20年2~3月に読んだ本の一言感想メモ

◆20年1月はコチラ

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・『夏の騎士』百田尚樹★★★☆☆

百田氏最後の小説作品。冴えない小学生男子三人が騎士団を結成して事件に立ち向かう話で、昔読んでいたズッコケ三人組を思い出した。ラストはちょっと強引な気もするが読後感はわるくない。

・『西郷どん! 前編・後編』林真理子★★★☆☆

昨年の大河ドラマ原作。西郷隆盛って知名度と人気の高さのわりに歴史小説が意外と少ないのよねー。極貧だった子ども時代や奄美大島に流刑になった空白期など資料の少ない時期を作家の豊かな感性で補っていてGood。

・『介護士からプロ棋士へ』今泉健司★★★☆☆

プロ入り確実とされながら「歴史的な番狂わせ」で奨励会三段リーグを年齢制限で退会。その後介護職に勤めつつ将棋の勉強を続けて41歳で悲願のプロ編入を果たすまでの自伝。いやぁ、勝負の世界は厳しい……。

・『働き方1.9』ヒロシ★★☆☆☆

自虐風お笑い芸人のヒロシは今YouTuberになっていた。ネタ一切なしで趣味のキャンプを淡々と挙げる動画がいつの間にか登録者50万人を超え、本人はTVで大金を稼いでいた頃よりも自然体で充実していると言う。

・『あの戦争と日本人』半藤一利★★★☆☆

戊辰戦争~太平洋戦争までの長いスパンで近代日本を考察した一冊。司馬史観では昭和だけが「異胎」としているが、半藤氏曰く、明治にはすでに軍部暴走の萌芽があり、とくに日露戦争の勝利で慢心してしまったようだ。

・『「読まなくていい本」の読書案内』橘玲★★★★☆

かつて斬新な学説として脚光を浴びた本も、知らぬ間に賞味期限切れを起こしている本は多い。本書では複雑系、進化論、ゲーム理論、脳科学、ICT(情報技術)の5つの主要トピックをていねいに解説した良書。

・『医者が教える食事術 最強の教科書』牧田善二★★★☆☆

「諸悪の根源は脂肪でなく糖質である」「コレステロールはあまり気にしなくてよい」など、最新の研究に基づいた内容は非常に有益。でも言いまわしを代えただけの重複した説明が多かったのが玉にキズかな。

・『花神』司馬遼太郎★★★☆☆

百姓から軍神となった長州人・大村益次郎の長編小説。沈思黙考の頑固な職人タイプであるため、シーボルトの娘さんとの恋愛描写を差しはさんで盛り上げたり筆者の苦心がうかがえる。表題は"花咲かじいさん"の別称。

・『実行力』橋下徹★★★★☆

彼のイデオロギーや都構想の賛否は一度隅に置いといて、大きなビジョンに向けて組織や人を動かす方法論(実行プランの重要性や比較優位の原則)は勉強になった。あと大阪府(知事)と大阪市(市長)の抗争は初耳でした。

《今月の私的TOP3》


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