ハーフは「混血」?「ダブル」?「ミックス」?
うちの子はいわゆる「ハーフ」です。
私は普段「ハーフ」という言葉を使います。
私自身はそこに差別意識は感じません。
ドイツ語では「Mischling」という言い方があります。
動詞「mischen/混ぜる」から来ていて、これは日本語でいう「混血」。
差別的だということで、もう人には使われません。
犬とかの雑種という意味にしか使わない。
もともと、ドイツとフランスのハーフはMischling(混血)と呼ばなかったくらいで、要は白人と黒人とかの大陸の混ざり具合(?)にしか言わなかったから、日本語でいう「ハーフ」とは違うしね。
では、何というかというと、「Halb Japanisch, halb Deutsch/半分日本、半分ドイツ」と言います。
まあ、「私は半分日本人です」とも言えるかな。
やっぱり「半分」という言葉を使うけど、何が半分かをいいます。
でも、多分もっと自然なのは、「私の父はドイツ人で、母は日本人です」かな。
混血自体は、従来は差別的な言葉ではなかったのだろうと思います。
血が混ざっている、まさにその通り。
「盲-めくら」などと同じように、差別的な言われ方をされることが多くて、差別用語という認識になってしまっただけなのではないでしょうか。
そして、「ハーフ」も近年差別的だという認識を持って、新しい呼称「ダブル」が一部の人で使われるようになりました。
まあ二重国籍だという意味では「ダブル」だし、二つの文化、背景、ルーツというなら、まあそうだけど。
しかもクオーターになったらどうするんだろう。
父親は日独ハーフで、母親がフランス人の場合は、「トリプル」?!
「半チャーハン、半らーめん」を「ダブル定食」みたいな感じ?
確かにどっちもあるからダブルではあるけど、量が倍みたいな感じも受けます。
私の好きな日独ハーフのエッセイスト、サンドラ・ヘフェリンの「ハーフが美人なんて妄想ですから」のタイトルが表す通り、ハーフに対する色々な偏見があるように、「ダブル」という呼称にすると、「じゃあ二カ国語話せるんでしょ」みたいな過度な印象を与えるのが問題らしいです。
それで、最新の流行(?)は「ミックスルーツ」だそうです。
あれ、「ミックス」って英語にしたら、「混(血)」はいいの?!
しかし、私的にこのミックスルーツは、今のドイツの大都市でいうと、8割くらいの人が当てはまっちゃうじゃんと思う言葉です。
両親がトルコ人(トルコ系ドイツ人)で、国籍がドイツの人は、血筋は100パーセントトルコで、国籍は100パーセントドイツなのに、ミックスなルーツな感じがするのです。
同じような言葉に「国際児」というのがあります。
これは文部科学省などお役所で使う用語で「国際家庭」の子どもだから、「『国際』児」です。
これまた、でも両親は日本人だけどドイツ生まれドイツ育ちの子も、両親はブラジル人で日本生まれ日本育ちの子も「国際」的な子といえば、そうなんじゃないかと私は思うのです。
すでにドイツがそうであるように、これから日本も徐々に多民族化していくでしょう。
国籍や人種などを表す言葉はもうぴったりのものなんて作れなくて、タイの性を表す言葉が18語あるように、一々新しいものを作るか、そうでなければ「父方のおじいちゃんはポーランド系ドイツ人、おばあちゃんは中国系マレー人、母方の祖父母も日本人だけど、母はドイツ国籍をとって、そのあとベルギー人と再婚したので、私はベルギー国籍」というような説明になるのかもしれません。
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