「東日本大震災みやぎこども育英募金」に寄付しようと思った理由
2011年3月。岩手県釜石市。
海の近くに住む妹は、当時妊婦だった。
奇跡的に助かった妹だったが、その日は婦人科検診の帰り。
「流産する可能性があるから、この薬を飲んで下さい」。
と、医者から渡された薬を持ち、自宅に帰った後、被災した。
命を守るのに必死で、固く冷たい屋根の上にしがみついて登り、小雪がシンシンと降る中、震えて朝を迎えたという。
薬は津波に流され、おなかにいる赤ちゃんはどうなってしまうのか。
恐怖しかなかっただろう。
その後、子供は無事に産まれたが、親を失った子どもたちの話を耳にすることが多く
「自分たちは運が良かっただけだ」
とつらい気持ちになったのを覚えている。
2022年。姪っ子も10歳だ。時がたつのは早い。
私は、仕事の傍ら、ライブ配信アプリ「17ライブ」で、色々な情報を伝えている。
本や、洋服、使って良かった雑貨、美味しいお菓子。
中でも、映画好きの私は、心を打たれた作品の話もした。
保護司の世界を知るきっかけになった映画「前科者」。
犯罪を犯した人の立ち直りを支える民間のボランティア(保護司)を中心にストーリーが進んでいく。
「幼少期に感じた辛い経験が、今の自分を作っている」
そんな風に受け取った私は、
「震災から10年が過ぎたが、あの時の子どもたちは今、どうしているだろう」
ふと思い立ち、ネットで検索。
調べているうちに目についたのが「東日本大震災みやぎこども育英募金」だ。
「東日本大震災から9年が経過した今も、震災による住環境や家庭の経済状況の変化などが、子どもたちの心に大きな影響を与えています。
こうした問題から生じるいじめや不登校により、学校生活に困難を抱えるようになった子どもたちの学校復帰を含めた社会的自立への支援が大切です。
しかし、課題の要因や背景は複雑であり、学校だけでは解決が難しいことから、学校を外から支える仕組みが必要とされています」。
※HPから抜粋
心のケアハウス運営支援事業 いじめ・不登校等対策推進・強化事業が必要とされている今、小さな力ではあるけれど、応援できないかと考えた。
10年前の苦しみや悲しさを今も心に抱えて生活している子どもたちがいるのだ。
毎日配信している「17ライブ」では、リスナーさんたちが私を応援してくれる。
「ギフト」と呼ばれる投げ銭もたくさんいただき、感謝しかない。
ふと頭をよぎる。
「みんなからの応援を、子どもたちにも届けたら・・・」。
ジワリと嬉しさがこみ上げてきた。
「毎月、みんなからの気持ちを届けよう。収入の一部を寄付しよう」。
目の前がパッと明るくなった。
実は、17ライブを続けていく「目標」を見失っていた。
イベントに出てタイトルを取るためなのか、交流を深めるためなのか、仕事につなげるためなのか。
本気で活動するにも、目的がないと成長どころか挫折する。
今、「みんなの応援を届ける、寄付をする」という目標ができた。
配信が、より楽しみになった。
寄付を継続するべく、ずっと応援していただけるよう、幅広い情報や面白い企画など考え、今後は、みんなからの応援を、被災した子供断ちに届けていく。
●「17ライブ」
(じゅんこ_87)