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【日本語教師養成課程】音声分析のレポートなど

今学期(今クール)、テストが1つ、レポートが4つあります。
1つは書きやすいテーマだったので、特に参考文献もなしでさくさく書きました。
もう1つも精神論的なものなので、簡単だろうと思ってあとまわし。

苦心したのが文法。
3冊以上の文法書を使って、テーマについて考察するのだったので、書いたところ、まあ、つぶやきましたが、規定の倍の量になってしまったのですね。

せっかく「今」学んでいるので、今すぐ糧にしたいし、適当にやっつけるのじゃなく、活かしたい。
そう考えると、ドイツ語話者の学習者という視点をどうしてもいれたかったんです。

ドイツ語(欧州系言語)と日本語ってこんなに文法的にかけ離れてる!(だから、日本人が英語勉強するの大変なんですよ~)というのを抜きの、一般論で終わらせたくなかったのです。

私が取り上げたテーマは、ドイツ語風にいうと、いわゆる仮定法(条件)。
ドイツ語だとWenn(英語ならIf)の1つしかないのに、日本語は、「春になると」「春になれば」「春になるなら」「春になったら」「春になっても」とかいっぱいあるわけです。
(ありすぎて、「と」と「ば」に絞ったんだけど!)

私は中学生のとき、日本語にない英語の冠詞というものに苦労しました。
ドイツ語では、さらに冠詞がそのあとに続く名詞の性別によって、3つも分かれるのです!!
今でもよく間違えます!

反対にドイツ語話者が、16通り(重複あり)の冠詞が、英語ではthe1つでいいと言われる分には、まあ楽でしょう。
じゃあ、どうやって見分けるの?という疑問は出るにしても。
(日本語も単複同形というと、どうやって1つかそれ以上か知るんですかって言われる。
それって知る必要ある?!
「私は今日友だちと会いました」って何人でも、性別もどうでもよくない?!)

話を戻すと、1つしかない仮定の形が日本語では5つですよーって言われると、ドイツ人は困っちゃうわけです。
はっきりした違いを明示してあげたい。
そんなわけで、分量が多くなっちゃったんですね。

書くのは楽しかったし、自分なりの発見もあったので、よかったのですが、削るのは大変でした。
なんとか規定量に収めました!

今、取り組んでいて、やっぱり時間がかかってるのが、音声学です。
Youtubeなど、動画から日本語話者以外が話す日本語の音声を見つけ、分析することがテーマなんですが、これまたせっかくやるなら、ドイツ語話者の声でやりたい!
でも、Youtubeなどでいいサンプルが見つからない。

そこで、大学の学生数名に協力してもらって、サンプルを集め、それらの音声をつなげ、字幕をつけ、動画に編集しました。
そして、何度も聞きながら「違和感」を見つけ、理由を考えていきます。
音声分析ソフトPraatもこの授業で紹介されたんだけど、一朝一夕でつかいこなせなーい!

このソフトだけで秒数とか測れるんだけど、画像のスクリーンショットをワードで加工するというアナログ(?)技を使っています。
例えば、「教科書を」の発音は日本人なら「きょ-う(お)-か-しょ-を」と5拍(モーラ)で発音で発音するはずなのです。
「か」の音の長さの棒と比べ、「きょう」が2倍になっているか、「しょ」が同じ長さかを可視的に表してみました。

この図でいうと、一番下(図4)が私の声。
ちょっと「きょう」も「しょ」も短いですねw

それで図3の学生Bはきれいじゃないですか!
「きょう」が若干短いですね。
あと、Kの音がはっきりしてない気がします。

図2の学生Aは、「しょ」はいいけど、「きょう」が全然足りない。

それで、種明かし(?)をすると、学生Aは生粋のドイツ人なのに対し、学生Bはトルコ系ドイツ人なんです。
トルコ語は、ドイツ語や英語ほど強弱アクセントじゃないので、日本語には向いている!

私のクラスはドイツ人が7,8割で、残りがアジアと南米、東欧からの留学生が多いです。
その中で一番発音がいいのが、トルコ系ドイツ人や、ベトナム系ドイツ人。
いわゆる二世とか三世です。

小さいうちから二言語環境(しかも、強弱アクセントじゃない言語)で育っているから、全く別の言語(日本語)を話すときに、耳もいいし、再現できるんだと思います。
その次にいいのが南米出身者かな。
フランス語とかスペイン語は、ドイツ語英語とはまた違うリズムで、日本語には若干近いからかも。
東欧系はドイツよりRがきついし、中国は独特のアクセントをつけてしまうし、ドイツ語話者とどっこいどっこいか・・・

なーんてことをして遊びながら、レポートを書いています。
これまたすごく楽しいです。
レポートの締め切りがないなら、この音声分析ソフトをもっと勉強して使うんですが、今回は無理・・・

でも、このトルコ系ドイツ人学生はKとSとか子音が弱いのか、「を」もとても大きなふり幅になっているのはなぜか(私のは尻すぼみになっている)など、読み取れたら面白いんだろうけどなあ!!!

自分のテストも作らないとならなず、時間が足りません。
なんで同じ時期なんだろう!
日本は4月始まりで、ドイツは10月始まりのはずなんだけど。
と思ったら、ちょうど半年だからダメなんですね。
日本の前期がドイツの後期・・・
今後ずっと、私の中間試験、期末試験と勤め先の試験が重なっていく~!!
(娘たちも明日中間テスト~!と勉強しています)

でも、正直授業(オンライン視聴)自体より、自分であれこれする方が楽しいです。
授業でも学べることはあるけど、考えるきっかけをもらえるというのも価値があると思います。

昨日50才になったので、気を新たにスタートしたいと思います。
(優しい生徒さんが、「たまき先生、20才(+30年分の人生経験)のお誕生日おめでとう!」とカードをくれましたw)

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