繋がる映画、初めての映画祭。(後編)


前編はこちら。


神戸インディペンデント映画祭で「にびさびの巣」という映画と出会った訳なのですが
少し前に開催された「TAMA CINEMA FORUM」という映画祭のコンペにもノミネートしていたことが分かりました。

「TAMA CINEMA FORUM」内のプログラムとして「TAMA NEW WAVE」という中・長編の作品を対象にしたコンペがあり
その中の「ある視点部門」に「にびさびの巣」は選出されていました。

残念ながらこちらでは受賞はされていなかったですが、それでも200作品以上の応募の中から選ばれたところに、この映画の持つ力を感じます。
(ちなみに、神戸インディペンデント映画祭では撮影賞を受賞されていました。おめでとうございます!)

そして、更に調べてみたところ、どうやらこの「TAMA NEW WAVE」のノミネート作品がVimeoにてレンタル購入できることが分かりました。
早速購入!ただ、作品によっては視聴期限まで3日ほどしか無かったため、そちらも観たいと思い「はこぶね」と「ジンジャーミルク」を鑑賞しました。(「瀉血」は時間が取れなくて観れなかった…)


「はこぶね」
漁協の合併を控えた港町。視力を失った西村芳則(木村)は、かつて同じ通りの家から通学した同級生が町に戻ってきたことを聞く。同級生で役者をする大畑碧(高見)は自身の理想と現実の狭間で憂鬱な時を過ごしている。再会する2人。町にはゆっくりと陽が落ち、そこで暮らす人々はそれぞれの帰路に就く。窮屈で、美しい、その町を眺める2人は、その景色にそれぞれの記憶と想像を重ねる。

第23回TAMA NEW WAVE公式サイトより

今回のグランプリ作品であり、主演の木村知貴さんは男優賞を受賞されているのですが、納得のクオリティと素晴らしい演技でした。内田春菊さん演じる主人公の伯母が、田舎の閉塞感の中で人格形成された感じというか、「あぁ、こういう人いるよな」と思わせて痛々しい気持ちになるくらいの印象的なキャラクターでした。「ディスコーズハイ」にも出ていた愛田天麻さんも出演されていて個人的に胸熱。
監督の言葉にある“むわっとした空気の映画”という表現が本当にぴったりだと思います。


「ジンジャーミルク」
「自分はゲイかも」と玲衣は友人の健斗にカミングアウトされる。2020年4月コロナ禍で緊急事態宣言が発令され、生活の変化を強いられながらも大学生活を送るろう者と聴者の4人の姿を描く。彼らの甘くて辛い想いが交差した複雑な四角関係を綴るヒューマンドラマ。

第23回TAMA NEW WAVE公式サイトより

委員会の方もSNSで触れていましたが、作中に出てくる「手話と日本語は違う言語」という台詞が心に刺さりました。コロナ禍と大学生、リモート授業やSNSでの繋がりなど、直近の世相を反映していて、作品自体に若さを感じました。自分が大学生くらいの時にもし観ていたら、また違った感想だったかも知れないし、違う価値観を与えてくれたかも知れません。



話は戻りますが、神戸インディペンデント映画祭の入選作品の中でYouTubeでも配信してくださっているものがあったので、そちらも観てみました。「無法の愛」はアニメ作品、「死にたい!」はヤングコンペ入選作品です。こちらはURLだけはっておこうかと思います。

※「劇場版」は限定公開に変更されていました。


「ディスコーズハイ」を観にいったことが、色々なインディーズ映画を観る機会に繋がりました。
映画祭には、また行ける機会があったら行ってみたいですね。「にびさびの巣」で知った岡田深さんや角洋介さんが携わったものを観る機会がそこにもしあるのならば、きっとまた素敵な時間が過ごせるのではないかと思っています。

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