膝は霊座(ヒザ)
祝詞を奏上したり、鎮魂して呼吸法を行じたるする際に、両手を合わせて合掌することもあり、両手を左右の膝に置くこともある。
この膝が、神宝となる。
毎朝の朝拝祝詞で、大國魂の神を及び申し上げる際には、両手を左右の膝頭に置く。
大國魂の神は、男神女神二柱に分かれて、大國魂彦の神と大国魂姫の神となるのだが、左の膝が大国魂彦の神の依り代となり、右の膝が大国魂姫の神の依り代となる。
左右の膝に両手を置いて、大国魂彦と姫の神が我が身に降臨なさり、我が身が大国魂の神と化転すると想いつつ、祝詞を奏上する。
人間の肉体は、神の依り代となるように創られている。
膝とは、霊座(ヒザ)である。
霊体・神体は素晴らしいが、肉体は単なる現し身で価値が低いなどと、誤解なさらないことです。
肉体は天地創造力が結集して創られた精妙体です。
肉体は、まさしく神宝なのです。
「霊主体従」という言葉の世界に留まる限り、神道の神髄には迫れません。「霊主体従」をはるかに超えて、神道の心があり、日本人の生き方があると承知していただきたい。