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Tea Dunkingを見ながら思い出したこと。

映画「アメリ」の主人公アメリが訪問の際に出されたクッキーを紅茶に浸して食べるシーンに衝撃を覚えた。

欧州人が紅茶とクッキーを食べるときは、硬いクッキーを紅茶に浸して食べる習慣がある。Tea Dunking(ティーダンキング)というらしい。

日本人特有の美徳的観点からすると、飲み物の中に食べ物を入れることはいつ何時でも耐えがたい行為である。
隣に座っている外国人が躊躇なくTea Dunkingをしだしたなら、思わず眉間にしわが寄り不快な気分になることだろう。



しかし私は、実は子供の頃にTea Dunkingの経験があったことを思い出す。


ミルク と オレオ である。


おやつにオレオクッキーが出た日は、オレオ1袋とキンキンに冷えた牛乳をコップ一杯に注ぎ、四角い形をしたピッチャーも隣に常備しておく。

まずはオレオをほおばり、牛乳をあとから口の中で合流させる。その瞬間に水分の一切ないバサバサなものが一気に水分を吸収しながら白と黒が混ざり合う。

口の中でひとしきり楽しんだ後は、牛乳にオレオを浸した。

オレオの凸凹はまるで牛乳の入るために作られたと言っても過言ではない。一方で牛乳の方は、まさかオレオを投入されるとは思ってもみなかったと言わんばかりに黒色の鱗片を表面に浮かせている。

この行為は子どもながらに罪悪感を抱かせた。やはり日本ではそういった行為は下品とみなされてしまうため、親から厳しく怒られる。

しかし、この白と黒のハーモニーは夢のようにおいしく、親に隠れて存分に楽しんだものだ。


海外の文化としてTea Dunkingを見てみると、日本人的感性からの意見として、「そんなことしちゃダメだよ!」と注意したくもなるのだが、

子どもの頃の私が、確かに懐かしさを感じていたのであった。

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