【短編小説】ホワイトデーに欲しいもの
段々と暖かくなってきて、桜も芽吹き始めた。
もうすぐホワイトデーになる。あいつは何を喜ぶのだろう...。
俺はバレンタインに幼馴染の友紀からチョコをもらった。
もらったからにはお返しをしなくては。
そう思っているのに、一向に決まらない。
― またチョコもらえなかったのか~?そんなかわいそうな君にプレゼントしてやろう~! —
どうせ友チョコだろう、と軽く考えていたが、お返しは真面目にした方が良いだろう。
...でも有紀は何をもらったら嬉しいんだろう。
堂々巡りだ。どうしよう。
悩んでもしょうがない。恥ずかしいが、本人に聞きに行こう。
♥ ♥ ♥
「なあ友紀」
「うん?」
「バレンタインのお返し、なにがいい?」
「え~、なんでもいいよ~」
「それがわからないんだよ、頼む、教えてくれ!」
「ん~、じゃあ...」
♥チュッ♥
「は、え、え?」
「私がなんでチョコあげたと思う?」
「...」
「はい、何か言う事~」
「...俺と、付き合ってください...」
「私でよければ、喜んで。」
♥ ♥ ♥
唐突にすることになった告白の後は1人にしてくれた。
確かに、俺はずっと友紀のことが好きだった。
もしかしてこれは夢なのか、と思い頬をつねると痛かった。
急に幸せがこみ上げてくる。
この幸せが、いつまでも続くことを祈ろう。
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