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購入した商品の状態が出品ページの説明と違った話

メルカリを始めてすぐはポイントがたくさんもらえたものの期限の短いものばかりだったので、何かを購入して消費することにしました。購入しようと思ったもののうちのひとつがです。
10年以上前に発売されたもので、今では絶版になっています。何冊も出版している人気作家なら今でも流通しているでしょうが、この作者の著書はこの1冊しかありません。実店舗を巡るより、ネットで探した方が早いのは明らかです。

さっそくメルカリで検索すると、いくつか出品がありました。ですが、状態はよさそうだけど帯がなかったり、帯があっても状態がよくなかったり、「これだ!」と即決できる状態のものはありません。
とはいえ、絶版なので新品での入手はほぼ絶望的です。この中から選ぶしかないでしょう、ポイントも使いたいですし。
何度も見比べ吟味を重ね、「写真も説明も少ないけど、状態が『目立った傷や汚れなし』で、帯付きでこの値段なら」というものを購入することにしました。

購入すると、その日のうちに発送されました。遠方だったため商品が到着したのは2日後でした。
さっそく外装のクラフト封筒を開けて中身を取り出すと、本は透明袋に入っていました。OPP袋ではなく、スーパーの鮮魚コーナーにぶら下がっているような、いわゆるポリ袋です。テープ留めはされておらず、余った部分を本体にぐるぐると巻き付けているだけでした。この時点で嫌な予感がしました。
ぐるぐるを解いてポリ袋から本を取り出そうとしますが、取り出せません。本と袋がくっついているようです。なぜ!?
ポリ袋に手を突っ込んで本とくっついている部分を慎重に剥がし、ようやく本を取り出せました。その本の全貌を直接目にした私は愕然としました。

出品ページの商品の状態は「目立った傷や汚れなし」でした。いやいやいや、めちゃくちゃ目立つ傷や汚れがありますが!?
黒い表紙に白い傷!
地を見れば数ページまとめて角が折れている!
どこからついたのか青インクの汚れ!

さらに、ポリ袋とくっついていた場所をよくよく確認してみると、それは裏表紙のバーコード部分でした。これでピンときてしまいました。バーコード部分は中古本の値札シールがよく貼られる場所です。つまり、「これは古本屋で購入した本であり、値札シールを剥がしたものの粘着部分が残ったままポリ袋に入れたからくっついてしまった」のだと推測できます。
中古購入であることも、商品説明に記載されていませんでした。本の所有者が出品者1人だけか、その前にもいるかというのは、本の状態にかかわる重要な情報だと思うのですが。

この本の状態は私なら「傷や汚れあり」、百歩譲っても「やや傷や汚れあり」を選択します。間違っても「なし」だなんて購入者に期待を待たせるような言葉がついているものは選びません。だって、傷や汚れがはっきりとあるんですから。
こんな状態のものなら、他のもっと安く出品されていたものと大差なかったでしょう。むしろ、そちらから買った方が、最初から状態がよくないとわかっているだけに不快にならなかったはずです。

商品の状態が説明と違うものが届いた場合、出品者が承諾すれば返品・キャンセルすることができます。ただし、返品するには匿名配送は使えません
ただでさえ購入する時にも実名取引となることには躊躇するのに、返品のために相手に個人情報を渡すのは怖いです。考えすぎかもしれませんが、報復で悪用されない保証はありません。そもそも相手が返品を承諾してくれるとも限りません。それに、本自体の厚さがほぼ3cmあるので、メルカリと同じ手段では送れないでしょう。(ネコポスでした)
やり取りするのが煩わしい……もう関わりたくない……そう思った私は「商品の状態が説明と違った」と残念評価をつけて終わりにすることにしました。これで出品者が改善するなり、購入希望者が判断する目安になればいいですが。

選択式の「商品の状態」だけを信用し、出品者に詳細を質問しなかった私に非がないとは言いませんが、今回の出品者の問題点について考えてみます。悲劇の原因は主に以下の3つです。

・写真が少ない(表紙の1枚だけ)
・バーコード読み取りの情報しかない(タイトル、著者名、定価だけ)
・「商品の状態」の齟齬

書き出してみると、とにかく情報が少ないことが問題だとわかります。この状態では「商品の状態:目立った傷や汚れなし」を信じるしかないじゃないですか。でも裏切られました。

対応は丁寧だっただけに、残念でなりません。なぜここで手を抜いてしまったのでしょうか。
バーコード読み取りは情報入力の手間が省けて楽ですが、それで入力される情報は「種」のものであって「個」のものではありません
たとえ同じ本を持っていても、手袋をつけて読んだものと、スナック菓子を食べながら読んだものとでは、状態は異なります。何度も繰り返し読んだものと、一度しか読まなかったものでも、状態は変わります。同じ本でも、持ち主によってそれぞれに生まれる違いを書かなければ「商品の状態」の意味がないのです。

このままでは「残念な取引だった」で終わりですが、今回は購入者だった私は出品者でもあります。この取引を反面教師とし、自分の出品に役立てようと決めたのでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!