トラ箱に入れられる

わたしは2度、警察署の保護室に入れられたことがある。
どんな場所であるか説明しよう。
まず、保護室とは、自分または他人に対して危害を加える可能性があると認められた場合にブチ込まれる場所である。
わたしは2回とも自殺企図でブチ込まれている。
保護室ってどんなかんじ??と思うひとも多いだろう。なかなか行く機会がある人は少ないはずだ。
まず保護室、と言ってもあれは部屋ではない。檻の中である。
まずプライベートは一切ない。
持ち物は腕時計からスマホ、筆記用具まで全て没収される。
何か隠し持っていないか、下着も一応確認をされる。
また外側からは鍵がかけられる。
親族が身柄を引き取りに来るまでは絶対に出られない。
なのでトイレも檻の中にある。
トイレは小さい衝立みたいなのがあって、一応トイレの空間は区切られているものの、用を足す姿は警察署の人から丸見えである。
1回目はそのせいで、迎えが来るまでトイレを我慢していたが、2回目の警察署は保護室の鉄格子の前に目隠しのための衝立を用意してくれていたのでトイレで用を足せた。
私はただの保護だったので、喉が渇いて水が欲しくなったら水をもらえたし、トイレ用のちり紙ももらえた。
でも、保護室は迎えが来るまで鍵を開けられないので小さい窓みたいなところから、水やちり紙をもらった。
なんだか動物になってしまったみたいであったし、ただの保護でこれなら、容疑者や犯罪者はどんな扱いを受けてしまうのだろうと想像した。そして悲しくなった。

また親族がすぐに迎えに来てくれればいいのだが、わたしの親は田舎に住んでいるため1時間半くらいかかる。何にもない場所で1時間半は暇すぎて苦痛だ。警察署にいるだけでもまあまあ嫌なのに、さらにやることもない。
1回目はシクシク泣きながらトイレにたかるハエと共に過ごした。となりの保護室からは呻き声がきこえた。床も硬くてお尻が痛かった。
しかし2回目は違う。
なんと薄手の毛布があるし、壁には体をもたれかけても痛くないようにマットが貼ってあった。場所によって保護室の待遇が違うことを知る。
それでもやっぱり暇なものは暇なので、警察署の人からもらったちり紙で折り鶴を作ったり、たまに用を足したりしながら、親の迎えを待っていた。

ちなみに2回目の保護室での対応は、1回目よりかなり良かった。
しかし問題は保護される時だ。わたしはパニックで体力を消耗していて両膝を打撲していたこともあり、十分に立てなかった。しかし警官はわたしになんか大声で言っていたし、(多分、ちゃんと立てとか言われた)パトカーに入る時も無理やり身体を押し込まれた。あと、謎にわたしの顔にバインダーを押し当てた警官がいて、後で先輩警官に注意されていた。
おい、わたしもしかしてなんか違法行為した???
あと保護される時に拒否をしたら警官から
「これは強制です」
と言われた。あの景色だけは忘れられない。警官の顔が3つくらいあって空が見えなかった。
国家権力ってこんなかんじかあ。

とはいえ、普通に生きていればこんなことに巡り合うことはそうそうないので
はえ〜〜警官こえ〜〜
くらいに思ってくれたらいいなあと思う。
2回目の保護室の時に世話してもらった人(2人)は普通に優しかったです。あの2人が健康で過ごせますように。

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