ドイツ語若者言葉「Diggah/おめー」と日本語の二人称

長女は周りからものすごく色々な影響を受けるタイプで、その筆頭が言葉遣い!
私の知らない、次女は使わない、夫が聞いたら眉をひそめる「若者言葉」を結構使う。
長女はクラス、学年、男女問わず、付き合いが広い。
次女は自分の周りの女子以外と話さないし、男子のことは大概気持ち悪い虫を見るような目で蔑んでいる。

昨日も妹に、
「Hä? Weisst du das nicht?!(え? こんなことも知らないの) Diggah!」
と言っていた。
Diggaを私は知らなかったけど、言い方がものすごくバカにしていたので、いい言葉じゃないんだろうと思って、意味を聞いたら、「Alter」とか英語のBroと同じような感じという。
(ちなみにBro(Brotherのこと)もよく言う。
妹にもいうので、いつから弟になった?!と突っ込む)

ただ、綴りは次女は「Digger」だといい、長女は「Diggah」だというので調べてみたら、Wikiさんによると、その2つ以外にもDicker, Digga, Diggi, まれに Diggha, Diggär, Dikka, Dikkahの書き方があるらしい。
元々は北ドイツの方言で、友だちや仲間を指す言葉。

私が知っていたのは、Kumpel(友達じゃなくて仲間とかツレみたいな感じ、ほぼ男性が男性の友人を指すとき)で、その後長女からAlterを習ったが、同類の様子。
ちなみにaltは「古い、老いた」という形容詞に「er」をつけて、「~な人」という言い方にしている。
ま、つまり「老人」という意味が従来なんだけど、これを同じく男性が男性の友人を指して、「旧友」みたいなニュアンスで使う。
でも、突っ込むときによくいうので、「おまえ!」みたいな感じが多い。

このDiggerも「おめー」とか「てめー」、「てめえ」みたいな言い方や書き方があるという感じで、仲間内で相手を呼ぶときの言葉だそうだ。
ヒップホップ系の歌手などがよく使用し、若者人口に膾炙したらしい。

でも、日本語からすると「で」「が」とか濁音はあまりきれいじゃないし、粗雑、粗暴な感じがする。

日本語では二人称をあまり使わない。
欧州系言語の人は、どうしてもそれを使いたかがって、
「あなたの名前は何ですか」
とかいうけど、「あなた」って呼びかけは失礼になることもあるからね!といつも口を酸っぱくして言っている。

そうすると、
「じゃあ、どうしたらいいんですか!」
とびっくりするので、いや、教科書の会話通り「名前は何ですか」でいいじゃんという。
それで名前が分かったら、「〇〇さんの仕事は何ですか」とか名前を使えばいいんだしね。
それは、欧州系言語との大きな違いなので、学生は最初とても戸惑います。
私たち日本人も最初に英語を学習したとき、「a/The」ってなんだよとか、なんでいちいち「I」とか「You」っていうんだよーと思ったのの、ちょうど反対だ。

日本語で「あなた」というと、詰問してる感じがする。
「ちょっと、あなた、今日はゴミの日じゃないわよ!」
みたいな。
「あなた、一体誰なんですか?!」
とか。
例え敬語と組み合わせて、
「あなたはどちらからいらっしゃったんですか」
と書いても、違和感しかない。

「あんた」「おまえ」「おめえ」なども、家族や仲間内でなら、愛称のように感じるけど(妻の夫の呼びかけ「あなた」も含め)、外で使うと喧嘩腰になるだろう。

「君」も、言い手が偉そうな感じがするので、かなりシチュエーションに影響されるだろう。
私はよく自分の子どもたちを前は「あな(限りなくAが不明瞭な)たたち」と言ってたけど、ここ数年「君たち」となってきた。
別に意図は全くないんだけど。

私的には「あなた様」は神様とかくらいエライ感じ。
「お前様」は物語でしか聞いたことない。
「手前(てまえ)」に至っては、自分のことなのに(番頭さんとかがいうよね!)、「てめえ」になると相手のこと?!とびっくり。
これは、関西の「自分」と似てるのかな。
「ボク、どこから来たの?」と同じか。

多分、相手によって変わる言葉(仲間内言葉)というのは、普遍的じゃない分、そのメンバーにとっては面白いんだろうし、外の人にとっては、よろしく聞こえないんだろうと思う。
長女は注意をすれば、少なくとも家ではそういう言い方をしなくなるので、引き続き様子を見ていくのでよいかと思う。


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