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考えない方がうまくいく。ストレスフリーで不動産を増やしていく楽しさとは

会社員をしながら不動産投資を行っている鈴木様(仮名・45歳)にインタビュー。13年の投資で現在の所有戸数は18戸、諸々の諸経費を差し引いて手取り額でも毎月40万円程度が会社からの給与収入の他に得られるようになっています。1年に1戸以上のハイペースでマンションという資産を増やし続けられたその根底にある思想は「考えすぎない方がうまくいく」でした。具体的にどのような基準で増やしてきたのか、不動産投資の楽しさは何なのか。投資体験談をありのままにお届けします。

第1回のインタビュー記事も併せてご覧ください。

次の物件に手をつけるための3つの条件

——2009年に不動産投資を始められて、その年に2戸購入されているのですね。購入はローンを利用されているのですか?

はい。そうです。

——その翌年にも購入されて、さらに翌年、つまり2011年にもまた2戸購入されています。立て続けに物件を増やされているな、という印象です。何か具体的な計画があってのことですか?

当初は増やすつもりはありませんでした。「1件目はとりあえず買ってみた」という感じですが、購入後、特にこれといった手間がかからなかったのが大きいですね。「これって5件でも10件でも自分の手間は変わらない」と同時に「購入できる環境があり、自分自身が過度にリスクを感じないなら買い増ししてもいいかな」という気持ちになり、買い進めました。

——借入額についての基準はありますか?

私が借りたくても銀行が貸してくれなければ始まりません。「銀行からお金を借りられる環境が整っているか?」という考え方です。言い換えると「銀行から見た時の与信の枠があるか?」ということです。ただ、当然ながら借りたお金は返す必要があります。仮にお金を貸してもらえたとしても身の丈に合わない多額の借入金は本当に返せるのか、という恐怖心が生まれますし、過度な恐怖心はストレスになります。
① 借りられる環境があること 
② 自分が過度なストレスを感じずにいられる範囲の借金額(返済額)であること
③ 条件に合う物件があること 
という3つの条件が揃ったときに買うことを決めています。
やはり、ちょっと空室になっただけで支払いの心配をしないといけない状況では日常生活で過度なストレスを抱えてしまいます。

——繰り上げ返済もされていますが、繰り上げ返済についてのポリシーはありますか?

普通預金の残高が自分で決めた一定額を超えた際に繰り上げ返済することにしています。繰り上げ返済を通じて借入金の残高が減れば、先ほどの借入金の話につながりますが、次の物件購入に向けて、銀行から借りられる環境になり、借入金に対するストレスを減らせますので。
そして、何より目先で使う可能性のある金額以上に普通預金の残高があっても、利息も付かないのでこれまたストレスを感じてしまいます。ストレスを回避する目的で繰り上げ返済しています。借入金の金利は購入した時期や金融機関によってまちまちですが、金利の高いものから順番に繰り上げ返済しています。
以前は今となっては高い金利(3%程度)もありましたが、最近は低金利が続いているのでそこまで高い金利の借入金は無いのですが、それでも利息の付かない普通預金に置いておくよりも自分の中でのストレス低減効果はあります。ポリシーというと「一定額以上の預貯金ができたら返済をする」ですかね。

楽しさは仕事のダンドリの達成感に近い

——不動産投資を続けていく上でのコツというか、楽しさはありますか?

自分の中で「こうやったら確実に物件を増やせるだろう」という仕組みができてしまえば、そこから先は仕事の面白さと通じるところがあります。例えば、仕事の場合も「こういう段取りで進めたらこの仕事がうまくいくだろう」や「お客さんが喜んでくれるだろう」などと考えて、それを実行に移し、結果として上手くいったり、いかなかった場合に改善していくプロセス自体が面白い。もちろん仕事の成果が評価され、給料やボーナスが増えるから嬉しいという部分もありますが、「お金とは関係なく、業務が上手く進んだから楽しい」というのもありますよね。

——仕事の達成感ですね。

そうです。こういう予想を立てて自分の想定通りに進行している、という。だからある意味、不動産の運用はそれに近い感覚です。

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投資は考えない方が上手くいく

——現状は借り入れの枠が空いたら物件を増やしていく、ということですが、指標はありますか? 例えば年に何戸増やす、といったような。

今のところは決めていません。なぜなら、「下手に考えない方がいい」と思っているのです。考えすぎると、そのときの自分の感情次第で方向性がブレてしまう。例えば、株式投資などでも銘柄を選定してバタバタ売買を繰り返すよりも、何も考えずにインデックスファンドなどを積み立てている方が、結果的に運用成績がよかった、みたいな話もあるじゃないですか。だから、自分で考えて、タイミングを判断することが常に正解とは限らないと思っています。もちろんそれができる優秀な人も世の中に沢山いるのでしょうが、自分はそうではないと思っています。

むしろ、下手に考えない方が上手くいくと思っています。極力考えないようにすることの方がいい。考えたとしても常に正しい答えを出せるとは限らないと思っています。

——先ほどからストレスというワードも何度か出ていますが、たしかにインデックス積立投資のように機械的に買っていく、くらいのイメージのほうが気持ちの面でも楽かもしれませんね。

そうですね。資産運用や投資でも投資商品を売買して「増やす」という目的よりも、「ストレスのかかるものは手放して、ストレスのかからないものに変える」という意識の方が強いです。先ほど述べたように、普通預金が一定額を超えると「こんな利息がほとんどないところにお金を置いておくのはもったいない」というストレスを感じます。そのため、これくらい普通預金を持っておけばいいかな、という額を決めて、それを超えた分は株式や投資信託や不動産投資、繰り上げ返済といった他のものに変えています。
不動産も買うというよりは「変えている」という感じです。普通預金を他のものに変える。例えば株の場合でも、購入後に感じるのですが、銘柄によって所有していてストレスのかかる株とストレスの余りかからない株があります。株式は日々価格が上下するものですが、自分が理解できない理由でドンと上がったり下がったりを繰り返されるとストレスを感じますよね。そういうストレスのかかる運用商品は処分して、他のストレスがない運用商品に変えています。そういった意味では今のところ、私にとって不動産はストレスのあまりかからない運用商品です。

——実際のところ、不動産投資があることによってストレスが軽減され、それが仕事のモチベーションにつながっている方も多いようです。モチベーションについては、いかがでしょうか?

やはり自信がつきますよね。不動産投資を何も勉強もせず、考えずにギャンブルみたいに始める人は、恐らく少ないと思います。自分なりに勉強して考えた上で実践している人が大多数かと思います。その結果、上手くいけば「自分が考えて、正しいと思ったことを継続すれば結果は後から付いてくる」と自信になります。そういった自信は、仕事にも通じると思います。例えば「自分が正しいと信じるやり方を続ければ結果は後からついてくるはずだ」と仕事でも自分の進め方に自信を持てるようになります。そうした自信を持って仕事を進められればモチベーション維持になると思っています。

家賃収入でいつか別荘地に家を建てたい

——最後に、今後の目標や「こういう風にやっていきたい」といった展望はありますか?

私の場合、自宅は賃貸マンションです。元々、不動産に対して、人様に借りていただける不動産を所有することは有意義だが自宅を所有する必要はないという考え方でした。投資として不動産を見た際の考え方は今も変わらないです。ですが、投資という視点ではなく、趣味趣向として、別荘地のようなところに家を建てて暮らすのも良いかも、という考えも最近は持っています。
今のところ山梨県のとあるエリアがいいなと思っています。旅行で行ったときに「旅行先として楽しい場所」とは別の「気持ち良さ」を感じました。こういう場所に住むのも良いかなと。わざわざ東京に住む必要性はないのかと思いまして。働くなら東京ですが「住み続けるのはどうなのだろう」という疑問はあります。
不動産の家賃収入があるので実現しようと思えばできそうですが、今の仕事を辞めるのか、山梨からテレワークでやるのか、まだ何とも言えません。お陰様で今の仕事が楽しくてやりがいを感じているので、今の環境が変わらないのなら仕事は続けたいと思っています。

——いつでも辞められるので取り立てて急ぐ必要もない、ということですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。