総道コラム 7月
一年の折り返し地点に寄せて
平穏無事だった暮らしが、 昨年来より新型コロナウイルスのパンデミックにより
大きく変わってしまった現今、 皆様はどのように感じ お過ごしでしょうか
コロナ禍によっての自粛生活を強いられている中においても 家族と過ごす時間が
増え 家族との結びつきを再確認できたという方や リモートワークの取り組みや
出勤時間のシフト体制など職場内においての新しいシステムを取り入れるなどに
よって労働環境が改善されたという方もおられます
ただ 一方では 仕事を失くしたり 勤務時間を大幅に減らされ 経済的に苦しんで
いる方も多く 深刻な状況に苦しむ方も多いのが現状です
経済的な被害がそれほど大きくないとしても精神的疲弊は皆様を苦しめていることと
お察しします
そうした苦しい現実において日本道で学びを続けている生徒の皆様は きっと
「学びの意義」を深く感じて下さっているのだと 喜ばしく 見守っております
聖徳太子が制定した「十七条憲法」の中の一文の「和を以て貴しと為す」は 作法
(マナー)の基本としております
意見の違いで対立したり 関係に大きな溝を作ってしまうのではなく その全体が
「和の精神」を持ち とことん話し合い 決めていこうとする「調和」の大切さを伝える
ものです
「調和」とは「バランス」です
例えば 豪華で華やかな服装で着飾っていても 髪を整えていなかったり爪先が汚れていたりしては 印象はかえって悪くなるものです
「調和」はすなわち「品格」をもたらします
人としての「品格」は「学び」を続けていくことで磨かれ 深めていくことで「本物」となるのです
作法を学びたいとお問い合わせをいただくとき 「どれくらい(時間・年数)学んだら
いいですか」と質問を受けることがありますが この「学び」に期日はありません
即ち 一生続けていくものだと 私は想います
皆様は お花を買うとき どこで お買い求めされますか?
ある方は 「産直コーナーで買います」と仰り ある方は「花屋さんで買います」と
仰いました
どちらも正解です
ただ それぞれその場を選ぶ用途と意味(付加価値)が違うのです
産直コーナーでは 求めやすい価格が魅力ですが 売り場で花の名前や花言葉など
ご存知なかったり その場でアレンジメントをお願いできなかったり 何より花の持ちも
あまり期待できません
いっぽう 専門の花屋さんは 価格は産直ほどではないにしても 花の名前や花言葉
も周知された上で 贈り物の相談や花の持ちの良さや水切りなどのアドバイスなどで
満足感をもたらせてくださるものです
これも「花」としての「調和(トータルバランス)」ということを考えさせられる例でしょう
今 大変厳しい時であるからこそ 普段の暮らしの中で「付加価値」という目線を磨いていただきたいのです
今 この時にしか味わえないもの
持って帰ることが出来ないもの
そうした「付加価値」を見出せる人であって欲しいのです
「損」だ「得」だという目線でなく モノの本質を見出せる人でいただきたいと願います
「余裕ができたら 学びたいです」とお聴きすることがあります
そうではなく「学ぶためにどうするか」です
今 手放しても良いものとは何でしょう
手放してはならないものとは何でしょうか
苦しい中においてこそ 「学び」は生き 活かしていけるものだと 一年の折り返し地点で お伝えしておきます
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