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短編小説

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#ハピバレ2015

バレンタイン前日

私には娘がいる。

もうすぐ高2だ。

妻は現在、海外出張している。

妻も娘もとても可愛い。

二人とも多少、元気が良すぎるが…

その二人がバレンタインが近づくにつれ、様子がおかしくなっていた。

娘はまるでアスリートのような顔になり、妻は電話を掛ける度にテンションが上がっていった。

異様な空気に我が家は包まれていた。

私は意を決して娘に聞いてみる。

「明日はバレンタインだよね?誰かに渡

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バレンタイン

蹴りたい背中があった。

こっち向けって。

私を見てって。

そう言うと絶対「見てるじゃん」って言うと思う。

そうじゃないって。

そういう見るではないでしょ。

仲良いとは違うベクトルを理解しろよ。

まぁ無理か…

ならば仕方ない

やってやる

今日でなくては出来ないこと

笑われてもいい、伝説になってやる!

隣のクラスに入る

見つけた

無防備な背中

余裕だ

一気に走る

踏み

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