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止まらない涙の一日

朝から滝のような号泣をし続けて
午前中でぐったり疲れてしまった

何かが起きたわけじゃなくて
誰かに会ったわけじゃなくて
何処かに出かけたわけじゃない


朝 心にしみわたる歌を聞いた
最初のフレーズで涙は服の上に落ち始める
 ひとりじゃない
 周りに頼っていい
 焦らなくていい
 出会えたことは忘れないから
 またいつか会えたらいいな
優しい声で私だけに語りかけるように
スピーカーから流れてきた

その歌をリプレイしながら
ふと先住犬ロイの動画を見つけた
10年も過ぎているのに、
動画の中でロイは歩いている
ロイは鳴いている
まるで生きているかのように
色褪せることもなく、モニターの中にロイがいる

前足がうまく曲がらなくなってきた15~6歳の頃
お別れも近いんだなと感じ、動画をとっていた

一度ずっこけると自分では立ち上げれなかった
助けてと鳴く声が可愛くて、動画に残していた


この7ヶ月後に母が旅立ち
翌月にロイが旅立つ
その翌月にハナコと出会った

ロイのこの動画をみるのに9年かかった
ハナコの動画はまだ見ることができない
また9年も必要なのだろうか

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母が認知症を発症し始めたと思われる年齢に近づいてきた
周りがどれだけ大変だったかをよく知っている
だから、とても怖い
自分も忘れてしまうんじゃないかと
母のことも
ロイのことも
そして、ハナコのことも

みんなそれぞれに辛い道を歩くことがある
私は自分から辛い道を選択してきた
その道には
 母に冷たくした自分を責め
 散歩を10分で終わらせたことを詫び
 仕事の先が見えない苛立ちを押し込み
どこにもぶつけられない重い辛さに夜中襲われていた

だけど、辛い道には思いもかけない笑顏と感謝と愛が
あとからあとから降ってきた
その時には気づかなかったけど
お別れをしたあとの残された物や人からの伝聞で
母がどれだけ私に「ありがとう」と言っていた事
ロイが私じゃないと散歩にすら行かなくなっていた事
まだまだたくさんの宝物は届いた


当たり前だと思っていたことは
亡くしてから知る
それがどれだけ助けになっていたか
守られていたか
愛されていたか

もうお返しできないのに
お礼をいえないのに
後から気づく

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ハナコと出会った時
この「時すでに遅し」にならないようにしよう
そう思ってたのに
結局 すっかり忘れて日々をただ過ごし
ハナコは空へ旅立った

ハナコにちゃんと接してあげられたのかな
ハナコは散歩十分だったかな
ごめんね、そうでもなかったと思うよ
また繰り返しちゃったよね
 時すでに遅し…

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今日は号泣の日
20年前 10年前 そして、ちょっと前の
思い出がどんどん詰め寄ってきて
処理不能に陥り、涙


朝聞いた歌にあったように
焦らず、自分なりに整理しよう

そして、見え始めてきた夢を離さないように
少しでも強くなろう


だけど、今夜は泣きながら過ごします
私の愛する天国にいるハナコたちと
思い出の中で過ごします


今日も一日ありがとう

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