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#unity1week で作ってきたゲームを全部振り返る

こんばんは!
Unityゲーム開発者ギルド Advent Calendar 2020の20日目の記事です。

Unity一週間ゲームジャム、次回はいよいよ明日からスタートですね!
僕は第3回目から度々参加していて、合計11作品を作ってきました。
個別の振り返り記事はいくつか書いていますが、せっかくなのでこの機会に全作品を振り返ってみようと思います。


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■al cielo

生命に誅するその咎を
亡骸と共に積み上げる。

天の光に届くように。


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お題は『積む』
多分「アル・シエロ」と読みます。
最初にunityroom & unity1weekに投稿したゲームです。

お題からゲームを考えやすく、早い段階で「敵の残骸を積み上げて登るゲームにしよう!」と決まりました。

スクリーンショット 2020-12-18 3.50.33

残骸表現と相性がいいのはメカ系か虫系だと考えて、メカは難しそうだったので虫を選択。
その結果雰囲気がやたらとダークな感じに…。

こんなに短い期間で締め切りを決めてゲームを作ること自体初めてだったのにも関わらず、システムを1から組み、グラフィックからサウンドまで全ての素材を自作し、ギリギリ締め切りに間に合わせて投稿できました。奇跡か?

スクリーンショット 2020-12-18 3.46.01

この時から雰囲気・世界観に力を入れていたり、謎のポエムを書いたりしていますね。
ぶっちゃけ投稿する時結構恥ずかしかったのですが、コメントで雰囲気を褒めてもらえたので吹っ切れました。
軽率にポエムを実装していこう!!!

■異常性『タナバタ』

8月24日、新央都内朝汐市内の三番通り商店街にて潜在的な異常性を検出しました。
局員は異常性の調査を行ってください。


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お題は『夏』
前回はお題が動詞だったのでそこからシステムを考えましたが、『夏』はあくまで舞台に過ぎないのでシステムを考えるのにやたら苦労しました。
その為、今まで作った中で一番よく分からない内容の問題作に…。

スクリーンショット 2020-12-18 5.15.33

世界観はぶっちゃけSCP
丁度、SCP-1000-JP辺りを読んでいた気がします。
夏…と言うと楽しげだったり明るかったりキラキラギラギラしたものを想像しますが、前回のノリを引き継いで深みのあるものを目指しました。
ダーク方面で夏と相性が良いのは怪談、オカルト、ホラーなどですね。

一応システムの説明をしておくと、実体の見えない『異常性』を右クリックのライト照射で炙り出し、左クリックの銃で倒すというものです。
異常性を倒すと『異常値』が下がりますが、ライト照射をしている間は異常値が溜まってしまいゲームオーバーになるので、なるべく使いすぎないように気を付けながら異常値を0にすることが目的です。
(説明する必要がある時点で色々と至らないんだな…)

異常値を0にするとクリア…と思いきや予期せぬ自体が発生し、起こった現象とテキストから異常性の本来の性質が判明する要素を入れてみました。
設定考えるのに時間使いすぎてゲーム部分が疎かになってしまった分かりやすい例ですが、Twitterで「雰囲気一番好き」的な意見を見かけて嬉しくなりました。

■第七聖戦は彼の翼で幕を下ろした

流れゆく生命にその身を委ね、天界を目指してください。

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お題は『フロー』
flow(流れ)から「生命の流れに乗って天界を目指す」ストーリーを連想し、心理学のフロー状態(いわゆるゾーン)から敵が接近した時のスローモーション演出を取り入れました。

タイトルと説明文でなんか壮大っぽいことを言いつつ、実際のゲーム内容はかなりシンプルで要素が少ない…。
最初はボスとの戦闘も考えてましたが、アイデアがまとまるのが遅くて作業時間が短かった上に、イラストと演出と音楽に時間を使いすぎてゲームがスカスカになっちゃいました。まぁ絵描くの楽しかったし良いか〜。

■PUCKS

DO HiT!!!!!

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お題は『当てる』
久々にお題が動詞!
とにかく当てるのが楽しくて嬉しくて気持ち良いゲームを目指しました。
壁やゴールに当たった時の手応えにこだわった分、モデルやエフェクトはUnity標準の物だけでやりくりしてます。
手応えの気持ちよさはまぁよくできた方ですが、ルールとステージの設計が甘いのでゲーム的な面白さは十分に出せなかったなぁという感じです。レベルデザイン大事!
それでもリアクションの気持ちよさが分かりやすいからか、それまでで一番評価を貰えました。

地味に気に入っているのがBGMです。
ゲーム中のノリノリなBGMは過去に作ったものを引っ張り出してきて、タイトル画面はそれをアレンジしました。
予兆を感じさせる静けさの中にゲームBGMに使われているフレーズを少し混ぜることで、タイトルからゲーム開始の流れをいい感じにしてます。いい感じですよね?

■リハルシャレンの墓守

英雄リハルシャレン ここに眠る

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お題は『10』
何らかの転換期…だったと思う。

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今までやっていなかった表現に挑戦しよう!と考え、思い切って白黒ドット絵に手を出してみました。
気の向くままにタイトルロゴを作りキービジュアル的なものを描き、気が付いたら血反吐を吐く思いで作ってました。なんで?
なんかめっちゃ頑張ってた気がするけどわかんない。
何に駆られていたんだ僕は…。

製作中のことは正直あんまり覚えていないんですが、とにかく世界観や設定に固執していた気がします。
墓の十字架のデザインを使い回したくなかったからどんな種類の十字架があるのかを調べたり、ボスは鹿の骨格を見ながらデザイン考えたりはしてました。
そしてこの頃から、締切に間に合わせるよりも自分が満足できるクオリティまで作り込む癖が身に付いてしまう…。

■enlace

心を以って躰を繋ぐ。
生命と亡骸を糾うように。

抗いは、禊にも似ていた。


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お題は『つながる』
多分「エンラセ」と読みます。第一作の『al cielo』と同じ世界観です。

これも…よくわかんない方のゲームになりましたね。
同じ世界観で違う物語を描くのに挑戦しつつ、お題がエモい系なので少し情緒ある雰囲気を出したかったやつです。
前回が舞台は設定したもののストーリー性が薄かったので、今回はボス戦演出でストーリーを表現したり、ゲームオーバーのパターンを2つ用意したりしました。
ただ、肝心のゲームシステムを上手く伝えられなかったのでストーリーもよく分からず、エモいはずの展開が活きていないのが明確な反省点です。
前回ほど力入れられなかったのは…確かお仕事がヤバかったから。

■バルシュアトの生命接ぎ

お題は『あつめる』
『リハルシャレンの墓守』と同じ世界観です。
目標は「前作(リハルシャレンの墓守)を超える」

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死んでいった人々の生命を集めて強大な敵に挑む…という、ベタベタなエモの化身みたいなテーマです。
前作はドット絵表現の模索に時間が掛かってしまい演出をしっかりと入れられませんでしたが、今回は表現もベース世界観も決まっていたので結構サクサク進みました。それでも何故かまた血反吐を吐いていた気がしますが…。
前作は画面の動きが少なかったので、多重スクロールでボスの周囲を飛び回るシチュエーションにしてみました。
そう多重スクロール!とにかく多重スクロールをやりたかった!
サンダーフォースⅣの背景は芸術だと思います。

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前作よりも短い製作期間で、前作より絵作りも演出も大幅にパワーアップできたので満足です。
総合ランキングは発表時点で4位、その後の変動で最高2位まで登り詰めました。
コメントもすごくたくさん貰えたので「あれっ、もしかして僕そこそこすごいのでは…?」とここでようやくちょっとした自信を得ました。
(でも一位があのRECで「勝てねぇよ……」ってなりました。リリース楽しみです)


■星見のしるべ

ほら、望遠鏡を覗いてみて。

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お題は『さがす』
何かとシリアスなゲームばかり作ってきたので、ほのぼのと癒やされるような優しいゲームを目指しました。

……と言いつつ、実は最初の構想ではSF・ホラー要素を入れる予定がありました。
星を観測していると空の裂け目を見つけて、その先には地球が見えるとか…
天文台を出るとそこは廃退した世界だったとか…
星を見るほどにガイド役のお姉さんがどんどん壊れていくとか…

ネタは色々出しましたが、1週間でその演出実装できるのか?とか、変化球狙いすぎるのも良くないだろうとか考えた結果、見た目のイメージ通りに作ることにしました。
とは言え何かしら感情を揺さぶる演出は欲しかったので、かわりに実装したのが会話イベントです。

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未知の天体を10個発見すると、お姉さんが自分や天文台についての話をしてくれます。(ぜひ実際にプレイして見てみて!)
初めて会話イベントを作ってみましたが、少ない要素で中々エモい感じにできたんじゃないかなと思います。
ちなみにお姉さんの名前は『しるべ』。

なお、未知の天体に名前を付けてもオンライン上で共有はされず、ローカルのみに保持されます。
これは、そもそも作れないという技術的な問題と、後からプレイした人が未知の天体を見つけられず不平等になってしまうゲーム的な問題があってのことですが、そこに世界観的な設定(会話イベントで明かされる秘密)で整合性を取りました。
ちょっと直感的じゃなくて混乱させてしまったのは反省…。

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既知の天体の名前は深夜テンションで決めました。
なんていうかその……楽しかったです。

■I-P.V.

Inverse - Position and Vector

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お題は『逆』
FANBOXで結構しっかりと振り返り記事を書いています。

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若干癖のある全方位STGです。
直接攻撃ができない代わりに、当たった対象と自分の座標を逆転するショットベクトルを逆転するショットを使い分けて戦います。

僕が今まで作ってきた1week作品の中では一番ゲームとして面白いと思っています…が、投稿時点でチュートリアルが実装できなかったせいで面白さが中々伝わらなかったのが悲しい。
それでも一部の方々がやり込んでくれたのが嬉しかったです。

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地味に良くできたなと思っているのが、効果音とかエフェクトとかステージ移行演出とかリザルト画面のin/out演出とか、ゲームジャムでは後回しになりがちな要素が揃っているので品質が高そうに見える部分!
絵作りもShader Graphを使った背景にPost Processingで盛ったりと、パッと見てリッチな感じになってるんじゃないでしょうか。
Bloomエフェクトを信じろ。

他にも手触りを良くするために細かい挙動の補正が入っているので、多分ストレスは感じにくい作りになっている…はずです。わからん。
拡張版をSteamとかでリリースしたいな〜と思い続けていますが、すぐには着手できなさそうですね。

■無限遠の遥か

> WANTED
> Small Star Spy [No Head]
> ‡580,000,000


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お題は『密』
思い出の作品!これも一応振り返り記事があります。

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(ああ、スクショを見るだけで当時の高揚が蘇る……)
(言うて一年も経ってない)

前回(お題『逆』)の実況配信で知った九藤周さんのフリートラックをお借りして、音楽から作ったゲームです。音楽駆動開発!
細かいところはunity1week共有会で語り倒していますが、とにかく音楽のことだけを考えて作りました。
ちなみにお題の『密』は、「敵を密集させて倒す」システムと主人公の肩書きの『小さな星の"密"偵』(Small Star Spy)で一応回収してます。

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力の入れ方がおかしくて気が狂うかと思った。
『バルシュアトの生命接ぎ』を遥かに超えるデスマーチ。徹夜をやめろ。
全部のアセットをBlenderでモデリングして、ボスのアニメーションも作って、演出を音楽とシンクロさせる微調整!
音楽が良いだけに、どうにか絵作りや演出もそれに到達できるよう四苦八苦してました。
推しが原動力になると人は†本気†を出せるんですね…。

それでも完全な理想形にはとても届きませんでした。
ゲームの展開で背景も変化させたかった!
反射一辺倒で戦えてしまうのを何とかしたかった!
モデルとアニメーションのクオリティをもっと上げたかった!
ああいう演出もこういう演出も入れたかった……。

ゲームを作るのって大変だなぁ、一週間って短いなぁと再認識しました。(製作期間12日)

■隕星アルファルズ

天に生命の堕つるとも

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お題は『ふえる』
何らかの到達点。思い出の作品 -Season 2- 。
感慨に浸りすぎてほとんど振り返ってもいませんが記事があります。

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ゲームオーバーになる度にHPが増えるSTGです。
もはや内容についてそれ以上言うことはない。体験してほしい!
そして共有会のアツいオタク語りを聞いてほしい。

丁度夏季休暇が4日間貰えたので、全部使って7日間全力を注ぎ込んだ力作です。
九藤周さんに書き下ろしを依頼し、ゲーム部分も前回の反省をしっかりと活かして細部まで満足できる物を目指しました。
前回は建物のモデリングと背景スクロールで地獄を見たので、そういった物量や微調整が必要な要素はできるだけ無くしてシンプルな画面に。
その分テキスト演出やインタラクティブミュージック、ボスのアニメーションなどをコンパクトに収めつつ作り込めたので正解だったな〜という感じです。
それから、前回の反省点の一つの「ゲームとしてあんまり面白くない」点についてはエイム要素を取り入れてなんとかしました。
(エイム入れるだけである程度面白くなるんだなぁ…)

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前回のような音楽ありきな作りではないものの、音楽がかなり重要な作品でサウンド部門一位は相当に嬉しいです。もう優勝。僕と周さんが優勝。
ありがとうございました。

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以上、合計11作品の振り返りでした!
3年半で11作品です。多いのか少ないのかは分かんないけど結構頑張っとる。
こうして振り返ってみると、作品それぞれにアプローチが違いつつも着実に成長を重ねているようで中々面白いですね。

最初はなんとなくで参加してみたイベントですが、今では自分をゲームクリエイターたらしめる重要な位置付けになっています。
これらは全てunity1weekがなければ生まれなかった世界や体験なので、運営のnaichiさんには頭が上がりません。

そして次回開催は明日から!
経験者の人も初参加の人も、わいわいゲームを作っていきましょう!
僕はClusterゲームジャムに力入れすぎてヘトヘトです!

以上!

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