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設計と製造物の突き合わせに拡張現実

拡張現実のソフトウェア開発への応用について考えていました。

21世紀に入ってからのソフトウェア業界は、スピードを求めるWEB開発やGAME開発の躍進で、手間のかかる設計プロセスをはぶいたラピッドプロトタイプ的な仕事の仕方が多くなってきました。(ラピッドプロトタイプは死語ですね。)早く大量に価値のあるものを開発することはできましたが、信頼性や保守性にもとる技術的な負債が山積みになってしまいました。設計がすっぽ抜けていて非機能への考慮が欠けているからだと思います。

ソフトウェアの実装者(=プログラマ)は、設計など見向きもせず、一度聞きかじって自分の頭の中に構築されたソフトウェア仕様で物をつくりがちです。しかし、実装中にその基になる設計情報が常に強制的に表示されていれば、速やかに漏れや誤りに問題に気づくことができるでしょう。

ここで現実=「ソースコードや設定」、拡張されるもの=「当該ソースコード・設定に関係する設計情報」ということになります。半自動のコード生成ツールやローコード開発ツールはこれに近いと思いますが、設計→実装という考え方に欠けています。

ソフトウェア設計の課題

設計情報は下記の書籍(技術屋の心眼)にあるように、図化されることが多いです。しかし、ソフトウェアの設計を支援するソフトウェアは非常に限られています。お絵かきツールのようなものばかりです。ソフトウェア設計の高度化についてはまったくなおざりといった状況です。

ソフトウェア開発の拡張現実には、ソフトウェア設計の図化・抽象化システムが必要です。物の拡張現実に、CADの3DCGデータが使われたりするのと同じことです。

何か試せないものか?

簡単な物で良いので何か実現できないでしょうか?例えばVisulaStudioCodeなどは、拡張機能の開発に優れています。開発するコードに関係する設計情報のMarkdown程度のものを自動的にひっぱてきて、開発者の目の間に突きつけるような機能は作れそうです。よくある拡張現実とは似ても似つかないものですが、現実=ソースコードに対して付加的な情報を提示するという点ではマッチしています。

とここまで威勢よく描いてきましたが、これはCASEツールといった物に分類されちゃうかもしれませんね。(これも死語です)




日本の危機を広く知ってもらうため日々noteで投稿しています。あわせて日本復活に必要と考えている新しい技術・産業についても書いています。