永住権取得を望む留学生が増えている
東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。
複数の大学で、日本語教育、キャリア支援、日本人のアカデミックライティングなども担当しています。
永住権取得を望む留学生が増えている
この数年、クラスの中で、
ほとんどの留学生が日本での就職を希望していることは知っていました。さらに、永住権の取得を望む留学生が増えたなあというのも、肌で感じていました。日本政府が永住権推進政策を行なっているわけではないのに、です。
それぞれに、故国の事情も
ありますし、国境の壁は、心理的にも低いものになってきているようにも思います。物理的な距離も近く、安全で暮らしやすいということで、日本が選ばれているのは悪いことではありません。日本は、人口増加の目処が立たないのですから、ともにこの国を支えてくれるのなら、それはありがたいことです。ヨーロッパの轍を踏まないように、環境を整えることは喫緊の課題でしょう。などと漠然と思っていました。
つい先ごろ、
予想もしなかった、永住ビザを申請するとのことで、保証人を依頼されました。その人は、かつての教え子で、社会人となってからも親しい関係が続いていました。日本語も十分にできる、専門分野を持つ高度人材でもあります。初めて聞いた時には、「保証人」という言葉は何やら禍々しいもののように感じられました。連帯保証人になって、倒産の煽りを食って、財産を失った、というような話をどこかで聞いたことがあるせい(本当に聞いたことがあるのだろうか…)でしょう。
けれども、説明を受けて、
永住者の身元保証人が、経済的な責任を負うものではないとわかりました。自分でも調べてみましたが、「道義的な」責任を負うということでした。昨今は手続きも簡素化されています。「永住権 保証人 デメリット」で調べてみても、デメリットとして出てくるものは、永住者に法令違反があった場合、この身元保証人は不適格であるとして、次の機会に保証人となることができなくなるというものでした。まあ、信頼できる人であることに加えて、そうそう保証人を頼まれることもなさそうなので、実質、デメリットはないと判断しました。
実際に、
人物を保証することはできます。安心できる人です。日本の法律もルールも守って、日本社会を支えてくれることに、何の疑問もありません。ということで、保証人になることを快諾しました。頼んでくれたことも嬉しかったですよ。「道義的な責任を負う」ことになるそうなので、今後も、相手の様子がわかる間柄を保っていきたいものです。というよりも、広く、日本の社会、コミュニティの一員として迎えられるといいなと思いました。
今後、ますます永住権を
取得する外国人は増えることでしょう。そんな時、保証人になることは、何ら躊躇すべきものではありません。もちろん、よく知りもしない人に対して、「道義的な」責任を負うことはできないと思います。要するに、普通に考えて、さほど身構えるようなことでもないということです。
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