毎日が謎解きゲーム。そして副作用。

まだ日本語の語彙数が少ない方と話すと、
よく「何の話をしているでしょうゲーム」かのような状況になる。
相手は、言い間違えているパターンもあれば
妥当な日本語がわからなくて自分の言葉の引き出しをひっくり返すことも。

大体は、きっとあれのことをいいたいんだろうなあ、と推測できるけれど、
たまに、ぼんや~りとして終わることもある。

先日も、病院へ行ったという話題になったときにどうしたのか訊くと
「目に ❝なぬ❞ ができて」と返ってきた。
ん?なんだ?と私の推測エンジンがかかる。
相手のジェスチャーからして ❝膿❞かな? ❝腫れ❞かな?と探るのだが、
どうやら違うようだ。
結局 ❝かゆみ❞ → ❝アレルギー❞ということにしたのだが、
多分正解は別にあるのだろう。
こうゆうときの正解はだいぶ時を経て閃いたりする。
その時にはもう本人には確認できないのだが(笑)。

相手からのメッセージを全身全霊で受け止める。
ほんの些細な仕草も、ほんの少しの表情の変化も。
技術でも何でもない。
ただ相手のメッセージを受け取ろうとする。それだけなのだ。

このような癖を日々重ねていくうちに、ある弊害ができてしまった。
ドラマをみているとき、俳優さんたちの表情を見るだけで
次のセリフが大体わかってしまうのだ。
映像作品にとって価値のある『間』が100%では味わえない(苦笑)。
でも、それほど演技の上手い俳優さん方を知ることができているんだ
な~んて日本文化の未来を輝かしく感じながら楽しんではいる。

伝えたいことが伝わっていないとき
受け止める側が理解しようとする気持ちを無くしてしまったら
伝えた側は心細い気持ちになるだろう。
たとえ最後まで答えがわからなかったとしても
私は❝わかろうとしているよ❞という姿勢を送り続けたいと思う。
異国という名の日本に住む外国籍の方の孤独を
少しでも和らげられると思うから。

そうして明日も愉快な仲間たちの謎解きゲームは続くのである。

#業界あるある #ある種の #謎解きゲーム #多文化共生 #日本語コミュニケーション #小さな世界

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