見出し画像

【マーケティングトレースVol.13】株式会社メドレー

こんにちは。

今回は医療ヘルスケア領域で急成長中の「株式会社メドレー」のマーケティングトレースをおこないます。

30歳を迎え、だんだんと健康面を意識する年になってきました。以前は、「食べたいものを食べる!」という気持ちで、ファストフードやラーメンなどを時間帯や栄養素も気にせず食べていましたが、下記の本を読み、健康でいること=ビジネスマンとしての基礎であり、ハイパフォーマンスを出す要因であることに気が付きました。

※この本は本当におすすめなので見てみてください。

健康に気を遣い長生きしていきたいものです。

今後、日本は人口減少に加え若年層の割合が減少していき、高齢化社会を迎えます(すでになっていますがさらに)。
そうなると、高齢者を支える医療分野の発達や新しいイノベーションが欠かせません。しかし、現状は医療現場の疲弊や医療従事者の採用難が叫ばれています。

この状態を解消するための鍵が「医療現場へのテクノロジーの導入」と「医療従者の流動性と働き方改革」です。

株式会社メドレーは、テクノロジーの力で医療ヘルスケア分野の新しい未来を作ろうとしている会社です。

■会社概要

会社名:株式会社メドレー
事業内容:人材プラットフォーム事業、医療プラットフォーム事業
設立:2009年
従業員数:301〜1000
その他:2019年11月に東証マザーズに上場
ミッション:テクノロジーを活用して医療ヘルスケアの未来をつくる

事業ポートフォリオ

画像1


■医療介護福祉の人材採用システム「ジョブメドレー」
■クラウド診療支援システム「CLINICS(クリニクス)」
■オンライン医療事典「MEDLEY」
■介護施設の検索メディア「介護のほんね」

医療介護福祉の人材採用システム「ジョブメドレー」は、全国約17万件の求人を掲載する、日本最大級の医療介護求人サイトです。今就業をしていない医療従事者の復職を支援したり、就職や転職を支援している人材マッチングサービスです。

その他にも診療の予約からカルテの作成までをクラウド上で管理できる「CLINICS(クリニクス)」や、介護施設を検索することができオウンドメディアとしてお役立ち情報を発信している「介護のほんね」などがあります。

それぞれのサービスにおいて、クラウド化/SaaS化を行い、医療ヘルスケア産業に対して新しい価値提供をおこなっています。

■医療業界の市場国内ヘルスケア市場規模

2013年で16兆円とされており、2030年には37兆円まで拡大するといわれています。莫大な市場規模ですよね!

高齢者の増加と共にがんを含めさまざまな病気に関する医療費は拡大すると予想されており、経産省調査によると世界市場も毎年9%以上成長している成長産業になります。


●PEST分析
P(政治):地域医療構想の制度化。ジェネリック医薬品の使用促進。女性医師離職防止・復職支援。
E(経済):予防医療も含め医療にかかわる医療費は増加傾向にある。
S(社会):2025年には、団塊の世代が75歳を超え後期高齢者数が約2,200万人に膨れ上がる(国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上)。医療従事者の慢性的な人手不足(人口1,000人当たりの臨床医師数はG7の中では最低で2.4人しかいない)。長時間勤務やハードワークの常態化により、キャリア形成やワークライフバランスが難しくなり離職が増加。
T(技術):医療業界にテクノロジーを用いたサービスの台頭(医療の高度IT化によるスマートヘルスケア)。AI、5Gによる最先端医療の発展。予防医療の発達で健康寿命100歳の時代。

まとめ:高齢化会社会を迎えるにあたり、政府としても現状の医療現場の改善を行うための手立てをおこなっています。最新技術も登場し、医療現場の発展をおこなう転換期でもありますが、それらの需要にこたえるだけの医療体制が現場で整えられていないのが現状です。

医療現場に看護師が十分に配置されていれば、患者の死亡率も減少するという結果も出ています。このまま医療従事者の減少が続けば、適切な医療を受けることが難しくなるのは目に見えています。

画像6


■株式会社メドレーの状況

そのようななか、上場をはたし事業成長中の株式会社メドレー。どのようにして医療業界を変えていこうとしているのか、どうしてここまで成長をおこなえているのか、その成功要因を分析してみました。

【株式会社メドレーの業績】

画像2

売上高は47億6,500万円(前年比+62.5%)、営業利益は1億5,300万円と急成長中です。

メドレー全体のKPIは、
・顧客事業所数
・ARPU(顧客あたりの売上)

【顧客事業所数】
顧客事業所の数は18.3万件に達し、前年比で+22.8%もの拡大。メドレーが顧客対象としうる事業所(医療、介護、薬局、保育園等)は全国で70.6万件あり、そのうち26%を顧客化していることになります。約3分の1の事業を顧客として抱えているため、全国的な顧客基盤が出来つつあります。

【顧客あたりの売上】
顧客あたりの売上は合計5,889円。そのうち「ジョブメドレー」が5,146円と大半を占めています。

参考:https://strainer.jp/notes/1053

画像3

医療介護福祉の人材採用システム「ジョブメドレー」を主軸に事業拡大を続けており、顧客事業所数、ARPUともに上昇をしております。


■成功要因

◎医療介護福祉の人材採用システム「ジョブメドレー」の成長
①コストリーダーシップ戦略による医療事業者の顧客基盤の早期創出
医療従事者の人材紹介プラットフォームとして、大半をオンラインで完結できるサービスを展開しており、一般的な人材紹介会社と比べて、成果報酬の価格を低単価で提供しています。これにより医療従事者の採用における優位性を確保し、利用する顧客事業者数を一気に拡大させていきました。

また、オンラインでのサポート能力を強化し、ダイレクトリクルーティング機能が積極的な人材採用を進めたい顧客ニーズと合致して、医療機関の人材採用に大きく貢献をしています。

スクリーンショット 2020-04-01 17.18.22

コストリーダーシップ戦略をとると競合が出てきた際に、値下げ勝負に追い込まれて疲弊することもよくありますが、それ以上にサービスの優位性も同時に担保しているのが、メドレーの素晴らしいところだと思います。(簡単に言えば、安くて質が高い人材プラットフォーム)

②競合の少ない領域に進出。ミドル・テール領域のトップシェアを獲得
医師、看護師の人材紹介会社は多く、すでにシェアを取られている分野です。その分野も対応しつつ、ケアマネージャーや看護助手、生活相談員など、ミドル・テール領域の人材紹介領域もサービス対象とすることで、幅広い医療事業者を獲得することができています。

スクリーンショット 2020-04-01 17.22.45


◎上記の顧客基盤を生かした新規事業の開発。積極的な投資。
③上記の顧客基盤を生かし、医療プラットフォーム事業であるクラウド型の医療システムを開発しています。「CLINICS(クリニクス)」や「MEDLEY」などがそこにあたり、全社横断顧客管理システムにより、クロスセルを積極的におこない利用医療機関数を伸ばしています。

画像8

投資にあたっては、黒字化事業の黒字分を新規事業開発に合ってて積極的な人材投資やシステム開発を行っています。その結果、2019年の決算書によると自己資本比率が24.22%と若干少ないのかな、という数字になっています。

画像7

医療プラットフォームや新規開発サービスに関しては積極的な投資をおこ案っているため、-の営業損益となっています。


■自分がCMOなら

〇医療従事者の教育をテクノロジーでサポート(新規事業の開発、ARPUの最大化)
医療現場では人材のリスキリング(再訓練)やスキルアップが常に求められています。しかし、医療現場での教育体制もそうですし、そもそもスキルアップをするための時間もなかなか取れないといった課題もあります。
例えば、eラーニングでの医療関連の教育プログラムやVR訓練の開発です。
隙間時間に学べるプログラム構築して、新しい医療に関する知識や技術などを提供します。


〇地方の医療機関への広報活動(顧客事業者数の拡大)
都市部や大きな大学病院などでは積極的なIT活用が進められています。しかし、町の中にある診療所などは医療従事者自身が高齢の方も少なくないため、ITの導入が遅れています(情報感度も高くない)。そこに対して、セミナーの開催や、広告展開、医療従事者からの紹介をしてもらえる営業ないしは仕組みを構築することが重要になります。
地方こそ医療従事者不足になげている医療機関が多いため、よりメドレーの事業内容を知ってもらう活動が必要になりそうです。



以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?