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"触れる"ことで「わたし」を育てる =触覚のはなし=

最近、子どもを抱っこしてますか?


子どもは触れられることで、「自分はここにいる」という感覚を育てます。やがてそれが「自我」「自立する心」へと成長します。

抱っこでなくても、抱きしめたり、あたまや顔に触れて撫でまわしたり、

背中に触れたり手を握ったりしたのがいつか、覚えてますか?


自分が出歩かないせいかもしれませんが、

街中で子どもを「抱っこ」している姿をあまり見ないような気がします。



「歩いているのを見たことがない」(笑)

我が家の次男。ずっと小さかった1,2歳のころ、

意識的に抱っこは多くしていたので、

あるとき、珍しく歩いている姿を見た知人が

「歩いているのをはじめて見た!いつも抱っこされてるから。」と

驚いていました。


屋内で普通に生活しているときはもちろん歩いているのですけど、

多分、出かけるときや家とは別の場所にいるときに

「抱っこ」が多かったからかもしれません。


それ以降も、

相当重い5,6歳ころでも

ごはんを作るときなど

テレビを見せるよりは「抱っこ」という時期が長くありましたし、

徐々に時間が短くなるにしても、

かなり大きくなるまで、「抱っこ」は続きました。


もちろん家の中限定になってましたが、

次男自身が

「もう重くなったから、抱っこするのは難しい?」

と聞いてくるくらいでしたから、小学校も高学年です。


それからは

抱っこじゃなくて、「ギュっ」になりました。


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「抱っこ」の理由

抱っこは、小さなころには

疲れた、歩くのが遅いからなどの理由もあるかもしれません。

でも、多くの場合は「甘えたい」です。


大きくなって自分で歩けるようになっても、

「甘えたい」から抱っこをして、

気持ちが収まればいいから、

長時間そのまま、ということはありません。


子どもは気持ちが落ち着いて満足すれば、

さっと離れて次の世界へ進んでいきます。


この、「気持ちが落ち着いて」「満足すれば」

というのが大事で、

不安なまま、気持ちがゆらゆらしている間は

外界へ出てはいけませんし、

無理に出そうとすれば、何かしら不具合が出ます。


「わたし」という感覚

大人は「わたし」が分かります。

「わたし」とは簡単に言うと、一人でいても

「わたしはここにいる」ということ分かっている感覚です。

この感覚「自我」ともいいますが、

成長過程で育っていくもので、

生まれたばかりの赤ちゃんや幼児の中には眠っている感覚です。


ほら、「反抗期」ってありますよね。

「わたし」「ぼく」を主張し、育てる練習をしているわけです。


だから、「わたし」をまだ小さな子は分かりませんし、

3歳でも、中学生、思春期でも、

まだ未熟なんです。


誰もいなくても、一人で「わたし」を感じられる、

一人で「決められる」ということにつながります。

内面から「わたし」を知る、ということですね。


この辺り「自立心」とも関わりあうのですが、

その話はまた今度。



では、その「内面」からの感覚がまだない子どもたちは

どうやって「じぶん、わたし」を知るかというと、

外から触れられること、肌感覚「触感」から知るのです。


生まれたばかりの赤ちゃんが自分を知るのは

「抱かれている"わたし"がいる」

という感覚です。


触れられて、さわられて、たくさん抱っこされて

頭を撫でられ、顔をやさしく拭いてもらい

背中を洗ってもらう・・・


たくさんたくさん触れられることで、

子どもは「自分」がここに存在し、

身体がある、

ここに手があり、足がある。

背中がある、と

自分を知り、

それがやがて「自我」

わたし一人でも立っていける力

を育てます。


十二感覚

シュタイナーでは感覚を12に分けてます。

その中でもこの「触れること」「触覚」は

一番最初に獲得する感覚のひとつです。


赤ちゃんが触れられるということも大切ですし、

自ら触れていくことで世界を知っていきます。

(なんでも口に入れようとするのは、手とともに口が触覚の入口だからです)


この感覚を出発点に

わたしたちの発達は始まっていきます。


赤ちゃんを

お子さんを

たくさん触れてあげてください。


もちろん、かつて子供だった大切な人も。

小さなころ、あまり抱っこしなかったなぁ、と思えば

今日から、手に触れたり、あたまをそっとなでたり、

背中をさすったりできます。



子どもだけでなく、

以外にこの触覚が育ち切れていない大人も多いです。

どうぞ今から

パートナーや大事な人にも。


そうそう、

自分にも触れてあげてください。

大事な愛しいじぶん、がんばっている自分を。


*シュタイナー教育や身近な発達について書いてます。

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