ラスアスのキャスリンはいいキャラだったと思うんだということ(ネタバレ)

 オリジナルのキャラクターというものの扱いは難しいです。昔のアニメなんかはめちゃくちゃ自由にやっていて、違いすぎんか? みたいなのも結構ありました。エクセルサーガとか、違い過ぎて笑う。

 私個人としてはメディアミックスには一定のオリジナルへのリスペクトが必要だと思うのですが、同時に原作を消費するだけで映像作品特有の落とし込みみたいなものがないなら、やってもなあと思うのです。ただの刺抜きみたいなのも好みではない。(ぼざろのアニメとか。評判がいいのでなかなか言えるときがないのですが私はもうちょっと棘と距離感を保って欲しかった)
 そういう意味ではラスアスはすごくいいなと思っていて。いやまあゲームをやってないのでじゃあ前の話全然意味ないじゃんと言われてもしゃあないのですが、ラスアスのドラマが凄くよかった。特に三話がよかった……というのはまあ今はいいとして、今は四話、五話に登場したキャスリンについて書いていきたいのです。

 このキャスリンは原作にはいない? キャラクターらしく、同じ役割を担っていたキャラクターというのもどうやらいないらしい。というか、この辺りのエピソードで重要なのはヘンリーとサムの二人であり、それはドラマでも同じなのですが、同じぐらいキャスリンも重要なのかなと思うのです。

 このエントリを書こうと思ったのは、なんだかあんまりキャスリンが評価されていないというか、出す意味なかったとか掘り下げられていないとかえらい書かれようだったので、私は好きだよ! という。そんな感じ。

 右腕の髭おじさんと寝室で話してるところとかよかったじゃないですか? キャスリンの兄は偉大で誰からも愛されていたけれど、軍の抑圧をはねのけ、革命を成したのはキャスリンの復讐心だった……という。キャスリン自身もそこを自覚しているし、髭おじさんもキャスリンの判断に疑問を持つことはあっても、信頼しているから結局従う。偉大な男の妹だからではなく、キャスリン自身にパワーがあったから従っているのです。それが面白かった。海外ドラマだとこういう、戦犯なやらかしをしてしまう女性指導者みたいなキャラは、たまに出てくる(……ような気がする)のですが、キャスリンはそれだけに終わってなかったと思います。

 復讐心があるからこそ革命に成功し、成功した後は復讐心のせいでヘンリーに固執し、最後の大襲撃に繋がってしまう。復讐心に足を掬われる。髭おじさんが自分を犠牲にしてでもキャスリンを逃がそうとしても、キャスリンは復讐を選び、そのせいで殺されてしまうという。そういう流れがよかった。ヘンリーとサムの顛末もそうですが、反乱軍のほうも大概救われない話運びだったなあと思います。

 なんでキャスリンは魅力的なキャラだったんだよ! という。そう思ってくれる人がもっといたらなあと思うのです。

 

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