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将棋・マル秘研究ノート

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私が10数年間書きためた将棋研究ノートの中からとっておきのマル秘作戦を公開します。
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#三間飛車

VS 藤井奈々女流初段(2戦目)

VS 藤井奈々女流初段(2戦目)

藤井奈々先生にリベンジ申し込み。
1戦目と同じく、石田流VS4手目△4二玉からの~~、、、

△4五角打たせ乱戦になりました。

この形は昨日ソフトで何時間も研究したから今度は負けへんで!!

以下、19手目▲3六歩まで全く同じ進行に。

図では△2六馬や△5四歩がよくある応手ですが、藤井奈女流は△5二飛と早いタイミングで飛車を転換されました。

前局では▲7四歩から8二飛のコビンをいじめられる展

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VS 藤井奈々女流初段

VS 藤井奈々女流初段

ウォーズ指導対局の4人目は、藤井奈々女流初段。

同先生は中飛車+居玉で居飛穴を破る「藤井(奈々)システム」の考案者。
他にも創作詰将棋、イラスト、観戦記など、多分野にまたがり才能を発揮されています。

個人的にリスペクトしている棋士の一人で、本対局をとても楽しみにしていました。

さて、戦型は石田流VS4手目△4二玉。
藤井奈女流は振り飛車党なので居飛車にされたのは意外の感がありました。

以下

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VS 塚田恵梨花女流二段

VS 塚田恵梨花女流二段

ウォーズ指導対局の第2回は塚田恵梨花女流二段。

ご両親はともに将棋棋士(父:塚田泰明九段、母:高群佐知子女流四段)で、ご家族全員が居飛車党です。
また昨年より始まった女流順位戦ではぶっちぎりの好成績でA級に昇級され、現在もっとも勢いのある女流棋士の一人でもいらっしゃいます。

さて、本局は僕の石田流宣言に、メジャーな4手目△4二玉。
以下▲6六歩なら穏便ですが▲7八飛が早くも波乱を含んだ手で、

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へなちょこ☆奥の手

へなちょこ☆奥の手

将棋クエストで六段氏との対戦(先手が僕)。

ノマ三には「へなちょこ急戦」が有力な作戦で、図で△8二玉には▲4五歩と仕掛けて早くも居飛車ペースになります。

詳しい指し方は↓↓の記事を読んでね。

△2二飛(図)

△2二飛は▲4五歩の仕掛けを封じた手。

これには地下鉄飛車風味で戦うのが「へなちょこ持久戦」と呼ばれる二の矢の攻めですが、振り飛車側もだんだん目が慣れてきて以前ほど簡単には勝てなくな

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うまぴょい定跡

うまぴょい定跡

先日Twitterで出題した次の一手で「どうやったらその局面に至るか教えてほしい」とご要望をいただいたので初手からの駒組みを記していきます。

▲7六歩△3四歩▲7五歩△4二玉(図)

4手目△4二玉は早石田封じの一手。以下▲7八飛なら△8八角成▲同銀△4五角で優劣不明の乱戦になります。

以下の詳しい攻防を知りたい方は↓をどうぞ

▲6六歩△6二銀▲7八飛△6四歩▲5八金左△6三銀▲4八玉△6二

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「へなちょこ急戦VS.ノマ三」を最強ソフトで徹底研究!

「へなちょこ急戦」は相手が△4四歩と角道を止めるノーマル振り飛車に対して用いられ、とくに三間飛車が相手のとき最大の効力を発揮します。

▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩▲4八銀△3二飛▲2五歩△3三角▲3六歩(図)

先手は早めに▲2五歩+▲3六歩を決めて後手の石田流(△3五歩~△3四飛)の含みを消しておきたいです。

△4二銀▲6八玉△6二玉▲7八玉△7二玉▲4六歩△5二金左(図)

▲3七桂と

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CHAP2: 升田式石田流



▲4八玉~▲3八玉とじっくり囲うのが升田式石田流の基本図。
考案者は昭和の大棋士・升田幸三先生で、「奇襲」とみなされていた従来の早石田を改良して名人戦の大舞台で採用。一気に「本格」戦法へと昇華しました。

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どこにも書いてない後手無理やり石田流(4手目△3五歩)のとがめ方

▲7六歩△3四歩▲2六歩△3五歩(図)

4手目△3五歩は後手番なのに石田流をめざす罪深い(?)一手。

以下▲2五歩や▲4八銀は無条件に△3二飛を許して面白くないので、6五角の反撃含みに▲6八玉が最も一般的でしょう。

上図で△4二飛なら「3・4・3戦法」と呼ばれる作戦になりますが、あくまで強気に△3二飛と突っ張るのが今回のテーマとなります。

まあ、手の流れからして▲2二角成△同銀▲6五角は当

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2手目3二飛戦法のアイディア(プロキシ新手△2二同飛~△3三角)

※当記事はアイディアを提供してくださったプロキシさん(@proxy_shogi)に許可をいただき、Twitterでの僕との会話やり取りを掲載したものです。

プロキシさん(以下敬称略) > 二歩千金さん、こんにちは。

二歩千金 > ご無沙汰ですー。(注:約2年ぶり。そのとき話した内容は↓)

プロキシ > お久しぶりです。2手目3二飛についてお話したいんですが良いですか?本に載せてたらすみません

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石田流vs8五歩型のとっておきの変化

▲7六歩△3四歩▲7五歩△8四歩▲7八飛△8五歩▲7四歩△同歩▲同飛△8八角成▲同銀△6五角(図)

「図で▲5六角の合わせなら鈴木新手になるけれど▲7八飛とあっさり引く手も面白いよ」

――と、自著『振り飛車2.0』(p.33)でさらっと述べましたが、今回の記事ではその先の展開をもっと深堀りしてみようと思います。

※本を購入くださった方は巻末掲載の「特設サイト」から無料で読めます。

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自戦記:3・4・3破り

先手:相手の方 後手:ぼく  ※便宜上先後逆

△3四歩▲7六歩△3五歩▲6八玉(図)

石田流の対策は色々あるが、僕はたいてい▲6八玉を採用している。

以下①△4四歩なら▲4六歩~▲4八飛の「速攻・右四間」、②△3二飛なら▲2二角成~▲6五角で「乱戦・6五角打たせ」になる。

詳しい攻防は「序盤完全独習マニュアル③」を参照してほしい(ステマ)。

△4二飛(図)

相手はどちらでもなく△4二飛

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CHAP2: 2~6手目3二飛戦法

角道を止めずに△3二飛と振る形にはさまざまなバリエーションがあります。

具体的には2手目、4手目、6手目のどこで三間飛車を明示するかによって後手の作戦が決まりますが、全体を通して▲6五角問題をどう切り抜けるかが大きなテーマになります。それでは順番に調べていきましょう。

2-1 2手目3二飛

初手からの指し手①
▲7六歩△3二飛(第1図)

2手目3二飛戦法は関西奨励会に在籍中だった今泉健司三

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CHAP3: 向かい飛車転換型



テーマ図以下の指し手
▲7八飛△6二銀▲5八金左△8八角成(第1図)

▲5八金左を見て角を換える形が本章のテーマです。

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CHAP2: 乱戦 4五角打たせ



テーマ図以下の指し手
▲7八飛△8八角成▲同銀△4五角(第1図)

△4五角は4二玉と連動した狙いの角打ち。

この手の成立条件はけっこうシビアで、例えば6二銀型なら▲5五角で香取りが受かりませんし、8四歩型も▲7六角が用意のカウンター(A図)で、

A図以下①△2七角成▲4三角成の斬り合いは桂取りの先手が有利、また②△4二玉▲3八銀も後手の角だけが虚空に取り残され先手不満のない展開です。

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