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プロフェッショナル(学級通信シリーズ)

 2008年5月の記事です。 

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 あまりテレビは見ないのですが,たまたま見た「プロフェッショナル~仕事の流儀」でとても印象に残ったところがあったので紹介しておきます。
 先月22日の放送は,ファクトリーマネージャーの吉田憲一さんでした。ファクトリーマネージャー?…まずそんな仕事があることすら恥ずかしながら知りませんでした。吉田さんは,アラスカオーシャン号という船で,魚を取りながらそれを加工する船全体を取り仕切る仕事をしています。1日に400~500トンもの魚が処理され,高い鮮度を保つ製品が生み出されるそうです。デッキ直下の1フロアすべてが製造ラインになっていて,作られるのはかまぼこなどの原料となるすり身やフィッシュバーガーに使われるフィレブロック,そして極上と賞されるタラコです。自力操業する洋上加工船としては世界最大で,国籍を問わず120人が働いています(全長115メートル,総トン数7400トン)。
 船で働く作業員は,航海ごとに契約を交わすため,毎回30~40人が新しく入れ替わるのですが,新人の面接は吉田さん一人でやるそうです。その際に吉田さんはたった1つのことだけを見定めます。それは,「ずるい人間か,どうか」です。「ずるい人間の中にも,仕事を結構できるのがいますけどね。ただこれはもう信用できない。見てる時と見てない時の差があるんで」と言います。吉田さん自身,つねに真摯に仕事に向き合い,その姿勢を部下に求めるのです。
 人が見ているか見ていないかによって仕事に差が出ては,確かに信用できません。それをわずか1~2分の面接で見極めるそうです。その「人を見極める目」に驚かされました。もちろん,吉田さん自身の仕事に対する姿勢にも,「プロフェッショナル」を感じずにはいられません。作業中に片腕を失いながらも,自棄になることなく,逆に物事をしっかり考えるようになったといいます。「やつてみせ,言って聞かせて,させてみせ,ほめてやらねば,人は動かじ。」という山本五十六の名言もありますが,まさにそれを体現しているようでした。
 普段どれだけ一所懸命にやれているのか。自分も振り返ってみようと思いました。

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