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完璧な読書体験とまつげエクステ

夏木志朋さんの「二木先生」という小説を読んだ。

感動したのは、内容というより、ひと文字も無駄にしないという『ものづくりへの気概』のようなものへかもしれない。
届けるために、伝えるために、読む手を止めないために、どの層も置いていかないために、細部まで真剣に推敲され練られたものが面白くないわけがない。

ただ、技巧の『凄い』が先行しすぎてしまって逆に芯から心を揺さぶられなかったのは、多分私自身の問題な気がする・・。
しかしとにかく、拍手したくなる作品だった。
次回作も絶対読む〜!となったのは、20年前くらい(怖ッ)に三浦しをん作品に出会って以来はじめてかもしれない。心に響く・感動する・共感する・・とは少し違うけれど、完璧な読書体験を享受した満足感がある。

ちなみに人生の1冊候補に間違いなく入る作品に中村文則さんの「何もかも憂鬱な夜に」があるのだけど、これはもう根底から根こそぎ自分を持っていかれるような壮絶な読書体験だったので、ちょっと恐ろしくてそれ以降中村さんの小説をほとんど読んでいないのである・・。
今の自分が読んだらまた違った発見がある気がするし、それを通して何かを確認したい気持ちもあるので、もうそろそろ再読してみたいと思っている。思っているが、まだちょっと覚悟がなくて手が伸びない。
というのは言い訳で、他に読むべき本や読みたい本が積み上がっているのに日常のあれこれに追われて(または睡眠時間が長すぎて)全然読書ができていないのも理由である。要するに怠惰です。

ただ、ここで「二木先生」に出会ったことで、改めてもっと沢山本を読み、しっかり考えて真剣に生きようと反省致しました。(感謝)

まずは久しぶりに斜め下に傾きつつある最近の精神状態と生活を立て直そう。
そのためにまず部屋を片付け、ご飯をちゃんと作り、その日やるべき仕事を余裕を持ってこなそう。
さらにそのために凝り固まった肩首を整体でほぐし、ヘアサロンでトリートメントとリタッチカラーをし、エクステサロンでまつげを増やすのだ。


はあ、生きていくのって大変ねえ!


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