見出し画像

「風が吹けば桶屋が儲かる」に関するもう一つの考察



「風が吹けば桶屋が儲かる」 由来


・・・ある事象が一見すると全く関係のないところにまで巡り巡って影響が及ぶということの喩えである。
由来は江戸時代の「世間学者気質(カタギ)」という書物にて書かれた話だという。
要約すると以下のような流れだ。

風が吹く→砂埃が舞って盲目が増える→目くらは三味線を生業とするから三味線が売れる→三味線には猫の皮が必要だから猫が減る→猫が減るとネズミが増える→桶をかじられる頻度が増える→桶屋が儲かる

まったくこじつけにも程があるだろうと感じただろう。
私もその一人である。

現代版一つ作ってみた


という訳で、風が吹いてから桶屋が儲かるまでの流れを一つ作ってみた。

風が吹く→外出を控える→公園が静かになる→ハトが減る→カラスが増える→よく糞が落ちる→窓が汚れる→雑巾で拭く→桶屋が儲かる

・・・。
あまり変わらないな・・・。本家に引けを取らないくらい強引である。
そもそも現代版と謳っておいてオチが桶なのが既に詰んでいる。今どき桶なんて雨漏りと老舗の銭湯ぐらいでしか使わないだろう。

ラーメンズ「風と桶に関する幾つかの考察」

このことわざに着目したアーティストが他にもいる。
ラーメンズは「風と桶に関する幾つかの考察」として、風と桶の間に起きうる出来事についての代替案をいくつも挙げている。面白いのでぜひご視聴願いたい。

さらにもう一つ、長編作ってみた

悔しいのでもう一つ長編を作ってみる。

風が吹く→砂が舞って白シャツが汚れる→洗濯をして外に干す→突風で飛ばされる→拾ったホームレスがそれを着て出歩く→人の目に触れて流行る→服屋が増える→クリーニング屋が傾いた経営を持ちこたえる→テナントが空かず夢見る若者がラーメン屋を始められない→我慢していた彼女がしびれを切らす→結婚指輪を返品しようとする→刻印してしまったため断られて揉める→騒ぎを聞きつけ向かいのブランドショップから警官が駆けつける→その隙に服が盗まれる→ニュースに白い服を着た指名手配犯が映る→皆白い服を着なくなる→白いシャツが大量に捨てられる→狸が食べて息絶える→車両がそれを避けて対向車とぶつかる→渋滞が出来る→服屋の社員が仕事に間に合わない→上司の期限が悪くなる→嫁の誕生日を忘れる→痴話喧嘩が増える→ママ友をディナーに誘って相談する→話が弾んで終電を逃す→歩いて帰り靴擦れが起きる→ヒールを履かなくなる→電車の吊り革に届かず座席に座るようになる→座れなかった老婆が腰を痛める→病院の予約埋まる→看護師の休みが減る→家で育てていたマーガレットが枯れる→代わりに置く写真立てを買う→雑貨屋の空いた棚に小さな茶器が置かれる→納品を終えた男が公園で休む→ベンチが空いていないためお昼休みのオフィスレディがコンビニに入る→入れ違いで出てきた青年が川で溺れそうな狸を助ける→それを見てデザイナーが狸のロゴを思いつく→Tシャツをなくした女が新発売のロゴTシャツを買う→帰りに夫婦で経営するラーメン屋に寄る→健康啓発のポスターを見て電車の降車駅を一つ早める→席が一つ空いた青年は目の前のお年寄りに席を譲る→心温まった男は帰りにケーキを買って帰る→翌日公園へピクニックに行く→人混みを避けて男の子が風船を手放してしまう→近くにいた警官が木にかかった風船を取ってあげる→汚れた体を洗いに温泉に行く→風でタオルがはだける→桶で隠す→桶屋が儲かる

良くないことが連鎖するが、ある出来事をきっかけにすべてがプラスに傾いていくという点が面白い。つらつら書いておいて最後の一つで済む話だったというのも良いオチ。

人によって幾千ものパターンがあるはず。気が向いたら自分なりのパターンを作ってみるのも面白いだろう。
風が吹いたらなんだかお腹がすいてきた。私もまわりまわって桶屋の売り上げに貢献することになるかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?