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将棋・マル秘研究ノート

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私が10数年間書きためた将棋研究ノートの中からとっておきのマル秘作戦を公開します。
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#中飛車

VS 塚田恵梨花女流二段(2戦目)

VS 塚田恵梨花女流二段(2戦目)

塚田先生にリベンジ戦を申し込み。
1戦目は三間飛車でしたので、2戦目は気分を変えて中飛車に振りました。

対する塚田女流は△4四歩~△4三金と持久戦調の駒組みに。

このあと後手が一直線穴熊をめざせば、僕は左銀を棒銀感覚で繰り出して速攻を狙う予定でした(参考図)。

上図は里見女流が愛用する指し方で実戦的に中飛車が勝ちやすい形です。

実戦は△7三銀と早めに出て、先述の左銀速攻を警戒してこられまし

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VS 竹部さゆり女流四段

VS 竹部さゆり女流四段

ウォーズ指導対局の第3回は竹部さゆり女流四段。

かつて碓井、清水さんらと同時期に奨励会に在籍していたことから「奨励会3人娘」の一人に数えられ、1997年には女流タイトル戦にも登場された実力者であられます。
現在はコンピュータ将棋協会の理事に就任しておられ、多方面でのご活躍をなさっています。

さて、本局は僕の後手番(指導対局だから全部先手番なのかと思ってた)。

後手用の作戦は全然考えてなかった

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CHAP2: 対居合い抜き超速

初手からの指し手
▲7六歩△8四歩▲5六歩△8五歩▲7七角△6二銀▲5八飛△4二玉(第1図)

後手角道不突きは最近流行の先手中飛車対策です。
もし上図で△3四歩▲5五歩の交換が入っていると△7四歩と突いたときに▲5四歩の捌きが成立しそうです(A図)。

後手はせっかく今から銀を7三~6四に繰り出して押さえ込もうとしているのに目標の角に逃げられてしまっては堪まりませんね。

上図では①▲5五歩(中

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自戦記:VS奨励会員

何年か前の新春将棋大会での出来事。

昼休みに地元の奨励会員A氏が遊びにやってきた。道場で過去に数回見かけただけでさほど親交はなかったが、彼はぐるりと会場を見わたすと一番ヒマそうな僕に近づき「なあ、一局指さへん?」と対戦を申し込んできた。

「あ、いえ、もうすぐ午後の試合がはじまりますので……」

僕はやんわり断ろうとするも、「まだ10分もあるやん」と彼は一向にかまわない様子で対局時計の針を12時

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自戦記:ゴキゲンっぽい何か

いや~、毎日暑いですねぇ……。

▲2六歩△3四歩▲2五歩△3三角(図)

将棋クエストの早指しで後手が私。▲2六歩~▲2五歩はやや形を決めすぎのきらいはあるが振り党相手には有効な手段で、2手目3二飛戦法、ゴキゲン中飛車、角交換振り飛車などをいっぺんに封じている。さて、どうしたものか……。

▲7六歩△4二銀▲4八銀△5四歩(図)

図は次に△5五歩~△5二飛の変則的なゴキゲン中飛車を目指しており

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CHAP1: 対△6四銀対抗型

初手からの指し手
▲7六歩△8四歩▲5六歩△8五歩▲7七角△5四歩▲5八飛△6二銀▲4八玉△4二玉▲3八玉△3四歩▲6八銀△5三銀▲2八玉△7七角成▲同銀△6四銀(第1図)

上図が「先手中飛車VS6四銀対抗型」の基本形。
後手は5筋の歩交換を銀で阻止して先手からの捌きを徹底的に防ぐ作戦です。

手順中△7七角成▲同銀の交換をせず単に△6四銀と上がるのは▲6六歩と突かれ(A図)、

A図以下△7四

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CHAP3: 超急戦回避作戦



上図から後手が大決戦を避ける手段を調べていきます。①△5五歩~△3二金、②△6二玉、③△9四歩が有力です。順番に見ていきましょう。

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CHAP2: 菅井新手5七歩



テーマ図以下の指し手
△5五歩▲2四歩△同歩▲同飛△5六歩▲同歩△5七歩(第1図)

大決戦に踏み込む前に一本△5七歩と叩くのが菅井新手です。定跡は▲6八金寄ですが、ネット対戦などでは▲同金もときどき指されます。

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CHAP1: 大決戦型



テーマ図以下の指し手
△5五歩▲2四歩△同歩△5六歩▲同歩△8八角成▲同銀△3三角(第1図)

この飛車銀両取りを境にお互い一歩も退かない「大決戦型」に突入します。

以下▲2一飛成△8八角成と進んだとき右辺の脱出口が開かれているのが5八金右の主張で、もし4八銀だと味方の駒に邪魔され先手玉はあえなく窒息してしまいます(A図)。

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相中飛車の同型を破るとっておきの秘策!

秘密レベル★☆☆☆☆

ネット将棋や時間の短い大会では「相中飛車」にしばしば遭遇します。

先後同型ですから一手早く指せる先手側が「リクツ」の上では良いはずなんですけど、これ、実際に指されてみると意外に厄介なんですよね。

まあ、何はともあれお互い美濃囲いに組むんでしょうけど……。

①▲6八銀と左銀を活用させたいのはやまやまですが、角をただで取られて論外。また②▲7七角とヒモをつけても△7七同角

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