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"OUT OF THE BLACK"

2023年11月13日。SUGGESTIONSのニューシングルをリリースした。

"OUT OF THE BLACK"

邦題は「暗闇の向こうから」

音楽的な話は別のきちんとした場で話すと思うので、ここではこの曲についてのかなりパーソナルな側面を書き留めようと思う。
あまり人に見せるべきではない話だと思うが、同じような感覚の人達にこの楽曲が届いてくれることを期待して書いてみることにした。

この感覚に気づいたのは確か、11〜12歳くらいの頃だったかと思う。小学生だった。
なぜそんなことをしたのか今となってはもう思い出せない。
ふと「もう全部終わらせてしまおう。」と思い立って、台所から包丁を取り出して自分のベッドの下に隠した。
自分の胸に突き立てる妄想をしながら、1週間、2週間と過ぎ、結局使われることはなかった。
環境は恵まれていたし、友達も少なくはなかったと思う。両親も愛している。
それなのになぜ?
どう生きるのではなく、どう死ぬかについてばかり考える。
ここにずっといるべきではないと考える。
暗闇が手招きしている。
みんななんでそんなに必死に生きながらえたいのだろうか。
それはむしろ命に対する冒涜で、自らを腐らせるだけの行為ではないのか。私は命をきちんと使い切って燃やし尽くす方法が知りたい。

なんてことを思いながら、以来この"希死念慮"と共に仲良く手を繋いで歩き続けてきた。
"仲良く"というのがなんとなくしっくりくる。特段自分は深刻に捉えていないし、単にネガティブなだけのものでもないと最近は思っている。
これは創作をする上での貴重なエネルギー源なのだ。これ無しでは自分は歌を作れない。
歌を作る時はいつも苦しい。苦しくなければ歌う必要ないとさえ思う。
思えば音楽も映画も絵画も、どんな創作物もそういった希死念慮、或いはそれに準ずるような陰の表現を目指したものに惹かれ続けていた。1st full album "Another Heaven, Our Catharsis"で語ったものたちだ。
それがこの感覚に気づいた後なのか、それともその創作物のせいでこんな風になってしまったのかもうわからない。
単に大人になれなかった痛々しい中二病だと言われてしまうのも仕方がないと思うが
ただ自分はこの感覚が極めて人間的なものであると思っている。ずっとHappyな人間なんて気味が悪い。

"OUT OF THE BLACK"はそんな自分にとって創造する=生きることにおいて大切な感覚に向けた歌なのだ。

"Rest in peace"
すべてのしがらみから解放されて安らかに眠れる日を夢見ている。

SUGGESTIONSがメンバー脱退を経てようやく新体制となり、ある意味原点回帰とも言えるヘヴィネスを産んだタイミング。
自分も全身全霊をかけて表現するために、1番大切なこのテーマを選んで歌うことに決めた。

また今回は今までよりも一層、リリックはもちろん、映像もリフワークもありとあらゆるところに我々が愛してきた作品へのリスペクト、オマージュを盛り込んでいる。
エログロ耽美。蛆虫に芋虫に蝿。
それについてはまた別の機会に。

HappyなエネルギーではHappyになれない人達へ。
この曲が誰かの心に寄り添ってくれたら嬉しい。


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