日本古学アカデミー

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日本固有の学問である日本古学を清風道人が現代と未来に伝えていきます。日本古学から学ぶ「自然の摂理」と「日本古来の精神」が豊かで健やかな世界を創るヒントになることを願って。

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日本古学とは  日本古学(国学、古道学)は、諸外国の影響を受ける以前の日本独自の文化・思想・精神世界を明らかにしようとする学問です。  本居宣長先生や平田篤胤先生など江戸時代の国学者たちの成果は、日本が近代国家として出発する明治維新の原動力ともなりましたが、明治以降に輸入された西洋の文物に感化された日本人にとって、遠い過去の遺物となり、一般には極めて認知度の低い存在となって今日に至っています。  しかしながらこの学問は、最終的には宮地水位先生や宮地巖夫先生などのいわゆる宮地神仙道によって完成された感があり、その学統は尊貴なる霊宝伝書類と共に今もひっそりと継承されています。  この世界に類を見ない古き良き日本遺産ともいうべき古学が、篤志(とくし)の人々によって未来に伝えられますよう心より祈念申し上げます。 「古(いにしえ)、儒仏の道未だ御国へ渡り来(きた)らざる以前の、純粋なる古の意(こころ)と古の言(ことば)とを以て、天地の初めよりの事実を素直に説き考え、その事実の上に真(まこと)の道の具(そな)はってある事を明らむる学問である故に古道学と申す。」(平田先生)

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天地組織之原理(167) -先入主による弊害- ●

#00926 2024.10.31  さて前の答弁に及びたる意見のみにては御了解も如何あらんと存じらるゝが故に、こゝに平田先哲の支那太古のことを論じられたるに就て聊か御参考に供し置くことあり。  それは如何となれば、後世の支那学派の人は世に大家と称せらるゝ儒家と雖(いえど)も彼国太古のことを委しく論じたる人は聞かざる所にして、東洋人が道徳の泰斗とも仰ぐ孔子すら堯(ぎょう)・舜以前のことはあまり論ぜざる所なれども、本(もと)立ちて道生ずと云ふ時は必ず堯・舜以前に遡らざるべから

    • 天地組織之原理(166) -太古の伝説は幽事の伝承-

      #00925 2024.10.25  前の御質疑に就てはこゝに御参考に供し置くことあり。それは如何となれば、支那の歴史中最も明文なりと世に称せらるゝ太史が撰ぶ所の『史記』の「五帝本紀」の如きは、平田先哲も作者たる太史は文章に巧みなるも太古の伝を見るの具眼無しと云はれたり。  余(よ)を以てこれを見るも又かくことにて、平田先哲の『赤県(もろこし)太古伝』に引用せられたる彼国の古書仙書等に存したる太古の伝説は天然の古風を存したるものなるに、『史記』の「五帝本紀」の如きは更に太古

      • 天地組織之原理(165) -神人雑居の神域- ●

        #00924 2024.10.19  或る人問ふ、御説によりて神代御三代の御年寿のことは大に了解し、吾国の神国神域たる名の存する所以(ゆえん)をも自得するに至れり。然れども尚も確信を得んが為こゝに今一言承り置きたきことあり。  それは如何となれば、造化気運の変遷の如きは全く一地方に止まるべきに非ず、地球上同一の変遷を見るべきものなるに、独り吾国のみ異なるが如きは如何、御弁明を仰ぐ。    答ふ、この御疑点に於ては皇孫降臨後の所のみに着眼してこれを自得するを得るは甚だ難き所な

        • 天地組織之原理(164) -神代御三代二千四百六十余年- ●

          #00923 2024.10.13  或る人問ふ、御説によりて皇孫降臨後、神代たる御三代間の御講述も拝聴し最早明文上疑点も無きことなるが、前に御講述ありし暦数によりて皇孫降臨後僅かに御三代を以て二千四百七十余年間とする時は何れも千歳の寿を経給ふことなるを、これは全く神仙の境なりしが故なりとするも、外邦も又同じかるべきことなるを、支那の上古に比するに支那にては堯・舜以後は大に文物も開けたるのみならず、吾神武天皇の御代に至るまでには数世を経過したるものにて、堯・舜を始め年寿は漸

        天地組織之原理(167) -先入主による弊害- ●

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          天地組織之原理(167) -先入主による弊害- ●

          #00926 2024.10.31  さて前の答弁に及びたる意見のみにては御了解も如何あらんと存じらるゝが故に、こゝに平田先哲の支那太古のことを論じられたるに就て聊か御参考に供し置くことあり。  それは如何となれば、後世の支那学派の人は世に大家と称せらるゝ儒家と雖(いえど)も彼国太古のことを委しく論じたる人は聞かざる所にして、東洋人が道徳の泰斗とも仰ぐ孔子すら堯(ぎょう)・舜以前のことはあまり論ぜざる所なれども、本(もと)立ちて道生ずと云ふ時は必ず堯・舜以前に遡らざるべから

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          #00924 2024.10.19  或る人問ふ、御説によりて神代御三代の御年寿のことは大に了解し、吾国の神国神域たる名の存する所以(ゆえん)をも自得するに至れり。然れども尚も確信を得んが為こゝに今一言承り置きたきことあり。  それは如何となれば、造化気運の変遷の如きは全く一地方に止まるべきに非ず、地球上同一の変遷を見るべきものなるに、独り吾国のみ異なるが如きは如何、御弁明を仰ぐ。    答ふ、この御疑点に於ては皇孫降臨後の所のみに着眼してこれを自得するを得るは甚だ難き所な

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          #00923 2024.10.13  或る人問ふ、御説によりて皇孫降臨後、神代たる御三代間の御講述も拝聴し最早明文上疑点も無きことなるが、前に御講述ありし暦数によりて皇孫降臨後僅かに御三代を以て二千四百七十余年間とする時は何れも千歳の寿を経給ふことなるを、これは全く神仙の境なりしが故なりとするも、外邦も又同じかるべきことなるを、支那の上古に比するに支那にては堯・舜以後は大に文物も開けたるのみならず、吾神武天皇の御代に至るまでには数世を経過したるものにて、堯・舜を始め年寿は漸

          天地組織之原理(164) -神代御三代二千四百六十余年- ●

          天地組織之原理(163) -国土顕世の主権君位- ●

          #00922 2024.10.7 「この天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命(あまつひこひこなぎきたけうがやふきあえずのみこと)、その姨(みおば)、玉依毘売命(たまよりびめのみこと)に娶(みあ)ひまして生みませる御子の名(みな)は五瀬命(いつせのみこと)、次に稲氷命(いなひのみこと)、次に御毛沼命(みけぬのみこと)、次に若御毛沼命(わかみけぬのみこと)、亦の名は豊御毛沼命(とよみけぬのみこと)、亦の名は神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)。  故(かれ)、御毛沼命は

          天地組織之原理(163) -国土顕世の主権君位- ●

          天地組織之原理(162) -神々の御恋歌- ●

          #00921 2024.10.1 「然れども後はその伺ひたまひし情(みこころ)を恨みませども、恋しき心(みこころ)に忍(た)へたまはず、その御子を治養(ひた)しまつる縁(よし)に因りて、その弟(いろと)、玉依毘売(たまよりびめ)に附(つ)けて歌(みうた)を献(たてまつ)りたまひき。  その歌は、阿加陀麻波(あかだまは)袁佐閉比迦礼杼(おさへかれど)斯良多麻能(しらたまの)岐美何余比斯(きみがよそひし)多布斗久阿理祁理(とふとくありけり)とうたひたまひき。こゝにその比古遅(ひ

          天地組織之原理(162) -神々の御恋歌- ●

          天地組織之原理(160) -綿津見大神の御神徳- ●

          #00919 2024.9.19 「こゝを以て備(つぶさ)に海神(わたのかみ)の教へし言(こと)の如くその鉤を与へたまひき。故、それより以後(のち)は稍愈(やや)に貧しくなりて、更に荒き心を起こして迫(せ)め来る時は塩盈珠(しおみつたま)を出して溺らし、それ愁(うれ)へ請(こ)へば塩乾珠(しおふるたま)を出して救ひ、かく惚(なや)まし苦しめたまふ時に稽首(のみ)白さく、僕(あ)は今より以後、汝命(いましみこと)の昼夜の守護人(まもりびと)となりて仕へ奉らむとまおしたまひき。

          天地組織之原理(160) -綿津見大神の御神徳- ●

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          天地組織之原理(163) -国土顕世の主権君位- ●

          #00922 2024.10.7 「この天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命(あまつひこひこなぎきたけうがやふきあえずのみこと)、その姨(みおば)、玉依毘売命(たまよりびめのみこと)に娶(みあ)ひまして生みませる御子の名(みな)は五瀬命(いつせのみこと)、次に稲氷命(いなひのみこと)、次に御毛沼命(みけぬのみこと)、次に若御毛沼命(わかみけぬのみこと)、亦の名は豊御毛沼命(とよみけぬのみこと)、亦の名は神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)。  故(かれ)、御毛沼命は

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          #00921 2024.10.1 「然れども後はその伺ひたまひし情(みこころ)を恨みませども、恋しき心(みこころ)に忍(た)へたまはず、その御子を治養(ひた)しまつる縁(よし)に因りて、その弟(いろと)、玉依毘売(たまよりびめ)に附(つ)けて歌(みうた)を献(たてまつ)りたまひき。  その歌は、阿加陀麻波(あかだまは)袁佐閉比迦礼杼(おさへかれど)斯良多麻能(しらたまの)岐美何余比斯(きみがよそひし)多布斗久阿理祁理(とふとくありけり)とうたひたまひき。こゝにその比古遅(ひ

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          天地組織之原理(161) -変化の神術-

          #00920 2024.9.25 「こゝに海神(わたのかみ)の女(みむすめ)、豊玉毘売命、自ら参出(まいで)て白したまはく、妾(あれ)己(すで)に妊(はら)める身にて、今産むべき時に臨(な)りぬ、此(こ)を念(おも)ふに天神(あまつかみ)の御子を海原にて生みまつるべきにあらず、故(かれ)産出到(まいでき)つとまおしたまひき。  即ちその海辺の波限(なぎさ)に鵜の羽(は)を葺草(かや)にして産殿(うぶや)を造りき。こゝにその産殿未だ葺き合へぬに、御腹(みはら)忍(たえがた)く

          天地組織之原理(161) -変化の神術-

          天地組織之原理(160) -綿津見大神の御神徳- ●

          #00919 2024.9.19 「こゝを以て備(つぶさ)に海神(わたのかみ)の教へし言(こと)の如くその鉤を与へたまひき。故、それより以後(のち)は稍愈(やや)に貧しくなりて、更に荒き心を起こして迫(せ)め来る時は塩盈珠(しおみつたま)を出して溺らし、それ愁(うれ)へ請(こ)へば塩乾珠(しおふるたま)を出して救ひ、かく惚(なや)まし苦しめたまふ時に稽首(のみ)白さく、僕(あ)は今より以後、汝命(いましみこと)の昼夜の守護人(まもりびと)となりて仕へ奉らむとまおしたまひき。

          天地組織之原理(160) -綿津見大神の御神徳- ●

          天地組織之原理(159) -二柱の太子- ●

          #00918 2024.9.13 「綿津見大神、誨(おし)へまつりけらく、この鉤(つりばり)をその兄(いろせ)に給はむ時に言(の)りたまはむ状(さま)は、この鉤は淤煩鉤(おぼぢ)、須々鉤(すすぢ)、貧鉤(まぢち)、宇流鉤(うるち)と云ひて、後手(しりえて)に賜へ。」    この伝は『古事記』にては赤海鯽魚(あかめ)の口より鉤を取り出でたる伝の次の明文なれども、前に申したる通り錯簡(さっかん)なればこゝに入るべき順序なるが故にその順を正してこゝに挙げたるなり。  この伝の「淤

          天地組織之原理(159) -二柱の太子- ●

          天地組織之原理(158) -火遠理命の嘆息- ●

          #00917 2024.9.7 「こゝに海神(わたつみのかみ)、こゝに到(き)ませる由(ゆえ)は奈何(いかに)とぞとのりたまひき。爾(かれ)、その大神に備(つぶさ)にその兄(いろせ)の鉤(つりばり)を失せにし罰(はた)れる状(さま)を語りたまひき。」    こゝに挙げたる明文は『古事記』本伝にては前段の次に三年この国に住み給ふことを云ひて、「一(ある)夜、大に嘆きたまひ云々」の本伝六行を隔てたる次の明文なれども、これは全く『古事記』の錯簡(さっかん)なることは明らかなること

          天地組織之原理(158) -火遠理命の嘆息- ●

          天地組織之原理(157) -皇孫命の御配偶- ●

          #00916 2024.9.1 「故(かれ)、豊玉毘売命奇(あや)しと思ほして出で見て、乃(すなわ)ち見感(みめ)でゝ、目合(まぐわい)してその父に、吾(あ)が門に麗しき人有(い)ます白(まお)したまひき。  こゝに海神(わたつみのかみ)自ら出で見て、この人は天津日高の御子、虚空津日高(そらつひこ)にませりと云ひて即ち内に率(ひき)て入れまつりて、美智(みち)の皮の畳八重(やえ)を敷きて、亦(また)絁(きぬ)畳八重をその上に敷きて、その上に坐せまつりて、百取(ももとり)の机

          天地組織之原理(157) -皇孫命の御配偶- ●

          天地組織之原理(156) -海神の宮-

          #00915 2024.8.26 「こゝにその弟(いろと)泣き患(うれ)へて海辺に居ます時に、鹽椎神(しおつちのかみ)来て問ひけらく、何(いか)にぞ虚空津日高(そらつひこ)の泣き患ひたまふ所由(ゆえ)はと問ひたまへば、答へて言(まお)したまはく、我(あ)れ兄(いろせ)と鉤(つりばり)を易(か)へてその鉤を失ひき、こゝにその鉤を乞ふ故に多(あまた)の鉤を償へども受けずて、猶その本(もと)の鉤を得むと云ふより故(かれ)泣き患ふなりとのりたまひき。  こゝに鹽椎神、我れ汝命(いま

          天地組織之原理(156) -海神の宮-

          天地組織之原理(155) -天賦の才能- ●

          #00914 2024.8.20 「故(かれ)、火照命(ほでりのみこと)は海佐知毘古(うみさちびこ)として鰭広物(はたのひろもの)鰭狭物(さもの)を取りたまひ、火遠理命(ほおりのみこと)は山佐知毘古として毛麁物(けのあらもの)毛柔物(にこもの)を取りたまひき。  こゝに火遠理命、その兄(いろせ)、火照命に謂ひて、各(あたみ)に佐知を相易(あいか)へて用ひてむと三度(みたび)乞はしゝかども許さゞりき。然れども遂に纔(わず)かに得(え)相易へたまひき。」    この明文は別に解

          天地組織之原理(155) -天賦の才能- ●

          天地組織之原理(154) -火中の出産- ●

          #00913 2024.8.14 「故(かれ)、後に木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)参(まい)出でゝて白(まお)したまはく、妾(あれ)妊(はら)める身、今、産(こう)むべき時に臨(な)りぬ。この天神(あまつかみ)の御子、私(わたくし)に産みまつるべきにあらず。故、請(まお)すとまおしたまひき。  こゝに詔(の)りたまはく、佐久夜毘売一宿(ひとよ)にや妊める、そは我(あ)が子(みこ)に非ず、必ず国神(くにつかみ)の子にこそあらめとのりたまへば、吾(あ)が妊める子、もし

          天地組織之原理(154) -火中の出産- ●

          天地組織之原理(153) -人寿の短縮- ●

          #00912 2024.8.8 「こゝに詔(の)りたまはく、吾(あれ)汝(いまし)に目合(まぐわい)せむと欲(おも)ふは奈何(いか)にとのりたまへば、僕(あ)は得(え)白(まお)さむ、僕が父、大山津見神ぞ白さむと答白(まお)したまひき。故(かれ)、その父、大山津見神に乞ひに遣はしける時に大(いた)く歓喜(よろこ)びて、その姉、石長比売(いわながひめ)を副へて、百取(ももとり)の机代(つくえしろ)の物を持たしめて奉り出しき。  故、こゝにその姉は甚(いと)凶醜(みにく)ひに因

          天地組織之原理(153) -人寿の短縮- ●

          天地組織之原理(152) -麗しき女神- ●

          #00911 2024.8.2 「こゝに天津日高日子番能邇々芸命(あまつひこひこほのににぎのみこと)、笠沙(かささ)の御前(みさき)に麗しき美人(おとめ)に遇(あ)へるに、誰(た)が女(むすめ)ぞと問ひたまへば、答へ白(まお)したまはく、大山津見神の女、名は神阿多都比売(かむあたつひめ)、亦の名は木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)と謂(まお)したまひき。又汝(いまし)が兄弟(はらから)有りやと問ひたまへば、我(あ)が姉、石長比売(いわながひめ)在りと答白(まお)したま

          天地組織之原理(152) -麗しき女神- ●