新型コロナウイルスは増殖力が10万倍の風邪コロナウイルス

私は感染症の専門家ではありません。専門家以外の人の話は聞くに値しないというお考えの方はご遠慮ください。また、本記事は2021年8月時点における公的機関・報道機関の発表内容をベースに、COVID-19・COVID-19対策・未来の見通し等を組み立てたものです。今後、新事実が明らかになった場合には意見が変わることがありえますのでご留意願います。

<目次>
1.現状判明していること
2.考察
 (1)新型コロナウイルスは増殖力が10万倍の風邪コロナウイルス
 ①COVID-19と風邪は類似点が多い
 ②「ウイルスの増殖力」と「発症する症状」の関係
 (2)巷で言われている用語
 ①容態急変・重症化・無症状感染
 ②ブレークスルー感染
 ③後遺症(Long Covid)
3.COVID-19の対策
 (1)ウイルスの侵入を抑える
 ①マスクを着用する
 ②換気をする
 ③手洗い・消毒をする
 ④不特定多数と接触する場を避ける
 (2)人為的にウイルスを排除する
 ①中咽頭
 ②下咽頭・気管・肺
 ③上咽頭
 (3)免疫によりウイルスを排除する
 ①生活習慣や食習慣の適正化、ストレス軽減、禁煙など
 ②飲酒を伴う会食をしない
 ③ワクチン接種
4.未来のこと
 (1)COVID-19はいつまで続くのか?
 (2)新しい生活様式
 ①鼻うがいの習慣化
 ②自宅以外での飲酒禁止
 ③ワクチンパスポート制度導入
 (3)「個人の人権」と「公衆衛生の向上」
5.改定履歴

1.現状判明していること

本記事は、基本的に以下の情報をベースとして作成しています。

(a)主な症状は、発熱・咳・筋肉痛・頭痛・咽頭痛・下痢・嗅覚または味覚異常など。[*1(11p)]
(b)COVID-19から回復後も、後遺症(Long Covid)が続くケースがある。後遺症の主な症状は、倦怠感、関節痛、嗅覚または味覚異常、頭痛、食欲不振、記憶障害、集中力低下、抑うつ、睡眠障害など[*1(23p)]
(c)高齢者は重症化しやすい傾向にある。若者は重症化しにくい傾向にあり、無症状となるケースも多い[*1(21p)] ただし、デルタ株では若者も発症するケースも多い[*2]
(d)デルタ株は従来株に比べて、感染者が保有するウイルス量は最大1260倍であり、潜伏期間も平均2日程度短い(デルタ株は平均4日、従来株は平均6日)[*3]
(e)気道内のウイルス量が非常に多い。[*3]
(f)自然感染・ワクチン接種により得た免疫は時間経過につれて減弱する[*4][*5]
(g)ワクチン接種後に相当の時間が経っていなくても感染するケースがあり[*6]、ワクチン接種者が保有するウイルス量はワクチン未接種者のウイルス量と変わらない[*7]

[*1]厚生労働省 - 新型コロナウイルス感染症 診療の手引き 第5.2版
[*2]各自治体等が発表するデータより
[*3]nature - How the Delta variant achieves its ultrafast spread
[*4]英国免疫学会 - COVID-19 immunity: Natural infection compared to vaccination
[*5]BBC - 新型ウイルスワクチン、2回接種の防御効果は約5カ月で低下=英公衆衛生当局
[*6]国立感染症研究所 - 新型コロナワクチン接種後に新型コロナウイルス感染症と診断された症例に関する積極的疫学調査(第一報)
[*7]CDC - Statement from CDC Director Rochelle P. Walensky, MD, MPH on Today’s MMWR(2021/7/30)


2.考察

(1)新型コロナウイルスは増殖力が10万倍の風邪コロナウイルス
①COVID-19と風邪は類似点が多い
症状という観点では、どちらも発熱・咳・筋肉痛・頭痛・咽頭痛・嗅覚または味覚異常などがあり、風邪でも重症化すると肺炎に至ることもある。発症プロセスという観点では、どちらも気道上(特に上咽頭)に付着し、そこで増殖をした後に発症する。COVID-19を引き起こすウイルスは「新型"コロナ"ウイルス」であり、風邪を引き起こす主なウイルスは「風邪"コロナ"ウイルス」である。ウイルス構造が似ているのでどちらも"コロナ"という名称が付けられているのであろう。構造が似ていれば症状や発症プロセスなども似るのは当然とも言える。

ここで明言しておくが、「COVID-19と風邪は類似点が多いので、COVID-19はただの風邪である」と言いたいのではない。COVID-19の方が人類の脅威となっているのは明らかである。

それでは新型コロナウイルスと風邪コロナウイルスの違いは何か?それは増殖力だと考えている。もちろん1個1個のウイルスの個体が人体に与える影響(「質」と呼べるもの)には違いがあるだろうが、それよりも増殖力(「量」と呼べるもの)の違いがCOVID-19と風邪との決定的な差を生み出す元凶となっている可能性が高い。

余りにも膨大な量のウイルスが人体に宿ってしまうと、それらが増殖する過程や、免疫システムが排除する過程において、予想もしていない症状が起きてしまう(詳しくは後述する)。

つまり、こういう主張である。
(a)ウイルス1個1個の個体が人体に悪影響を与える影響
 新型コロナウイルス≒風邪コロナウイルス
(b)増殖力
 新型コロナウイルス>>風邪コロナウイルス
(c)上記(a)(b)により人体に与える悪影響
 COVID-19>>風邪

例え話であるが、従来から存在している風邪コロナウイルスが新型コロナウイルスと同等の増殖力を備えたとしたらどうなるだろうか?恐らく風邪はCOVID-19とほぼ変わらない感染症となるだろう。

なお、タイトルの「10万倍」というのは何らかのデータを元に計算したものではなく、「それくらい強力な増殖力がある」という意味合いで使用している。とはいえ、新型コロナウイルスの従来株は従来の風邪コロナウイルスの約100倍の増殖力があり、更に、新型コロナウイルスのデルタ株は従来株に比べて約100~1,000倍の増殖力があるとすれば、単純に掛け算して1万~10万倍になるので、大げさな表現ということもないと考えている。


②「ウイルスの増殖力」と「発症する症状」の関係
「ウイルスの増殖力が増すと人体に与える悪影響も増す」という考え方がピンとしないかもしれないので補足しておきたい。

人体や自然界にはごく普通に存在しているものでも、量や濃度が多くなって一定の閾値を超えると、有害となるものが存在する。

人体の例で言うと、ほぼ全ての栄養素が該当する。当然ながら栄養素は人体にとって必要なものであるが、栄養補助食品(サプリメント等)で過剰に摂取してしまうと悪影響を及ぼす。例えば、カルシウムの過剰摂取は血管内でカルシウムの再石灰化を引き起こして「動脈硬化」を、ビタミンB群の過剰摂取は体細胞の異常増殖を引き起こして「ガン」を生じやすくさせる。

自然界の例で言うと、CO2による温暖化が該当する。CO2による温室効果は人類やその他の生命の繁栄に不可欠なものであるが、CO2量が増えすぎると必要以上の温室効果が生じ、温暖化という悪影響を及ぼす。公害問題も該当する(水俣病・イタイイタイ病・四日市喘息など)。これらの公害問題はもともと化学物質(=もともと自然界に存在していた)を大量に放出しすぎたことにより、人体に悪影響を及ぼした。

つまり、人体に必須な物質であっても自然界にごく当たり前に存在している物質であっても適正量の範囲内であれば何ら問題はないが、その適正量を遥かに超えてしまうと予想もしない悪影響が生じている。そして、これは人体に侵入したウイルスにも当てはめて考えることができる。

ウイルスは少し体内に侵入したとしても発症はしない。時間をかけてウイルスが増殖を繰り返し(潜伏期間)、一定量を超えると、ウイルス感染部位の細胞のダメージが無視できない程度となり、また、過剰な免疫反応が生じ、該当部位に炎症反応が生じる(発症)。この炎症反応こそが発熱・咳・倦怠感・喉の痛みなどの様々な症状を引き起こしている。この炎症反応は人体に存在するウイルス量が多ければ多いほど苛烈なものとなる。また、大量のウイルスが体内に宿ると、その一部が血管等に入り込み、さまざまな臓器や脳に侵入する可能性がある。そこで免疫システムによる炎症反応が起きてしまうと、想定外の症状に悩まされることになるだろう。

(2)巷で言われている用語
「質」ではなく「量」が問題であると上述した。この前提に立つとニュースで報じられている用語やCOVID-19の特徴が説明しやすくなる。

①容態急変・重症化・無症状感染
ここでの「容態急変」とは、「それまで重い症状が出ていなかったのに、急激に容態が悪化し、重い症状が現れること」という意味合いで扱っている。重症化しやすい人、重症化しづらい人はざっくりと以下の傾向がある。

(a)重症化しやすい人の傾向
・高齢者
・基礎疾患のある人
(b)重症化しづらい人の傾向
・若年者
・ワクチン摂取済の人(高齢者も含む)

これは(a)に属する人は免疫が弱い人、(b)に属する人は免疫が強い人とも言える。

「COVID-19の症状とは免疫により身体に炎症反応が生じることである」と述べたが、それでは、(a)免疫が弱い人が重症化してしまうのは何故だろうか?次のように考えるとうまく説明ができる。

(a)に属する人は基礎的な免疫が弱い。そのため、ウイルスが体内に侵入すると、あまり免疫に阻害されること無く増殖し、人体の広範に渡って大量のウイルスが宿ることになる。免疫力が弱くても、免疫システムがウイルスの排除を試みていて、いずれ免疫システムが当該ウイルス情報を記憶する。ウイルス情報が記憶されると、免疫システムは人体に大量に存在しているウイルスを一気に撃退し始め、免疫反応による炎症も凄まじいものとなる。つまり、容態が急変し、重症化するということである(サイトカインストーム)。

一方、(b)に属する人は基礎的な免疫が強い。そのため、ウイルスが体内に侵入したても、免疫によって有効にウイルスの除去が行われ、ウイルス量を大きく増やすまでには至らず、人体の広範に渡って大量のウイルスが宿ることは少ない。いずれ免疫システムが当該ウイルス情報を記憶したとしても(ワクチン接種者は最初からウイルス情報を記憶している)、人体にそこまで多くのウイルスが存在していないので、免疫反応による炎症も大したものにはならない。つまり、無症状ということである。


②ブレークスルー感染
ワクチンを摂取したにも関わらず新型コロナウイルスに感染することは、「ブレークスルー感染」と呼ばれている。

ワクチン接種をすると人体の免疫機構に特定の病原体情報を記憶させることができ、実際にその病原体が体内に侵入してきた際に、適切な免疫反応が迅速に行われることを可能にする。単純に特定病原体に対する免疫反応が強化されているイメージと言って差し支えない。

上記のワクチン接種の効果を前提として考えると、ブレークスルー感染とは、ウイルスの増殖力がワクチン接種により強化された免疫反応を上回り、発症に至ってしまった状態と言えるのではないだろうか。ワクチン摂取しても従来株に比べてデルタ株に感染するケースが多いそうだが、それはデルタ株の異常な増殖力を示すものと考えると納得がいく。


③後遺症(Long Covid)
COVID-19から回復した後、長く後遺症が続いている方々が相当数存在するように感じる。本記事投稿時点でこれに関するデータが少なく確信はないが、非常に大きな問題なので触れておきたい。

後遺症(英語圏では「Long Covid」などと呼ばれている)の考えられる可能性は、以下のようなものがあるだろう。

(a)免疫機能とウイルス増殖力が拮抗している
ただしPCR検査は陰性で、かつ、肺炎症状も回復しているはずなので、気道内でウイルスが増殖しているとは考えづらい。気道以外の場所でウイルスが増殖して免疫反応が継続している可能性はあるかもしれないが、ウイルスが人体のどの細胞でも増殖するのかは疑問がある。そう考えるとこのケースは間違っているのかもしれない。

(b)ウイルスの残りカスが人体に残っていて、免疫が反応している
ウイルスの残りカスとは、例えば、mRNAワクチンで使われているウイルスのスパイクタンパク質である。新型コロナウイルスは免疫機能で除去されたが、これらの残りカスが血管等を通じて、人体の様々な臓器や筋組織に蓄積しており、それらに免疫機能が反応しているという可能性である。もしそうであるとすれば、いずれは後遺症から脱することができるだろう。なお、ここでの「容態が急変する」とは、「それまで重い症状が出ていなかったのに、突然容態が悪化し、重い症状が現れること」という意味合いで扱っている。そして「症状が現れること」とは、これも先に述べたが、「免疫反応により身体に炎症が起きること」と同義である。

(c)免疫に異常が生じている
免疫機構と新型コロナウイルスとの攻防を経て、免疫機構に異常が生じ、免疫が正常な人体細胞に対して免疫反応を引き起こしているという可能性である。もし仮にこのケースだとすると完治する見込みはあるのだろうか?あまり考えたくない可能性である。

これらはあくまでも可能性の話であるので、今後の研究・調査に期待したい。

3.COVID-19の対策

COVID-19の対策は、「ウイルスの侵入を抑える」「人為的にウイルスを排除する」「免疫によりウイルスを排除する」の3つに分類でき、これ以外は考えられないと思う。

それぞれ具体的には以下のような対策が該当する。

(1)ウイルスの侵入を抑える
①マスクを着用する
②換気をする
③手洗い・消毒をする
④不特定多数と接触する場を避ける

①について、当然であるが、マスクを着用することでマスクにウイルスが絡め取られて、体内の侵入を防ぐことができる。

「マスクでは完全にはウイルスを防げず、完全に防げないなら意味がない」という意見を見かける。完全に防げないのはその通りだが、マスクをすることに意味はある。体内に入ってくるウイルス量が少なければ、それらが増殖を始めたところで、ウイルスの個体量はまだ少ない。個体量が少なければ免疫による排除は容易である。逆に、マスクをせずに一度に多くのウイルスが体内に入ってきてしまえば、それらが一気に増殖をし、短時間で免疫で対処しきれないほどのウイルス量にまで総数を増やしてしまう可能性が高まる。マスク着用によりウイルスが体内に侵入してくる量を緩やかにでき、これこそが重要なのである。

なお、布マスクやウレタンマスクは生地の網目が粗いので不織布マスクの方が良いと聞いたことがあると思うが、その不織布マスクにも品質に差があって、不織布の層に微弱な静電気を帯びていてウイルスを吸着しやすいものがあるらしい。多くの静電気を帯びているものかどうか、それが長続きするものかどうかの見分け方がいまいち良く分からないのだが、せっかくマスク着用をするのであれば効果が高いものを身に付けたい。


(2)人為的にウイルスを排除する
新型コロナウイルスは基本的に気道内に付着して増殖する。「人体に存在するウイルスを排除すること」とは「気道内に存在するウイルス量を減らすこと」とほぼ同義と考えて良い。その気道内とはざっくりと分けて、上咽頭・中咽頭・下咽頭・気管・肺の5つのことである。それぞれの部位ごとに検討する(話の流れ的に、取り扱う順序を変えている)。

①中咽頭
中咽頭とは主に口の奥側の部分を指す。中咽頭でウイルスが増殖していたとしても「うがい」をすることで体外に排出することができるため、ウイルス量を減らすことは容易である。

②下咽頭・気管・肺
下咽頭は喉のあたりを指し、気管は下咽頭と肺をつなぐ箇所を指す。下咽頭でも手前側であれば「うがい」で届くことはあるだろう。また、下咽頭でも食道側であれば飲食することでウイルスを胃に流し込める(ウイルスが胃に落ちると胃酸で死滅する)。しかしながら、下咽頭の気道側の奥の方はどうすることもできない。気管や肺も同様である。このあたりまでウイルスが侵入し増殖をしていると免疫による排除に頼る以外には難しい。(後述するが、免疫の働きを人為的にサポートすることはできる)

③上咽頭
上咽頭とは主に鼻の奥側の部分であり、PCR検査の検体採取に使われている。上咽頭は鼻呼吸で吸い込んだ空気が最初にぶつかる壁(粘膜)であることから、ウイルスが付着しやすい。また、うがいでは届かないため、ウイルスが増殖するには格好のスポットとなる。上咽頭に存在するウイルスは「鼻うがい」を行うことでを体外に排出することができる。

上咽頭でウイルスが量産され続けている場合、1回1回呼吸をする度に、気管や肺の深部にまでウイルスが入り込んでしまうことになる。ウイルスにとって見ると上咽頭はウイルスの製造工場であり、気道全体にウイルスを供給する役割を果たしている。この上咽頭におけるウイルス量を減らすことが極めて重要である。

(3)免疫によりウイルスを排除する
免疫機能を意識してコントロールすることはできないが、免疫が上手く働くように人為的にサポートしてあげることはできる。

①生活習慣や食習慣の適正化、ストレス軽減、禁煙など
体内にウイルスが侵入した際、免疫機能が遺憾なく発揮できるように日常的に身体を整えるという意味合いである。

②飲酒を伴う会食をしない
「会食で新型コロナウイルスに感染するというエビデンスがないので、会食しても問題ない」という旨の意見を見かけるが、それは屁理屈である。エビデンスが無くても考えればすぐに分かる。

食事をしているときはマスクを外す。会食で黙々と食べているという状況は考えづらく、通常は会話をしている。会食の場に1名でも感染者がいれば、会話を通してウイルスが飛散する。飛散したウイルスはマスクのフィルターを通すことなく、体内に侵入する可能性が高まる。これだけでも感染リスクは高まっているのだが、更に感染リスクを上げているのが飲酒である。飲酒すると免疫機能が大幅に低下してしまう。

つまり、飲酒を伴う会食はウイルスの侵入の可能性を高め、かつ、免疫機能低下を引き起こすというダブルパンチを受けている。ウイルスが人体に侵入してしまうと、免疫によるウイルスの排除もままならず、アルコールの酔いが覚めて免疫機能が正常化する頃には、体内のウイルスは相当な量に達していて、まさしく「時既に遅し」である。

③ワクチン接種
先に述べた通り、ワクチン接種は特定病原体に対する免疫力を向上させることができる。ウイルスが侵入・増殖しても、ワクチン接種により、それを上回る免疫を備えていればウイルスを排除できる可能性が高まる。

4.未来のこと

(1)COVID-19はいつまで続くのか?
悲観的な意見で申し訳ないのだが、個人の見解ということで許容してほしい。COVID-19の騒動は5年10年では収束せず、現状を見る限り、人類が存続する限り続く可能性がある。

以前より自然感染により獲得した免疫は時間経過につれて衰えると指摘されているが、最近ではワクチン接種により獲得した免疫も時間経過につれて衰えると指摘されている。また、ワクチン接種後、間もなくても感染(ブレークスルー感染)するケースが明らかになっている。現状のワクチンは有効であることには変わりないが、ワクチンが全てを解決してくれるとは言い難い。

それではCOVID-19の特効薬が開発されることはあるだろうか?これもなかなか難しそうである。昔から存在する風邪は未だに特効薬はないと言われている。にもかかわらず、COVID-19(新型コロナウイルス)の特効薬が開発されるものなのか疑問がある。

なお、上記は現状を勘案しての意見である。今後の医療技術の進歩や新型コロナウイルスの仕組み解明に伴い、ゲームチェンジャーとなるワクチンや特効薬などが生み出される可能性はあるし、期待もしたい。


(2)新しい生活様式
ワクチンや特効薬による完全なる解決策がないとするなら、どのように考えるのが適切なのであろうか?コロナ禍以降、多くの政治家・専門家などが「新しい生活様式」を提唱しているが、現状を勘案する限り、その方向性で模索するのが現実的だと考える。特に以下の3つを検討するべきである。

①鼻うがいの習慣化
先に述べた通り、上咽頭で増殖しているウイルスを排除することは極めて重要である。それを実現する最も手軽な手段は「鼻うがい」になるだろう(と言っても「鼻うがい」もかなり難易度が高いが…)。

②自宅以外での飲酒禁止
多くの人々が存在する場で、飲酒をすることは避けたほうが良い。飲み会という慣習自体を見直すべきである。

③ワクチンパスポート制度導入
不特定多数が集う場は感染者がいる可能性が高く、感染リスクも高まる。ワクチンパスポートは「私はワクチン接種しているのでウイルス感染していません」という証明をするものではなく、「私がウイルス感染してもワクチン接種で得た免疫を備えています」という証明をする意味合いのものを想定している。

新型コロナウイルスにより人類が生きる環境が大きく変わった。環境が変わったのであれば、それに合わせて生活様式・行動様式を変えなければいけない。いつまでも過去を懐かしんでいても仕方がないし、それについて怒っていても仕方がない。


(3)「個人の人権」と「公衆衛生の向上」
新しい生活様式を俯瞰的に捉えると、「個人の人権に一定の制限を加えて、公衆衛生を向上させるもの」とも言える。そうであるならば、新しい生活様式を推進するためには、「個人の人権」よりも「公衆衛生の向上」を優先するという社会的なコンセンサスを得ておく必要がある。

なお、そのコンセンサスを得る過程において、日本の人権に対する中途半端な認識が議論を阻害することは間違いない。

5.改定履歴

・2021/8/28 初版
・2021/8/30 (2)①容態急変・重症化・無症状感染を修正

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