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難しいことを簡単にするコツ

難しいことと簡単なことの差は "想像" できるかどうかです。

文法の違う外国語で書かれた書物は難しいですし、話し言葉とは異なる古文も難解に感じます。
現代文でも専門用語が多用されると、とたんに難しくなります。

しかし、専門的なことでも入門書のように図や挿絵が多用されたり、イメージしやすく擬人化したり漫画にされると簡単に感じます。

つまり "難しいとは想像できないこと" で "簡単とは想像できること" です。

また、文章を理解するには誰もが言葉を介して脳内で "映像化" しています。なので、語彙が乏しいと理解する際のイメージ変換に手間どり、難しいと感じることが多くなります。

語彙が豊富だとイメージ変換がスムーズなので理解が速くなります。

難しいことを簡単にする。つまりは、誰もが理解しやすくするコツは、"映像化" しやすいように具体的な言葉に変えたりイメージで補助することです。

たとえば "語彙" という単語ならば辞書的な意味ではなくても、文脈から "知っている言葉" というふうに小学生がわかる平易な言葉に変換します。

ビジネスでよく見られる "エビデンス" であれば "根拠" のようにおじいちゃん / おばあちゃんに伝わる言葉にします。

この2点に気をつけるだけでも格段にわかりやすくなります。

言葉は変えずに図や表、イメージを添えるのでも分かりやすくなります。数値をグラフで表すのは正にこれですよね。

文章が長くなりすぎないように接続詞でつながずに短文化するのも、イメージしやすくするコツです。

程度や感覚は、副詞や形容詞ではなく数量や具体的な事物で表すことによって、脳内で映像化しやすくなります。

[まとめ]
難しいことを簡単にするコツは "脳内での映像化を手助けすること" で、手法は下記の4点です。

  1. つたわる言葉に変換する

  2. 図表やイメージを添える

  3. 接続詞を省き短文化する

  4. 具体的事物や数量で表す

これら4つのコツすべてを逆に、漢字と外来語だらけ、接続詞を多用して一文を長くとり、受け手しだいでイメージが変わる副詞や形容詞を多用、これらに加えて二重否定などのイメージしにくい構文も織り交ぜれば、難解な文章になります。
(こういう文章は一見、内容以上に価値があるように見えがちです)


少し話が反れますが、コンサルタントは新しい知識を取り入れる際に同じテーマで複数の本を多読します。

これは、まずは絵を多用した超入門書から頭の中でイメージを描き、徐々に深掘りしていくとスムーズに理解できるからです。

一冊目は全体像や専門用語のイメージを掴むことを目的とし、ニ冊目以降は想像を補助するための事例だったり喩え話はばっさりとカットし、知らない部分だけを拾い読みし、知識を深めるように読みます。

これで結果として速く読めてしまいます。

つまりコンサルタントの速読は、読む行為そのものの速さではなく、読むべき場所の選別や特定が速いのであって、不要な箇所は飛ばしているのです。

この際、すでに脳内でイメージできているもの (簡単になったもの) をばっさりと削っているのです。

同じような事例は、学生時代を思い返していただくと皆さん経験があると思います。

歴史を学ぶときは、小学校で縄文時代から近現代まで一通り学習し、あらためて中学校でも縄文時代から近現代まで、高校でも縄文時代から近現代まで、同じテーマを何度も繰り返すことで深堀っていきますよね。

イメージしやすいものから入ることで理解しやすくなり、徐々に深掘りし芯に迫っていきます。

もし伝えたいのに伝わらないという場合は、相手の脳内に映像化させる (想像させること) を意識して、言葉を変えたり図表やイメージを加えるということを試みてください。


しかしながらプレゼンテーションに目を転じると、何でも簡単にすればいいのかと言えば、そう単純ではありません。

人は簡単すぎるものには価値を感じにくく、知らないものには愛着を持てないという面倒な性質があります。

知ってよかったと思ってもらうには 「この私だから理解できる」 というラインが、ちょうど良いです。

「これは皆には分からないかもだけど、私には分かるんだよね」 と思うラインを上手く突けると、そのものに対して愛着を持ってもらいやすくなります。

だから、何でもかんでも平易な言葉に変換しすぎるのではなく、相手に合わせたちょうどいい言葉や、相手が興味を持つ喩えやイメージを用いるといったことも重要なコツです。

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