記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

王さまの本棚 86冊目

『レ・ロマネスクTOBIのひどい目』

レ・ロマネスクTOBI著/奥野武範構成・文/青幻社

本棚の場所は、ここ!

山岸凉子と岩明均に囲まれているTOBIさん、異様です。

というのも、レ・ロマネスクというポップデュオ(?)ってご存じでしょうか、フランス貴族っぽい衣装と、そのメイドっぽい衣装をまとい、とても狂った歌を歌う……第一印象は、歌手なのに歌ではなく見た目、という彼ら。どう見ても芸人なのに、仕事に関しては芸人っ気なしで、しっかり歌手活動している彼ら。
いや、馬鹿にしているわけではなく、事実……なんです……!私、『ジュテームのコリーダ』を涙出るまで笑いながら聴いて、その後アルバム買って、『一粒の米』とか、冒頭『その者、ピンクの衣をまといて金色の野に降り・立つ・べし。』っていうフレーズとか、とんでもなく遊び心があって好きなんですがね……笑い転げているんですがね……!そう、アルバム二枚持ってる!一枚目のほうが好きだった!

私レロマのビジュアルで言うと、陰に控えている、そして控え切れていないオーラを放つMIYAさん(丸いほう)が好きなんですけど、そのメインボーカルのほうのTOBIさん(細長いほう)、こちらの方のほぼ日で記事になっていた「TOBIのひどい目」がもう、たしかギリギリ会社員時代だったんですけど、あまりにおかしくって、昼休み薄暗い自席でクスクス笑っていました。気がします、いや、もう会社は休んでいたかも?まあその辺は記憶が曖昧です……。

まあ私のことはともかくですよ、ひどい目が本当にひどくて。TOBIさんはそのキャリアの最初のほうで渡仏して語学学校に通ってらっしゃるのですが、「ジュ・ヌ・パルル・パ・フランセ(私はフランス語が話せません)。」しか話せないのに(話せないから?)銀行強盗やらギャングの抗争に巻き込まれます。語学が堪能でなくて、ルールにも慣れていない外国人は海外で危険な目に遭遇しやすいって言いますが、まさかそこまでの目に遭う?!っていう。

その後フランス語が堪能になってからも築400年のアパルトマンに住んでいたら、いえ、築400年はパリではよくある話らしいのですが(いいなあ、古い建物を大事にする文化。地震のない国じゃないとなあ……。)、年代物の古くて細い排水管が詰まって、他人の家の汚水が部屋にあふれ出して大変な目(あ、そうか、まさに「ひどい目」!)に遭ったりするんです。

ほかにも、就職する会社が次々倒産していってついに「倒産請負人」の称号を得たりとか……もう、倒産請負人っていうフレーズだけで笑っちゃうのに、語り口が軽妙で全然/あんまり悲惨じゃないように読めるところとか、最高に好き。

これ、すっごくネタバレしてしまっているのですが、ネタバレしても大丈夫な感じの本なので大丈夫なんです。絶対に、ツボにハマる人はハマります。読んでみないと合うかどうかはわからないけど。まずは上にリンク張ったほぼ日の記事からどうぞ~~~!

そして、最後に私の一押し動画、見てってください。(もう本の紹介じゃない)

スキもコメントもフォローもとても励みになります。サポートは本を買うために使わせていただきます。