うまぴょい定跡
先日Twitterで出題した次の一手で「どうやったらその局面に至るか教えてほしい」とご要望をいただいたので初手からの駒組みを記していきます。
▲7六歩△3四歩▲7五歩△4二玉(図)
4手目△4二玉は早石田封じの一手。以下▲7八飛なら△8八角成▲同銀△4五角で優劣不明の乱戦になります。
以下の詳しい攻防を知りたい方は↓をどうぞ
▲6六歩△6二銀▲7八飛△6四歩▲5八金左△6三銀▲4八玉△6二飛(図)
▲6六歩と角道を止める手には右四間が今一番人気の三間対策です。
以下、先手が漫然と美濃囲いに組めば「エルモ囲い」にするのが右四間と相性の良い組み合わせで、下図はなんとすでに後手+300以上の作戦勝ち。
▲3八玉△3二玉▲7六飛(図)
そこで、▲3八玉と△6五歩~△4五角の筋を消しておいてから▲7六飛と浮くのがとっておきの秘策で、図以下△5四銀なら▲7七桂がぴったり。
よって実戦では△6五歩と強引にこじあけにくる方がほとんどですが…。
△6五歩▲同歩△8八角成▲同銀△5四銀▲7七桂(図)
図で後手は十中八九△7八角と打ち込んできます。もうこの時点で先手の勝ちはほぼ決まったも同然なのですが、ここで重要なのが、角を打たれた直後に「あっ…しまった…」みたいな雰囲気を出して10秒ほど指し手に間を空けることです。
この"間"があるかどうかで、まじで勝敗が変わるからね。
△7八角▲5六角△同角成▲同歩△7八角(図)
少考のあと、「まあ適当な受けはないけど、いったんは角を合わせておきますね…」みたいな力ない手つきで▲5六角と置きましょう。
もし、ここをノータイムで指しちゃうと、相手が勘のいい人だった場合、「はて、もしや何か罠を用意している…?」と察して2度目の△7八角を見送ってくる可能性があるんですよ。
▲9八角△6九角成▲8九角(図)
▲9八角~▲8九角でゲームセット。結果図は次の▲5九金寄が受からず振り飛車優勢です。
また「手順中△6九角成に代えて△4五銀は?」というご意見も寄せられましたが、▲5七金△6九角成▲8九角△6八馬▲5八金上△6九馬▲6六飛で、やはり後手の馬は捕まる運命(さだめ)にあるようです。
この先手三間VS右四間において馬を捕獲する一連の手順を、時流にあやかって「うまぴょい定跡」と命名します。
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