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〈私の失敗談②〉「相続税対策でアパートを建てましょう!」地方の不動産投資の怖さを垣間見たご近所の失敗事例

投資用物件を勧められる際に、営業マンから言われることが多い「税金対策ができます」という言葉。その言葉はどこまで信頼できるのでしょうか。不動産投資を検討するよりも少し前、「相続税対策でアパートを建てましょう!」と上場大手ディベロッパーの営業マンから提案された神先様。しかし、新築1棟アパートへの投資には踏み切れなかった、と言います。今回は、神先様が1棟アパートではなく中古ワンルームマンション投資に舵を切った経緯やその考え方などをご紹介します。

某大手メーカーの工場誘致を期待した新築一棟の強烈勧誘。しかし結果は悲惨だった

——東京の中古ワンルームマンション投資は、弟さんから話を聞いて当社をご紹介いただいたということですが、例えば一等物件や地方の物件、ファミリータイプの区分などに興味を持たれることはあったのでしょうか?

少し前の話ですが、いま住んでいる近郊に、「某大手メーカーが来る」という話が出ていたことがありました。当時は液晶が盛んな頃で、各地で工場が建設されるなど活況を迎えていたのです。その際に私の近所にもそんな話が沸きました。上場している大手ディベロッパーの営業の方が来られて、「大きな工場が来るから住む場所が必要」と言って近隣にものすごい営業をかけていたことがあったのです。田んぼを持っていたので、うちにも何回も来ましたね。

——アパートは建てられたのですか?

いいえ、私は断りました。計画書を見てもあまり儲からない。もちろん、利益が出るように計画書は作られていたのですが、いろいろ話を聞いても私はあまり乗り気になれませんでした。すでに賃貸アパートがけっこう建っていて、「そんなにたくさん建てて大丈夫かな?」という危惧があったので私は踏み切らなかったのです。
「アパートを建ててもらったら相続税も安くなります」という話を営業の方からお伺いしたのですが、結局はお願いしませんでした。

——その後はどうなったのですか?

営業の方の努力もあったのか、現在ではアパートがたくさん建っていますが、どこも満室になっておらず、空きがいっぱいある状態です。というのは、某大手メーカーが来たのですが、中国に多くのシェアをとられているため計画通りとはいかず、小規模になってしまっているのです。そういう問題があって、アパートを建てたのはいいが、空室がかなり出てしまっている状態。

「すでに大きな工場があって賃貸需要がある」というのならまだわかりますが、「これから大きな工場が来ますよ」という話から始まって、見込みで賃貸アパートを建てるのは危険です。将来的に相続税対策にはなるかもしれませんが、家賃が下がってきたり、空室が続いてローン返済ができなくなったりなど、アパートの運営自体ができない状態になるケースもあります。その光景を見て「やらなくてよかった」と、いまは思います。

——見込みで投資するということはよくあることですが、予測しきれなければ難しい面でもありますね。

その点、東京の中古ワンルームマンションのなかには竣工から30年も、40年も経っているにもかかわらず、入居者がきちんと付いている。その実績はやっぱり大きいですね。

——30年、40年と築年数が経ちすぎてしまっている物件に対して、ご懸念や不安などはありませんでしたか?

それは特になかったですね。逆に、築50年の古い物件でも空室になっていない。例えばこの近辺でしたら、新築なのに毎月入居者が付いていない物件もあるのです。東京なら50年経過している物件でも場所が良ければ空室にはなっていません。

売買をするにしても、全然とは言いませんがあまり売買価格が下がっていないのです。要するに、入居者が付いているから下がっていないと思うのですが、そういう物件を見ると「築30年くらいでは全然問題ないな」という安心感はありましたね。賃貸需要の重要性を認識した出来事でした。

〈次回は2/10「失敗③|「これは入居しない」物件を見ずに購入した首都圏の一棟アパートは空室だらけ〉に続く

〈経済的自由を達成したオーナー様のお話を聞く!〉

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