵の魅せ方。

わたしには、彼女たちが憔悴していたり、悲しくてその場にせぐくまい、慟哭していたりするように見えて。
悲壮感もたっぷり感じ、思わずバックグラウンドを考えてしまう。

あくまでシーレの表現で、モデルさんの人格とは
まるで関係ないかもしれないけれど。
『何を言われようと僕の表現したいものはこれなんだ！』と言うものを具現化する能力と性格が突出している。

わたしはシーレのドローイングやスケッチの鉛筆を用いたものが特に好きなのですが、
とにかく無駄な線がなく、迷った形跡もない。
消した跡もない。

紙の余白や線、儚げで陰鬱な色で現す
彼が表現したかったであろう心の内や、
性・生死感、自身のオリジナリティ、理想。

それを実際にあらわせる技術と、
場面とモチーフのポーズの切り取り方。

圧倒的構図力。

本当に卓越しており見事でした…！！

あのクリムトが、「君は才能がありすぎる」と言ったのも頷いてしまう…。

いやー偉大な先人の絵は勉強になるなぁ。
また会期中にぜひ観に行きたい！

やっぱり生で観る原画は学ぶことが多い！

また、シーレはキャンバスだけでなく板に描いたり、ガッシュ(不透明水彩)を使用するなど、
様々な画材を使うところもすごく好き。

個人的な見解ですが、天真爛漫に画材を楽しんでいる感じはしない気がします😂
どちらかと言うと『こう言う表現をしたいからこの画材を選ぶ』と言った印象を受けました。

わたしは画材が大好きで、今日は何を使おうかな♬と画材を選んでから絵を描くことも多いので、
発見でした。

シーレの駆け抜けた時代当時などを想像していると、
展示出口でシーレグッズの販売が。

写真左はムック本。美術史や、
いろんな方の様々な見解が載っていて面白い！
右は今回の展覧会のフライヤー。
わたしはフライヤーが大好きで捨てることができない…。

思わずムック本と鉛筆と練り消しゴム、ポストカードを買ってしまいました😂
鉛筆と練り消しゴムはもう持っているのですが…
消耗品なので！！ねっねっ！！！と言い訳しつつ購入🤤
これらの画材、ファーバーカステル製なのが素敵✨
わかっていらっしゃる🤤
練り消しは有名な鬼灯と自画像の絵の鬼灯柄🧡

わたしもシーレのように洗練された線が描けるようになりたいですねぇ〜✏️🌟

上の写真には写っていませんがポストカードやイラストカードも豊富に販売されており、
わたしもお気に入りの絵を10枚買ってきました✨😋やっぱり紙の手触りや印刷の香りが好きです💕

手元で絵画を眺められるのも紙や本の素敵な楽しみ。

そして、展示の終わりに、
『シーレの最期と作品、言葉』が壁に掲示されていました。

自分の内なるものを表現することに燃えた彼の、
とてもあっけない人生の幕引きと、
残された言葉が本当に哀しく、ずしりと重く心に来ました。

絵に対して痛々しいほどピュア。

わたしのシーレの印象は、
過去に感じたものではなくなっておりました。

自分と社会との折り合いをつけられず、
不器用な繊細さを感じさせて愛おしい。

絵だけでなく、画家の人生に触れられるのも
展覧会の醍醐味ですね。

美術館の外に出ると、
シーレの絵とはまるで別世界の、
春を感じさせる暖かい眩しい陽射しと
たくさんの人たちが上野公園を思い思いに楽しんでいました。

シーレはこの景色を切り取って描かないでしょうねえ…。

そう思いを馳せながら、わたしは上野駅を後にしたのでした。