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ドジ社長、倒産の文字がちらつく

「とりあえず本業も営業してみます!」と勇んでみたものの、先行きは暗かった。当社は零細企業で代表の私を含めて3人。本業の顧客は私の昔からの知り合い伝いでしかなかった。つまり自業自得ということだ。

SDGsという夢物語


新事業といろいろ案をこれまでいくつも出してきた。いくつかはトライアンドエラーのワンステップを踏み出したものの成果はなく、そこまでいかないアイデアどまりというモノも多数あったことは確か。

新事業①はかなりの入れ込み具合で、自治体の外郭団体の人だったり、運営の人や組織だったりを電話してはアポを取り、時間を確保いただき取材してまわった。しかしスポンサーというか支援者集めに苦労する始末。見込みが甘い、のかもしれない。しかし、その事業をどの組織が担当するか、まだ日本企業は決められていないことも大きな要因だとも思う。

「その担当は総務部門ですが、あいにくおりません」「では担当者のお名前を教えていただけませんか?」「明確に担当は決まっておりません。」「あ、そうですか…」

そりゃそうだ、子どもの貧困対策の担当部署とか興味がありそうな部署なんて聞いたことがない(だから電話をかけてるのだが)。夢物語とは言い過ぎかもしれないが、ビジネスとかけ離れた話かもしれないと思った。

一方で新規事業のふたつ目は、①の事業が軌道に乗ればというもの。なぜなら設備投資費などがかかるから。しかし厳密には独立した事業なので、進めた方がいいのは間違いない。

他にも古物商の登録申請や本の出版や取り扱いができるようにいろいろな準備を進めた。

持病のうつ


ここまでいろんな事業を具現化すべくやってきたのだが、ほぼすべての作業を自分ひとりでしてきたため、いま行き詰まっている。加えて、いろいろなところに顔を出して知らない人と話し、交渉してきたツケが来た。持病のうつの悪化だ。

担当の先生は10年以上の付き合いなので、抗うつ剤の増量か、眠剤の増加を選ぶように私に問いかけた。処方量の減少を以前のわたしは目標にしていたので、これには驚いたが以前まで飲んでいた眠剤を少し飲んで様子をみる案に乗ることにした。

融資という借金


午後わたしはメインバンクにいた。医者の処方箋は提出したが、薬局が60分待ちだったので、こちらを選んだのだ。
新規融資するには、補助金の融資を期限延長のみにすること、これが条件といわれた。それまでに耳を揃えて返さなければいけない。これには本当にまいった。妻に「車に轢かれる」と言ったが止められた。いよいよ【倒産】の二文字が頭にチラつきはじめた。ヤバい。

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