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初めて参加した「ハセツネ」


ランニングを始めて12年、ついにあの「ハセツネ」が「自分事」になってしまった。

どうにかこうにかゴールした「ハセツネ」、数日経ってもまだ信じられないような気持ちもあり、今回はマグレだったんじゃないか、もう一回くらい完走しないと証明にならないんじゃないか、そんな思いすら胸の中にちょこんとつっかえている。備忘録のために今回の濃い2日間を記しておこうと思う。

念のため「ハセツネ」というのは「日本山岳耐久レース〜長谷川恒男CUP」の略だ。毎年10月「スポーツの日」を含む連休に開催される。武蔵五日市を起点に奥多摩の山々を越える71.5kmを24時間以内に踏破するトレイル大会。トップ選手は男子で7時間台、女子でも8時間台で走破する(2023年の記録)。

ちなみに4月に行われる「ハセツネ30K」という大会もあるが、こちらは「長谷川恒男CUP」の入門大会のような位置付けらしい。

今回ハセツネにエントリーした経緯として、昨年リタイアに終わったFunTrails Roundみなの50Kを今年5月に転倒負傷しながらどうにか完走、次は70km程度のトレイルに挑戦したいとリハビリ中に奮起、ふるさと納税枠でエントリー。宿泊無し(徹夜はするけど)で参加できるので都合よいと思ったが、とうとう出る日が来るとは…。

前もって試走したのは結局、御岳山〜金比羅尾根の終盤区間と、都民の森〜三頭山の親子ハイキングのみ(それはそれで役には立った)。夏の終わりに貧血再発、大会2週前まさかのインフル罹患🤒体調面、体力面に不安が残る。それでも大会当日は体調も悪くなく、涼しく良コンディション。雨マークあるけどどうにかなるでしょ。前向きに武蔵五日市へ向かう。

スタート整列はITRAパフォーマンスインデックス(PI)順。自分は過去2大会(FunTrails Round秩父奥武蔵30K、FunTrails Roundみなの50K。トレイルデビューはFunTrailsにお世話になっている)で4ポイントのトレイル初級者、PI367。ゼッケンの色に従い並んでみる。ラン友Oさん、Kさんに会えた。アフロの福田六花さんの開会式アナウンス🎤👩‍🦱テンション上がってくる。あきる野市長の挨拶。昨年の優勝杯返還。高村貴子さんだ!選手宣誓も彼女。連覇狙う意気込みと緊張で声が震えている。医師でありトップクラスのトレイル選手でもある彼女は本当に凄いと思う。続いてFunTrails代表の奥宮俊佑さん、今日は選手として参戦、ステージで爽やかに盛り上げ隊。「短い。もっと喋って!」と六花さんのツッコミ(笑)楽しいパフォーマンスで高揚とリラックスの程よいバランスの中、スタート前を過ごす事ができた。

標高200m未満の会場からスタート。先ずはロードを走る。登山用の大きなザックをユサユサ揺らしながら走る方、なんとポケットにネギが刺してあった。途中で焼き肉するのだとか。余裕だなぁ。いろんなタイプの方がいて面白い。

最初のトレイル区間で早速渋滞。一気に道が狭くなるから仕方ない。渋滞の話は有名なので焦らず、歩きながらボリボリお菓子を食べた。最初の数キロは止まったり歩いたりの繰り返し。これなら疲れずに済むかも(笑)

が、やがて流れ始める。登りも皆さん結構いいペースで自分は早くも心臓バクバク、心拍150-160。ちょっとハイペースだけど、自分の後ろに渋滞できるのが嫌で前の人に必死に着いて行く。平地や下りにかかると皆さん一斉に走り出す。転ばないよう注意しながら自分も走る。早速太腿を酷使しているなぁ。ちょっと突っ込み過ぎかも。まぁいいか。行けるところまで行こう。オーバーペース気味なままジワジワ標高を上げて7km入山峠(600m)と15km醍醐丸(867m)の予備関門2つを時間に余裕を持って通過。霧雨で冷えてきたのでカッパを着ることにした。

17時過ぎくらいからみるみる登山道が暗くなりヘッドライトをつけ始める人も。自分も装着。いよいよ夜間走かぁ。夜が明ける頃、自分はどこにいるだろう。覚悟を決めて夜間モード突入。コースもずっと登り基調。太腿がギシギシする。最高地点の三頭山までひたすら耐えなきゃ。

そろそろラン友(山友でもある)Mさんがボランティアされてる生藤山(990m)かな、と思ったら蛍光ピンクのビブス姿のMさんがいた!立ち寄ったKさんの姿も。とりあえずここまで辿り着けた。既に疲れたけど、ここからが今回の本当の勝負!まだ気持ちだけは余裕もあり、元気に20km地点を出発した。

第1関門の22km浅間峠に18時過ぎに到着。関門は22時だからかなり余裕あり少し安堵。トイレこちらになります、と案内された先には長蛇の列。60人待ちくらいです、と言われて怯んだけど、次は三頭山までトイレが無い。とりあえず並ぶ。「トップは大岳山(55km地点)着いたそうです!」ボランティアの人が叫び、エェーッ!響めきが起こる。ほんとビックリ(後で優勝タイム見たら7時間20分)。三頭山で食べるつもりのアルファ米ドライカレーに水を注いだり、お菓子を食べたりして30分くらい待ってようやく用を足せた。トイレはテントの中に箱が置いてありゴミ袋を被せただけの簡易トイレで座る事はできず、中腰で用を足しながら太腿がプルプルした(笑)一人一人テントの中に入って用を足して渡された凝固剤をかけて、時々ボランティアの方がゴミ袋を回収するのだ。大変な作業、本当に頭が下がります。

浅間峠を19時前に出発。ここからトレッキングポールが使えるので、腕と脚を使いながら登って行く。このペースなら後半は下り基調だから21時間、いやひょっとして20時間切れちゃう?など調子に乗るも、その後の急登続きで傲った気持ちは木っ端微塵に打ち砕かれる。三頭山までの10k強、870mから1500m超までひたすら標高を上げながら進む。ヘッドライトが照らす吐く息が白い。かなり気温も下がってきてそう。トイレ待ちで冷えてしまい、寒気が治らないのでカッパの下にアームカバーを装着した。霧雨はずっと降り続いている。

だんだん、時々休まないと登り続けることが出来なくなってきた。やはり序盤のオーバーペースが祟ってきた。直ぐに後ろに人に着かれ、スペースある所で避けては先に行ってもらう。止まりながら給水や塩分サプリ、お菓子で補給。ドライカレーはそろそろできてるかな。三頭山に着いたら食べよう。娘にLINEでメッセージもしよう。

はぁ。ため息出るような急登の繰り返し。1500mまで行くんだからそりゃ登るよね。更に寒くなる。標高も上がるし夜も更けるしこの先、気温降下の要素しかない。更に着込むべきか?迷いながらとりあえず三頭山を目指す。

浅間峠から3時間くらい登っただろうか、「ここから歩行区間」の印を見つける。35km辺りか。もうすぐ三頭山(1527m)だ。三頭山界隈は秩父多摩甲斐国立公園の特別保護区間ということで大会規則でエリート選手以外は歩行を義務付けられている。どのみち歩くから全く問題ないのだけど。大きな石の重なる登山道を上り詰めて、こないだワカメさんと来た三頭山避難小屋が見えた!ズラリとベンチに座って休む人々。自分は山頂まで行ってドライカレーを食べよう。あと一息、三頭山西峰まで木段を上り詰める。

22時半頃、三頭山西峰に到着。ベンチに座ってドライカレーを取り出す。スプーンで混ぜようとしたら、固っ!考えてみれば水で戻しながら低気温のなか持ち歩いてたもんね。半解凍みたいに固い。失敗〜。キャンプ場でお湯沸かして戻せばホクホクに出来るけど、水じゃね。仕方ないので固いご飯をモグモグ噛んで流し込む。美味しくないなぁ。でもカロリー取らないと。頑張って半分くらい食べた。立ち上がるとブルブルッと震えた。動いたらまた温まるかな。とりあえず最高地点の三頭山まで来たんだ!あとは下るだけ…。

予報では夜間の奥多摩の気温は10℃以下。下界は9月末まで30℃近い残暑が続いたので山の上がどれだけ寒いか想像が追い付かず、思った以上に凍えた。ガタガタ震えが来るので、次のベンチでカッパの下にシェルジャケットを着た。ホッカイロを探してザックの中身も全部ひっくり返したけど忘れてしまったようだ。

三頭山(1527m)から第2関門42km月夜見第2駐車場(1140m)までは時々上り返しながらもどんどん標高を下げる。まだこの先、御前山(1405m)と大岳山(1266m)があるよなぁ。なのに下るってことはまだまだ上り返しがあるってことだよなぁ(ゲンナリ)。

下りの振動で内臓が揺れるからか、だんだん胃がムカムカしてきた。三頭山まではそこそこ食欲あったけど冷飯を無理やり流し込んで逆に消化不良起こしてるか?どんどん吐き気に変わり、何かの拍子に登山道にオエッとしてしまいそうだった。吐くのはマズい。エネルギー摂れなくなったらレースを続けるのが難しくなる。この辺りからリタイアもよぎる。いや制限時間には余裕あるから進もう。でも自力で動けなくなったら?止めるなら次の月夜見がチャンスでは?葛藤しながらの第2関門までがとても長く感じた。

第2関門42km月夜見第2駐車場に0:47到着、関門の4:00まで3時間ちょっとの余裕度。浅間峠より余裕度が削られてしまった。ここで唯一、大会オフィシャルの給水1.5Lを受け取ることができる。500mlのペットボトル水かポカリを計3本もらえる。組み合わせは自由。水2本とポカリ1本をもらい、フラスクとハイドレに注ぐ。水が少し余ったので、手の泥を落として顔を洗った。手持ちの補給食も減ってきて、後半のガス欠が心配になってきた。ポカリ2本もらった方がよかったかな。吐き気はまだあったけど、「冷ドライカレー」が少し消化されてきたのか、悪化はしなさそう。1個100kcalの「エネ餅」を持っていたので2口ほど齧った。トイレも空いていたので寄った。7時間以上稼働し続けたヘッドライトを交換。この大会のためにバッテリー持続8時間という同じモデルのヘッドライトを色違いで2個買った。仕様も全く同じ方が操作しやすいと思ったから。さて、とりあえず進むしかない。ボランティアの方々に見送られ、月夜見エイドを出発した。

真っ暗な登山道をヘッドライトだけを頼りに進む。ペースも落ちてるので、常に誰かが後ろから追いついてくれ、夜道が怖いと思う瞬間は今回は殆どなかった。時々、木に寄りかかって休んでいる人が突然視界に入ってギョッとした。皆さんレインジャケットにすっぽり包まって休んでいた。ちょっと休むと回復するのかもしれないけど、自分は時間が気になり、時々立ち止まりながらも基本は進み続けた。

ふとガーミンの心拍数を見たら、上りでハァハァしてるのに心拍数が低い事に気付く。もしかして体温が下がっている?体感的な苦しさに反して脈が少ないって何か変。低体温の予兆?もう着る物も無いんだけどまずいな。まだカッパの下を履いて無かったことに気付く。次のベンチでシューズを脱ぎ、カッパのズボンを履いた。一旦外していたアームカバーも付けた。これで持てる防寒着は全て身に付けた。後はエマージェンシーシートだけ。まぁこれで動いていればどうにかなるだろう。動き始めたら心拍数が上がってきた。

コースは一旦1050mくらいまで下がって、再び1405mの御前山まで上る。こちら側の山々はハイキングでも人気のはず。時々木段も整備されている。しかし長い。先を行く人々のヘッドライトがはるか上の方に見えて、まだ上りか、とゲンナリする。もうトレイル大会はしばらくいいや、とか思う。

どれくらい時間が経ったか、上の方から「ごぜんやまぁ〜!ごぜんやまぁ〜!ここは御前山です!」とても威勢の良いボランティアの方の声が聞こえてきた。「ごぜんやまぁ〜!ごぜんやまぁ〜!」辿り着くまでずーっと叫び続けてくれるので、わぁ御前山に着いたんだ、と安堵感。「ここで一旦、長い上りは終わりです!長い長い上り、お疲れ様でした!後は下りです!気をつけて下ってください!」
真っ暗な雨のトレイル、ボランティアの方々の駐在場所はオアシスみたいなもの。給水も1回、給食は無し、味気ない大会だなぁと最初は思ったけどとんでもない。威勢のよい声援、何よりも元気が出るエイドだと思った。

時は既に午前3時過ぎ。あとは一旦下って最後に大岳山の登りが待っているが、コース内唯一の岩場と聞いている。岩場は好き嫌いあるけど、きっと気分転換になると思って気持ち的には少し楽になってきた。

御前山は春にカタクリの花で有名らしく「奥多摩都民の森」として木段が整備されている。昼間はハイカーで賑わうのだろうな。雨の中深夜に歩く場所では無いね。急な木段を下っていると、女性が一人、道を塞ぐように倒れていた。「具合の悪い方がいるので気をつけてお通り下さい!」選手マーシャルの人が声を張り上げていた。気になって見たら倒れた女性は白い顔をして虚な目をしていた。援助が来たら背負われるのだろうか?寒さの中、寝ずに長時間行動、一歩間違えたら自分もリスクある。身が引き締まる思いがした。気掛かりだったが、前に進む。

御前山からずっと下って鋸山(1105m)手前の大ダワに着いた。「リタイア受付」のテントが見える。時刻は4時半過ぎ。あと1時間程で夜明けかな。明るくなれば何とかなるだろう。エネ餅を2口齧ってトイレに寄って出発。

大岳山へ向かう途中で空の色が変わってきた。雨だけど夜明けが近付いてるのが分かる。少し元気が出てきた。太陽のエネルギーって凄い。6時頃にはヘッドライト無しで先まで見渡せるようになった。大岳山への上りが始まる。鎖場も何箇所かある。ストックが邪魔だけど、ゆっくり慎重に通過する。

6時20分、55km大岳山(1266m)山頂に到着。ここは伊之助の出身地だよなと思う(笑)ワカメさんと鬼滅聖地巡りで大岳山も来たいと思っていたが、この岩ゴツゴツは嫌がるかな。楽しいんだけどね。下りも岩がゴツゴツでポールが邪魔だったけど慎重に通過。このペースなら最終関門に8:00までに着くかな。とにかくハイキングペースで黙々と進もう。この辺りからゴールを意識して気合いを入れ直す。

第3関門58km御岳山長尾平に7:40頃到着。関門まで2時間以上ある。トイレに立ち寄る。残ったエネ餅を齧る。後半は殆ど食べてない。ガス欠が心配だったが、ポカリと水と塩分サプリでどうにか行動できていた。御岳山の参道に数軒ある民宿や売店からお出汁の匂いがした気がした。温かいお蕎麦が食べたいなぁ。寄りたいな。でも早朝でお店は閉まっていた。匂いは錯覚かな?

ここからゴールまでは夏に試走している。あと13km。長いっちゃ長いけど、5時間あれば間に合うだろう。進みさえすればゴール!完走は完走!身体はボロボロだったけど、気持ちは揚々としてきた。日の出山まで少しの上り返し。身体を引っ張り上げるように登る。

日の出山を越えてラスト10kmの金比羅尾根。何連覇もしている高村貴子さんも何かのインタビューで「金比羅尾根を攻略したい」と話していた。ほぼなだらかで難コースはないけど、あと少しと思ってからが長い。一晩中の雨で登山道は泥水が延々と流れている。トップ選手達が通過する頃はまだここまで悪路じゃなかったのかな?所々の泥濘でどうにも立てずに何度か転んで泥まみれになる。靴の中で泥水がチャプチャプ音を立てた。はぁ〜あ!状況にイライラする。これ天気よかったらどうってことない道なはずだけど。後ろからドタドタっと駆け降りてくる足音がする度に避けて先に行ってもらう。こんな泥濘をしかも終盤に元気よく駆け降りて行く人の身体はどんな構造になってるのか。前半よほどセーブしてたのか、下りが得意なのか。ポールも使わず、転ぶこともなく駆け降りていく人を茫然と眺めながら、自分は自分のペースで、足元に注意を戻して一歩一歩下りる。

65km地点の表示板。あと6kmか。トレイルって1キロ1キロがすごく長い。ロードの感覚でいると気が遠くなる。道はず〜っと泥水。もう早く早く〜!

登山道に林道のような舗装道が混じるようになってきた。そろそろ終わりか?ボランティアの方々が見えた。「あと1800m!」と言われ、よし最後は走ろう、とスイッチが入る。急な下り坂で爪が靴先に食い込み激痛がしたが、ロードを走らない手は無い。ポール2本を片手で持って後は走った。ずーっと下って住宅地が見えてきて「あと600mです」とスタッフの掛け声。五日市中学校が見えてきた。ずっとずっと歩き倒してきたけど、ラストだけあたかもずっと走って来ましたみたいな顔をして走った(笑)わ、もうゴール?慌ててカッパの帽子を脱ぐ(オルスポ意識w)。両手上げてポール振りかざしてバンザーイ!ハセツネ、ゴールしてしまった!ゴールタイム21時間45分台。

直ぐに椅子を案内され、スタッフの女性がシューズの計測チップを取ってくれた。泥々のシューズ。チップも泥まみれ。別のスタッフにチップを渡すように言われた。泥まみれのチップを笑顔で受け取ってくれる女性。尊いボランティアの方々。雨で濡れて手にも泥が付いてるので完走証を完走シャツの袋に入れて渡してくれる気配り。全てに感動。

ふと「おぉ〜ニイハオさん!」と声がして、何とMさん。えっ、今朝もボランティア?夜中もリタイア者に付き添って下山したり、殆ど寝ずに合計45時間ボランティア活動されてたと後で知る。温かい味噌汁を手渡してもらう。さっきのお出汁の匂いだ。お揚げとネギが入っている。こういうのを飲みたかった。五臓六腑に染み渡るとはこの事。「どうにかゴールできました」と伝え、放心状態のまま味噌汁を啜りながらお礼もそこそこに更衣室に向かってしまった。

こんな泥水祭りの後では更衣室の床もさぞかし泥まみれだろうと思いきや、床は綺麗だった。21時間を過ぎてのゴールなのでかなりの荷物が撤収されていた。皆さん早いのね〜!凄い!

頭が働かず、ノロノロと時間かけて着替えを済ませて帰路に着く。なんと、ここまで転倒はしても致命的なケガはせずに無事に戻ってこれたのに、最後の最後にマンホールの上でツルンと滑って気づいたらドーン!と尾てい骨を地面に打ち付けていた。大変ショック!あれだけ尾てい骨を打たないように慎重に、トレッキングポールも新調して駆使して下ってゴールしたのに、最後に結局、尾てい骨を打ってしまった。FunTrailsの二の舞。ジンジン痛みが残る中「もうほんとバカとしか言いようがない」とブツブツ呟きながら歩いていたら小学生の男の子にチラッと見られた(笑)無事に帰宅するまでがゴール!最後の最後まで気を抜けない。帰りの電車も長く感じた。帰宅して直ぐに尾てい骨を保冷剤で冷やし始め、どうにか今回は悪化せずに快方に向かわせることができそう。どのみち手足筋肉痛でしばらくは動けないから一緒に治そう。

そんなこんなで反省点は今回もいろいろ。主には、まず補給食。スポーツ系サプリは苦手、今回はお菓子とアルファ米にしたが、やはり長時間筋肉を酷使する耐久レースでは回復系成分入りのスポーツ系補給食は欠かせない。一口二口齧るだけで頭がシャキッとしたエネ餅がそれを物語っていた。次は大人しくエネ餅やスポーツ羊羹も携帯しよう。クエン酸サプリを切らしていた事に前日に気付いたのも迂闊だった。あれだけ前からハセツネ、ハセツネと大騒ぎしで大枚はたいてギアを揃えたりしても、当日に肝心な補給対策で抜け漏れがあった。それから防寒対策。今回はギリギリ耐えられたけど、あれ以上気温が下がったらヤバかったかも。「山と道」のカッパは高性能で雨に20時間近く当たっても大丈夫ではあったけど保温機能が無いので、標高差もあり気温差があるレースではゴアテックス素材の雨具にするべきだったかも。何か考えなくちゃ。あとはカイロ。確かに荷物に入れたと思ったのに入ってなかった。この季節は必携品と思わなきゃ。

どうにかこうにか71.5kmを踏破して、なぜこんなにキツいのに、なぜ人気な大会なのか分かるような気がした。もうお腹いっぱいと思ったけど、次はもう少しクレバーなレースができるかもしれない。天気がよければ少しは快適かもしれない。星が見えるかもしれない。などなど、既に次はいつ出られるかなと考え始めている自分がいる。とりあえず、今度は昼間にハイキングで同じコースを分割して歩いてみたい。次のチャンスが来るまでチャレンジの気持ちを温めながら…。

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