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新学期も始まり、あたらしい生活が始まります。

子どもも、大人も、頑張ることがいっぱいの毎日の中で、少しでも「褒める」を増やしたいものです。
でも、いざ「褒める」となると、なかなか難しいことも…

私の出会う保護者や先生の中にも「褒める」を難しいと感じている人がたくさんいます。
「褒めるところがみつかりません」「褒めようと思っていたのに結局叱ってしまいました」「褒めても何も変わりません」「褒めるのが苦手で…褒め方がわかりません」
それぞれの悩みとその解決方法を考えたいと思います。

「褒めるところが見つからない」のは…

「褒める」ことを考えると、「何かができたとき」というイメージがあるのではないでしょうか?
「テストの成績が良かった」「マラソンで1位だった」「絵で賞を取った」これらを褒めるのは結果を褒めているといいます。
褒め上手になるためには、結果ではなく行動(過程)を褒めることが大切なのです。
毎日の生活の中で、ちょっとした「いいね」を褒めていく。「いいね」が見つからないときには、褒めやすい場面を設定することも必要だったりします。

「褒めようと思っていたのに結局叱ってしまう」のは…


療育の場面では、「行動を褒めること」と「25%ルールで褒めること」を大切にしています。例えば、片付けの場面で、片付けを始めようとしている(…かどうかは実はよくわからないけど、何らかの動きをはじめた)時に、「お片付けしてくれるの。すごいね」と褒める感じです。達成したことを褒めようとすると、待っている間に脱線してしまうこともありますよね。
先に褒めて、その行動を適切な行動に仕向けていくことも大人の腕の見せ所ということになります。

「褒めても何も変わらない」のは…


褒めたら、子どものやる気が出て、何でもできるようになってほしいですよね。そんな魔法が使えたらいいのですが、もちろんそんな魔法は存在しません。
褒めるポイントの一つとして、本人がちょっと意識して行動した自覚があるものを褒めるというのがいいと思います。
例えば、大人も何もやる気がなくてゴロゴロしているときに「頑張っていて偉いね」なんて言われてもうれしくないですよね。やる気が出ないけど、仕方なく、食事の準備を始めたタイミングであれば、「毎日忙しくて疲れているのに、食事の準備するなんて偉いね」といわれたほうが嬉しくないですか?
子どもにとっても、ちょっと頑張ってやってみていることを褒めてもらえるのがうれしいのだと思います。

「褒め方のバリエーションが少ない」のは…


実は、日本人は謙遜の文化なので、褒めることは苦手なのです。特に、人前で褒められることは、大人自身が苦手だったりします。
「褒める」という言葉にとらわれすぎると、「褒める」が難しいと感じるようです。
「褒める」のコツを紹介します。
①「すごいね」「できたね」「がんばっているね」「さすが」
 これは、誰もが「褒める」として使っている言葉だと思います。
②「ありがとう」「助かる」
 実は、感謝することも、褒めると同じ効果があるといわれています。
③「え~!○○してるの⁉」「おどろいた~」
 これも、上手に使っていくことで、褒めと同じ効果があります。例えば、宿題をしているのを褒めたいときに「宿題しなさいって言おうと思ったのに、もう宿題の準備してるの?びっくりした~」とか「お母さん、負けちゃった~」とか、少し自虐ネタを使いながら、子どもの自尊心をくすぐる方法もあります。
④とにかくスキンシップ
 小さい子には、頭をなでる、ハイタッチをする、抱きしめるなども、とても効果的です。スキンシップが苦手な子でなければ、有効に使えると思います。
⑤秘密のサイン
 その子には伝わるサインを決めておき、そのサインをすることで、周囲に知られずに褒めが伝えられることもあります。恥ずかしがり屋さん、褒められなれていない子、年齢が高くなった子(前思春期あたりから)には向いているかもしれません。
こんな風に「褒める」にはいろいろなバリエーションがあることを、知っておいて、使えるようにしておくといいですね。

「褒める」は「肯定的注目」


「褒める」言葉をたくさん使えばいいのではなく、子どもの行動に「肯定的注目」を与えることで、その注目がエネルギーへと変わっていきます。褒めることは大切ですが、「褒める」の言葉に縛られすぎないようにしたいものです。ちゃんと見ていることが伝わることが一番大切ですね。

この春、新学期が始まる前に、当たり前のようで難しい「褒める」について考えてみるといいかもしれません。
私も、明日、子どもたちに会う時には、たくさんの肯定的な注目を与えられるようにしたいと思います。

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