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投資部 #1 会計の基本

[部活]のためのコンテンツ第一弾として、まずは会計って何? ってところから入りたいと思います。

そもそも会計って何?

会計とは取引の記録です。

会計を知る上での前提

会計の基準で唯一絶対なものはありません。
いろいろな基準があります。
たとえば、日本基準やアメリカ基準、国際基準といったものがあります。

ただしこれは主に作成基準の違いなので、見る側が気にかける必要はあまりありません。

財務状況の確認が目的であれば、作成基準の違いに囚われることなく、普遍の要素に目を向け理解することが何よりも重要です。

会計基準はひとつではない


なお、現在は日本でも独自基準から国際会計基準 (IFRS: International Financial Reporting Standards) に統一しようという流れになってはいます。
(が、Brexit の結果 IFRS 離れになるのでは? とも言われています……)

会計基準は色々あってややこしそうだなぁと思われたでしょうが、基準の違いを気にすべきは、A社とB社を比較する時です。

注意点は、複数社の比較をする際には同じ基準のもので見ようっていうことだとご理解ください。

どの基準であろうが会計の本質は同じなので、ただ一社の中身を見る場合であれば、さほど気にする必要はありません。

会計の原則

色々と基準がある会計ですが、実は、どの会計基準であっても共通する基本原則があります。

取引は入口と出口で確認できるよう、2つ以上の勘定科目に仕訳する」 というものです。
これが会計の基本コンセプトです。

具体的には下図のように 「T字型」 に左右振り分けして記述します。このようなものを複式簿記といい、中世ヨーロッパの商人が編み出しました。

これは、現代のどの会計基準でも踏襲しています。

T字型に仕訳

右が財の入口側で、どうやってお金を集めたのかを表しています。これは財を貸している側の内容ですので、貸方 (Credit Record) といいます。 

左は財の出口側で、集めたお金をどう扱っているのかを表しています。これは財を借りている側の内容ですので、借方 (Debit Record) といいます。

入口から見るか出口から見るか、左右は視点の違いだけなので、左右それぞれの総量は常に同じになるという特徴があります。

勘定科目

仕訳するための項目を勘定科目といいます。
勘定科目には、実に多くの科目があります。

ひとつひとつの意味合いを理解するのも難しいのですが、ざっくり大きなカテゴリーでみると実にシンプルで、たった 5つしかありません。

貸方 (Cr: Credit record)

  1. 負債 (Liability)

  2. 資本 (Equity)

  3. 収益 (Revenue)

借方 (Dr: Debit record)

  1. 資産 (Asset)

  2. 費用 (Expense)

試算表

財務を大掴みするには、この 5つのバランスこそが、見るべきポイントになります。 

なお、5科目すべてを T字型にまとめたものを 「試算表」 といい、これが決算書における基礎資料で、貸借対照表と損益計算書のもとになります。

決算書

取引は会社が存続する限りずっと続くものですが、状況を確認するために任意のある時点で区切り、振り返りを行います。これを決算といいます。

日本では 3月を決算月とする企業が多いのですが、12月だったり、その他の任意の月で設定できます。
同じ期間で定期的に比較できるようにすることが、決算の目的です。

決算に用いる資料を 「決算書」 といいます。
単に決算書というだけでは、実はあやふやで、会社法や金融商品取引法で対象が異なります。

決算書

会社法で規定されている決算書では、貸借対照表 (B/S: Balance Sheet)」 と 「損益計算書 (P/L: Profit and Loss Statement)」 に 「株主資本等変動計算書」、「個別注記表」 の 4点を指します。

金融商品取引法で定められている決算書は 「財務諸表」 ともいい、B/S、P/L に 「キャッシュフロー計算書 (C/S: Cash Flow Statement)」 と 「株主資本等変動計算書」、「附属明細表」 を加わえた 5点になります。

ひとえに決算書と言っても様々あるわけですが、株式投資などで財務を掴む上では 「財務三表」 が重要視されます。
財務三表は B/S、P/L 、C/S を指します。

決算書は上場企業各社サイトの IR情報ページや EDINET 等から、誰でも自由に閲覧できます。

以上が会計の基本です。

今回のポイント

  • 会計は取引の記録である

  • 会計基準は 1つではないが、統一の流れにある

  • 会計の原則は、取引は常に入口と出口それぞれの視点から記載する

  • 勘定科目は 5つのカテゴリに大別される

  • 決算書の中身が何を指すかは、その時々による

  • 財務三表とは B/S、P/L、C/S のことをいう


今回は以上です。
具体的な財務三表の見方などは別の回で書きます。

(編集中: 2022/12/25、アップ後見直ししながら挿絵などはところどころ修正かけていきます)

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